Apple京都スタッフのダイバーシティ。USから帰国した60代夫妻の素敵
FUNQ
- 2018年10月02日
アップルストアスタッフのユニーク
アップルストアのスタッフって、どんなイメージだろうか?
「Tシャツを着てて、とってもフレンドリー」
「けっこう日本人以外の人もいる」
「新規オープンの時にハイタッチしてくれる」
「ジーニアスって、製品のことを何でも知ってる人も」
日本の伝統的な店舗で良いとされているような、礼儀正しい腰の低い接客とまったく違うのに、とってもいい印象を持っている人も多いのではないだろうか?
筆者も先日、陸上競技のトレーニングのために心拍などを取りたいという息子のために、新型が出て安くなったSeries 3のApple Watchを、表参道のストアを買いに行った時にとても好印象だった。担当してくれたスタッフは、「Apple Watchカッテモラウンダ! ヤッタネ~!」と言って息子にハイタッチしてくれた。
息子はとても嬉しそうだった。
腰が低いばかりが接客ではないんだなぁと感心したものだ。
8月25日にオープンしたばかりのアップルストア京都にも、新規店舗オープンのために100人以上のスタッフが集められている。
新規にトレーニングを受けてスタッフとなった人もいれば、心斎橋や名古屋など日本の他の店舗、アムステルダムやマイアミ、ニューヨークなどの店舗の勤務経験がある人も含まれているという。
ロスで20年間イタリアンレストランを経営
8月25日から、Apple京都で働きはじめたタカシさんと、ヒデコさんも、そんな新規スタッフ。
おふたりはなんと60歳代。これまでロサンジェルスで20年以上イタリアンレストランを経営していたという。
「子供たちも、それぞれ独立して手を離れたので、故郷である京都に帰ることにしました。そんな時にApple京都の求人を見つけて応募したんです。幸運にも働けることになって、とてもワクワクしています」とのこと。
ヒデコさんは、ロスにいる時何度も自分のMacやiPhoneのためにアップルストアに行ったという。そのたびにそのフレンドリーな接客に好感を持ったという。
「歳を取った人でもスッと入れるじゃないですか? こんなお店で働けたらいいなぁ……と思っていたら、ちょうど帰郷しようと思っていたタイミングで京都にアップルストアができるって聞きました。本当ラッキーなタイミングでした」
「60歳を超えた私たちですが、社会とコンタクトを持っていたいと思っています。いろんなトレーニングを受けて、この店で仕事をしはじめて視界が開けたように思っています」
「たぶん、このお店で最年長の私たちですが、私たちだからこそできることがあると思うんです。高齢の方ってやっぱり、iPhoneやMacを買うことを難しいと感じてらっしゃるかもしれませんし、一般のお店ではスタッフの方が説明を面倒そうにされるかもしれませんよね。そんなお客さまに、同年代の私たちだからできる接客があると思うんです」
これからさらに広い年齢の方が、iPhoneやiPad、Macを使うようになるだろう。そんな時にタカシさんや、ヒデコさんのようなスタッフがいたらとても心強いだろうと思うのだ。
また、20年間もアメリカに住んでいたおふたりは英語も堪能。世界中から京都に訪れる観光客の方のデバイスが壊れてApple京都に訪れた時にも対応できるはずだ。
携帯電話販売店の研修でアップルストアの価値観に触れて感激
ミサキさんは、広島の携帯電話のキャリアショップで9年間働いていたという経験を持つ。携帯電話の販売員としてはエキスパートだ。ちょうど、日本にiPhoneが登場して、最初はそうでもなかったのに次第に売れるようになっていく課程をずっと見ていた。
店舗の研修でアップルストアの価値観に触れ、その温かい考え方に衝撃を受けたのだという。
「いつか県外(広島の)で働きたいと思っていたのですが、京都にアップルストアが出来ると聞いて『これは素晴らしいチャンスだ!』と思って応募したんです」
何度もの面接を経て採用が決まった。今後はユーザーコミュニティを活性化させることに取り組んで行きたいと言う。
Tシャツを着たスタッフが、レジもない店舗でフレンドリーな接客をするアップルストア。実はUSのストアは小売業の中で床面積あたりの売上高が、マーフィーUSA、ティファニー、ケイト・スペードなどを越えて、もっとも高い店舗でもある。
『お客様は神様です』ではないが、顧客と真摯に向き合い、しかしフレンドリーに接するアップルストアの接客に学ぶべきところは大きいように思う。
(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2018年10月号 Vol.84』)
(村上タクタ)
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