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アップルが変わった! MacBook Airの新型、USB-CのiPad Pro、Mac mini、望んだモデルが登場!

アップルが発表会会場に、Big Appleを選んだ意味

iPhone XR/XS/XS Maxという年間最大の新製品を発表したわずか一カ月半後に、「さらに衝撃的な新製品を出すから来て欲しい」というアップルの招待を受けてニューヨークに飛んだ。

カリフォルニアを本拠とするアップルが他の場所で発表会をする場合には、深い意味があることが多い。3月の9.7インチiPadの発表会場のシカゴを選んだのは、教育用のiPadが大量導入されている街だったからだ。

今回の大きく飛躍したiPad Proを発表する舞台は、アートやファッションの街、ニューヨークしかあり得なかったのだ。

弊誌も、今回はイラストレーターを同伴するように要請を受けていた。非常に限定されたメディアしか発表会に呼ばないアップルが招待する人を増やすのは極めて異例なことだし、そこには明確なメッセージがあるのだ。

20181031_2_02 (写真)フリック!で活躍するMAKO Okestudioさんが発表会の現場でスケッチした登壇者たち。上段中央がCEOのティム・クックだ。

会場も発表会がブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック(BAM)というオペラハウス兼コンサートホール、その後製品に触れて取材できる会場が元銀行だった場所。

どちらも150年以上の歴史を持つ芸術の街ブルックリンを象徴するような場所。その場所の持つ存在感自体が、シンプルな板状のiPad Proがどんな意味を持つデバイスなのかを雄弁に物語っていた。

20181031_2_03 (写真)BAMは150年以上の歴史を持つオペラハウスとしてもコンサートホールとしても使われる劇場。歴史ある建物をさらに一部アップルが自社のイメージで装飾している。

Appleなのに、望んだモデルが出た!

今回の驚きは、『アップルがユーザーの望んだモデルを出した』ということにあるだろう。

かたくなにコンセプトを貫き通し、ユーザーの望むモデルより、自身が良いと思った製品しかリリースしてこなかったアップル。良くも悪くも、それがアップルに成功と失敗をもたらしてきた。

そんなアップルが『手に馴染まない角張ったiPad Pro』『USB-Cポートを持つiPad Pro』『丸くないApple Pencil』『誰もが望んだけど、出そうになかったMacBook Air』『同じくMac mini』を一気に発表した。マニアなら『アップルらしくない!』と言うに違いないが、同時に誰もが望んでいたモデルでもある。

これはアップルの変節なのか、ポリシーを守りつつ、マーケットインした製品を作れるようになったのか? とにかく、我々が望んだ製品を出してくれるのはありがたいことでもあるはずだ。

いずれにせよ、アップルがマーケットイン方向に大きく舵を切った発表会だった。

iPad Proは、さらに究極の『画面のみ』のデバイスに

2010年に登場したiPadは『触れるディスプレイのみ』の存在であることを理想としているのだと思う。

初代モデル以来、最大のモデルチェンジといえるであろう今回のリニューアルで、iPad Proはホームボタンと画面の『フチ』、そして背面の手に馴染む微妙なアールを取り除いて、さらに究極の姿に一歩近づいた。

ホームボタンがなくなったことにより、ロック解除はiPhoneのXシリーズと同様に、Face IDの顔認証によって行われることになった。

20181031_2_04 (写真)小さい方が11インチになって大画面を感じ、大きい方の外寸が小さくなってかさばる感じがなくなったので、どちらも理想に近づいた。実は、並べて比較しないと、どちらなのか分かりにくい。

小さい方のiPad Proは、2010年の初代9.7インチのiPadの外寸をほぼ守ったまま、ディスプレイサイズを11インチにした。ちなみに厚さは半分以下になっている。

20181031_2_05 (写真)小さい方のiPad Proは本体サイズをほぼそのままに画面を拡大。大きい方は画面サイズをほぼそのままに本体サイズを縮小。結果、どちらもネガティブな要素が減った。

大きい方のiPad Proは逆に、12.9インチの画面を保持したまま外寸が小さくなって、『いくらなんても大きい』と思った部分を解消してくれている。ひとことで言えば、どちらも個性はそのままに理想に近づいている。

初代以来、かたくなに維持してきたサイドのエッジ部分のなめらかなカーブは、ホームボタンがなくなり液晶がフレームレスに近づいたことで、ついになくなった。角張ると、ちょっとSurfaceっぽいが、まぁ、iPhoneも4~5の世代は角張っていたのだから、そちらのイメージと言うべきか。

従来のiPad系製品は、背面上部の一部を電波を通す素材にするなどして電波強度を保っていたが、本モデルはiPhoneのように上下のエッジ部分ボディ自体をアンテナにして、プラスチックで絶縁し、いくつかに分割する方式となった。おそらく、前面のガラス部分が狭くなったことで、従来方式では電波強度が維持できなくなったのだろう。均等な幅の黒いフチはけっこう複雑に走っており、モンドリアンの絵画を彷彿とさせる。

20181031_2_06 (写真)わずか5.9mmの厚さになり、『触れるディスプレイのみ』という理想に近づいた。

スマートキーボード・フォリオ(1万9800円と少々高くなった。日本語キーボードもある)は背面に磁石で付くため、コネクターも背面に移動した。従来と違って、背面も表面も守ってくれる仕様になった。

新しいiPad ProとApple Pencilの書き心地は『従来の硬いガラスに描いている感じから、サラサラした触感の伝わる紙に近いものになった』と、同行したMAKOさんは言う。

