六本木ヒルズにダークXM爆弾が仕掛けられた!? Ingressアニメ版試写会がユニーク
FUNQ
- 2018年10月14日
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10月17日から放送開始のテレビアニメ版Ingress
人の心に作用する不思議な物質『XM(Exotic Matter)』を活用するか封じるかで争う緑の陣営『Enlightened(エンライテンド)』と、青の陣営『Resistance(レジスタンス)』に分かれて戦うマルチプレイヤーGPS陣取りゲーム『Ingress(イングレス)』。
ポケモンGOに先んじてNiantic(ナイアンテック)社が作っていたこのIngressは、多くの人に街を歩かせ、旅に出させ、コミュニティを作った。エージェント(プレイヤーのこと)になると、普通に1日十数kmを歩くから思わず健康になってしまうし、ポータルを確保するために海外に旅をしたり、離島に出かけたりする人も少なくない。
このIngress、この秋(10月後半と言われる)に、UI、AR機能を活かした新バージョン『Ingress Prime』がローンチされるとあって、ブームが再燃しそうだが、それに重ねて10月17日からフジテレビ系列でテレビアニメが放映される。
試写会では『予想以上に面白い』と評判
フジテレビが用意する世界に向けた新しいアニメ枠『+Ultra』は、高品質で世界に通用するアニメ作品を新しい枠組みで作って行くという。
今回のアニメIngressは、フジテレビ系列、10月17日以降の毎週水曜日24:55から30分の枠で全11回で放映される。NETFLIXでは、日本先行全話一斉配信で楽しめる。
先行上映会では、その1話から4話までが放映されたが、集まった上映会参加者からは、一様にそのクオリティの高さに驚きの声が上がった。
本作は櫻木優平監督を中心に、20~30代の若いクリエイターたちが制作しているが、従来の鉛筆や紙、ペンタブレットなどの2D作画技術を一切使わず、3DCGをセルアニメ風に仕上げる『トゥーンシェーダー』という技術を使って仕上げられている。
完全にアニメーション風なキャラクターが、セルを動かす動画枚数などの制約なく自由自在に動き回る様子は、新しい時代のアニメーションを感じる。
ストーリーは近未来の東京を舞台とした完全に新規のもので、触れた物の記憶を読む特殊な能力を持つ警察の特殊捜査官翠川誠が、XMの研究所爆発事故の捜査で記憶をなくした少女サラ・コッポラと出会い、XMを使った両陣営の戦いに巻き込まれていく……というもので、Ingressをまったく知らなくても楽しめる大人向けのアニメーションとなっている。
Ingressエージェントでなくても楽しめる
舞台挨拶によると、上映部分では誠の敵のような立ち位置で登場する黒スーツにサングラスの男、ジャック・ノーマンとサラと誠の3人は戦いながらも共闘しつつ、世界をめぐるロードムービーのような展開にもなっていくという。
上空に立ち上がる風なCF(コントロール・フィールド)の表現がこの秋登場のIngress Prime風だったり、エンディングにBIOカードが登場したり(これは実在のものを使ってるらしいので、コマ送りで知人がいないか見てみたい)、今後の展開で登場する海外の風景の一部は海外エージェントに依頼して写真を送ってもって作画したものだったり……と、Ingressマニアにとっても面白いポイントがいっぱいある。何より、Ingress特有のあの音がテレビ画面からしただけで、鳥肌が立つ……という人は多いハズだ。ゲーム全編を通して流れる不気味なサウンドはもちろん、XMPを撃ったときの音や、ポータルをハックした時の音も再現されているに違いない。
舞台挨拶では、声を演じた声優さんがたちも登壇した。
翠川誠役は役によって多彩な声を出すことができる中島ヨシキ。サラ・コッポラ役は、かわいらしいのに色っぽい声で評判の上田麗奈。ジャック・ノーマン役はガンダムTHE ORIGINでランバ・ラルを演じた喜山茂雄。そして、ゲームの中心となる人工知能ADA(エイダ)役は、実際のゲームと同じく、ヱヴァンゲリヲンの碇シンジ役などで著名な緒方恵美。こちらもゲームをプレイする時と同じ音声だから、エージェントなら聞いた瞬間に世界に引き込まれるハズだ。
さらに、Ingressを作ったジョン・ハンケも登壇。アニメIngressによってIngressの世界観が広がり、新たにIngressを起動して街を歩いて、旅をする人が増えることを楽しみにしていると語った。
このアニメを見て新しくIngressをはじめてみよう……という人も多いに違いないし、ここしばらくIngressをプレイしていないエージェントも、再開したくなるに違いない。おりしも新ゲームIngress Primeが始まるので、そこからスタートしてみるのもちょうどいいかもしれない。
試写会後の音声ARゲームも手抜きなし!
試写会が行われた六本木ヒルズでは、試写会のあとに、音声AR体験型イベント『DIVE to Ingress』が行われた。
これは、ダークXMによる爆弾が、六本木ヒルズ内の200カ所に設置され、その起爆時刻が迫っているので、試写会に参加したエージェントが協力して解除しよう……というもの。
参加者には専用に用意したスマホが貸与され、ADAこと緒方恵美さんの声のガイドを聞きながら、ヒルズのいろんな場所に設置されている ダークXM爆弾を解除していく。
ちなみに、スマホはiPhone 6。一緒に渡されたヘッドフォンは、耳を塞がず、周囲の音も聞けるヘッドフォンambie。設置されているダークXMビーコンはBluetoothビーコンではないかと思われるが、説明は『いろんな近接通信技術を利用したゲームです』とのことだった。
たった、1回のイベントのために、このゲームを開発し、300個程のSIMの入ったiPhoneと宣伝ビブス、200個のビーコンを用意して運用できる企画力と、経済力と、開発力すごい。
六本木ヒルズ内には、エージェントを『GAME OVER』に出来る『傭兵』がウロついている。彼らも何がしか端末を持っており、近くにいるエージェントを無効化できるらしい。
筆者は、ビーコン……もといダークXM爆弾の写真を撮っているウチに傭兵に近づかれ、そうそうにGAME OVERにされてしまったが、活躍したエージェントたちは、協力し合って、地図を見る人、ダークXM爆弾を探す人、周囲に傭兵がいないかチェックし続ける人に役割分担されており、図らずもフレンドシップが生成されているところがNianticのゲームっぽかった。
ともあれ、Ingress Primeと、アニメIngressお楽しみに!
(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2018年10月号 Vol.84』)
(村上タクタ)
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