時計のようで時計ではない。Apple Watch初のフルチェンジの意味
FUNQ
- 2018年09月14日
Apple Watch Serise 4に触れて分かったこと
広くなった表示領域、ワイドかつ薄くなった本体。多彩なボディ素材、カラーと、バンドの組み合わせで無限のバリエーションを持つデザイン。
9月12日のカリフォルニアApple本社に取材に来て見た新しいApple Watchは、大きな画面に情報量の多いフェイスがよく似合う。腕に対するフィット感は増し、増えた情報量にわくわくする。
2015年に最初のApple Watchが最初に出た時、従来のギークなスマートウォッチとは違って、ファッショナブルであることをAppleが強くアピールしたことをご記憶だろうか?
ステンレス、アルミに加え、200万円もするゴールドのボディを用意し、発表会には各国のファッション雑誌のライターを招待した。高級時計や、ファッションとしての時計を研究し、Apple Watchの居場所を探ろうとしていた感じだった。
そこから、3モデルを経て、Apple Watchは独自の居場所を見つけようとしている。
ファッション、身だしなみとしての高級時計、趣味としての時計を求める人には向かないかもしれないが、身体に一番近いデジタルデバイス、パーソナルアシスタントとしての機能はとても充実してきている。
最新版の進化。使い始めるともう手放せない
私は、初代モデル発売以来すべての世代のApple Watchを手にしてきた。Apple Watchを腕にすること自体をお洒落だとは思っているわけではないが、もう機能として手放せないものになっている。
まずは、歩数、消費カロリー、スタンド、心拍などを記録する活動量計として必要不可欠。中年になって気が付けば増えそうになる体重を制御するために必要だ。家にいても外していると、ログが取れないので付けるようにしている。
通知が届くのも便利。iPhoneをバッグに入れていても、メッセージ、メール、通話の通知が腕に届くのだから気付かないことはない。会議中でも、メッセージなどはチラリと見られる。iPhoneのカレンダーに入っている次の予定を表示するようにしているから、会議をすっぽかしてしまう心配もない(ちゃんとカレンダーに入力していれば)。
一番重宝してるのは財布としての機能だ。SuicaとQUICPay、iDを入れているので、ほとんどのケースで支払いはApple Watchでタッチするだけで済む。電車に乗るのも、自動販売機でも、コンビニでも、レストランでも使えるから、最近では数日間財布を開かないことさえある。
猛烈に便利なのはフィットネス系。iPhoneを家に置いて出てもGPSでランニング、サイクリングの距離をトラッキングしてくれるし、距離やペースがリアルタイムで表示される。心拍も取れるので、脂肪燃焼させたいのか、心肺機能を強化したいのか、負荷をコントールしながらランニングできる。
ランニングといえば、BluetoothヘッドセットがあればApple Watchだけで音楽も聞ける。お金も支払えるから、喉が渇けばスポーツドリングも買えるし、疲れたら電車に乗って帰ってもいい。
充電が2~3日しか持たないのが、従来の時計と違うところだが、毎晩充電台に置く習慣になればなんでもない。
多くの人がスマホを手放せなくなっているのと同様、私にとってはApple Watchのない生活は考えられない。
大きなフェイス、薄くなってフィット性も増した
上記のような利用法が一般的だとすれば、今回発表されたApple Watch Series 4の進化の方向は非常に正しい。
S4というApple開発の統合チップを使い、処理速度は2倍ながらバッテリー持続時間は同等。同じことがこれまでよりよりスムーズにできる。
従来モデルよりわずかに大きくなった分薄くなり、フェイスは30%以上も拡大している。腕にフィットする感じだ。従来38mmと呼ばれた小さい方は40mmになり、42mmは44mmになった。ただし、ベルトは38-40mm、42-44mm間で互換性がある。
腕にしたビジュアルが、本格時計のようにお洒落という方向からは離れたように思うが、私としてはこれほど便利なデバイスを、手放すことはできない。新しい情報量の多いフェイスを使うことになるだろう。
ベルトを変えたり、お洒落なウォッチフェイスを探してみれば、けっこう個性を演出することもできる。そのひとつの姿が、Hermesモデルや、NIke+モデルだともいえる。
新たに採用された転倒通知機能や、電気心拍センサーによる心電図も人の命を救うかも知れない大きな機能だ。
ライフスタイルは人それぞれだから、すべての人に勧めるものではないと思うが、従来の時計にも他社のスマートウォッチにもない利便性にたどり着いたところが、さすがApple。
実は、Series 3でもそれほどの不足はないが、Apple GiveBackという下取り制度もあるから、新型にリプレイスしたいと思っている。
(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2018年10月号 Vol.84』)
(村上タクタ)
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