20181031_2_07 (写真)同行したイラストレーターのMAKO Okestudioさんが、実際にiPad Proで絵を描いて試してくれた。

どういうことなのか、旧モデルも含めて色々試したのだが、画面がザラザラになっているわけではなく、Apple Pencilが従来のように硬質な印象を伝えない。ディスプレイのたわみがわずかに大きく、ディスプレイの硬さを感じにくい。ということのようだ。人間の感触というのは不思議なもので、剛性感や表面の質感の違いをそれが微細なものでも感じるようにできている。

いずれにしても、絵を描く人にとっては、より紙っぽい柔らかな質感は歓迎されるところだろう。

20181031_2_08 (写真)Apple Pencilは太さや重さはそのままに1cmほど短くなっており、円形の一面が六角形の鉛筆の1面の様な平面になっている。表面は細かな梨子地のプラスチックで、従来モデルよりやわらかな持ち心地。そのせいか、従来モデルより、太く、軽く感じる。

さて、いざ購入しようというと、『8万9800円から』という表記にも関わらず、そう簡単にはいかない。

一番安いモデルはWi-Fiのみ対応で64GBだが、ストレージは256GB、512GB、1TBのバリエーションがあり、セルラーモデルがり、Apple Pencilもスマートキーボード・フォリオも値上がりしており、アップルケアも必要だし、消費税も乗る。気が付くと20万円を易々と超えてしまう。

自分に必要な要素をしっかり見極めたい。

待望のMacBook Airが帰ってきた

スティーブ・ジョブズがその薄さをアピールするために封筒から出し、『スタバでドヤる』という言葉まで産んだ、大ヒットモデルMacBook Airが帰ってきた。

20181031_2_09 (写真)スティーブ・ジョブズがKeynoteで封筒から出したエピソードを持ち出し、アップルファンの気持ちをワシ掴みにするティム・クック。懐かしいエピソードだ。

『帰ってきた』と言ったが、正確にはMacBook Airの13インチは10万円を切るラインナップとして残っており、今後もしばらくは併売されるようだ。しかし、その性能はあまりにも時代から取り残されている。

20181031_2_10

新しい、MacBook AirはついにRetinaディスプレイを手に入れ、Thunderbolt 3ポート、第3世代のバタフライキーボード、すべてをセキュアにコントロールするT2チップを使うTouch ID……などなど、つまり次世代のMacBook Airとして必要なものをすべて搭載した。

これはかなり魅力的なモデルだ。最も安価なモデルが、13万4800円(税別)で用意されるというのも素晴らしい。MacBookやMacBook Proの最安値モデルが14万2800円であることを考えても、そこを割り込む意義は大きい。

ヘビーな処理をしない人、学生、モバイル用のセカンドマシンとして使う人……などの選択肢として、大ヒット作品となることだろう。

Retinaディスプレイ搭載により、2560×1600という圧倒的な美しさと作業領域を得た上、狭額縁となりディスプレイサイズギリギリにコンパクト化されたので、従来モデルのMacBook Airより小型でかつ軽い。重量は1.25kgになった。

20181031_2_11 (写真)2ポートのThunderbolt 3は、大電流を得ることもできるし、高速通信も可能。非常にユニバーサルなポートだ。

魅力的なクサビ型のボディはふたたび世界を席捲するだろう。

4コアなのに、最安値8万9800円のMac miniも魅力的

20181031_2_12 (写真)前モデルから、なんと4年ぶりにモデルチェンジしたMac miniもとても魅力的。

もう、モデルチェンジされることはないかもしれない……と思われたMac miniがリニューアルされた。

この製品の意義は8万9800円の最安値モデルでも、外付けストレージを接続すれば十分に運用可能なことにあるだろう。ディスプレイやキーボードを別に持っていて、作業場所を固定して考えられる人にとっては非常に魅力的なデバイスだ。

最廉価モデルでもクアッドコアCPUを搭載している点も素晴らしい。逆にコストをかければ、i5やi7のヘキサコア(6コア)や、64GBメモリ、2TB SSDを搭載して高性能なマシンを構成することもできる。

20181031_2_13 (写真)4K動画編集のために、レンダリング用に高性能なMac mini 5台を10ギガビットイーサでクラスタ処理用に接続した構成。コンパクトなMac miniを多数接続して、膨大な演算処理をこなすことも可能だ。

ひと皮剥けたアップルのマーケットインに注目だ

いずれの商品も、従来のアップルでは考えられなほど顧客のニーズを汲んだ『マーケットイン』な商品だ。

マニアとしては、『こんな素直なアップルなんて、何か違う!』と叫びたくなるところでもあるが、損なわれるところ何もなく『確固たるポリシーを持ちつつ、顧客ニーズにも耳を傾けることができるようになったアップル』は、圧倒的に世界最大の時価総額を持つ企業としての立ち位置をさらに盤石なものにするだろう。

ともあれ、アップルストアを覗いて、気になっているモデルのコンフィギュレーションを決めるところから始めるしかない。

そのぐらい魅力的モデル満載の発表会だった。

20181031_2_14 (写真)メディアが商品に触る機会を与えられたのは、BAMの背後にあるOne Hanson Place。BAMと同じく150年ほど前に建てられた歴史的建造物。隣には、アップルストアのDowntown Brooklynがある。

(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2018年11月号 Vol.85』
(村上タクタ)

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