BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

Ingress Prime 何が変わった? その秘められた正体とは?

6年前に始まったIngress、初の大型アップデート

ポケモンGOを作ったNianticが作った最初のGPSゲームが『Ingress』だ。

Ingressの最初のローンチは2012年から2014年にかけて。ベータ版から細々と始まり、2014年7月のiOS版ローンチから大きくユーザーを増やしたが、当時はまだNiantic LabsはGoogleの社内プロジェクトだった。

その後、Ingressが世界的な成功を収め、Nianticは独立。独立後ローンチしたポケモンGOはご存じのように未曾有の成功を収め、Nianticはおそらく経済的にはかなり自由度の高い状態になっている。

0201

その状態で、IngressはIngress Primeへと進化する。言わばIngress 2.0だ。

ざっくり言うとインターフェイスが大きく変わった。逆に言うと今のところインターフェイスしか変わっていない。

まず変わったインターフェイスについてざっくりと説明した後、なぜこんな変更が成されたのか、推測していこう。

大型スマホに対応し、操作系を下部に集約

変更について解説して下さったのは、Ingress Primeのプロダクトマネージャー廣井さん(写真)と、シニアUXデザイナーの石塚さん。

0302

Ingressの変更の大きなポイントは描画のエンジンにポケモンGOでも使われているUnityを使い、立体的な表現の自由度が高まったこと、地図は立体的になりアニメ版Ingressで表現されるような、上空に屋根のように広がるフィールドが描画される。

また、従来と違って、ズームアウトしていくと真俯瞰からの地図が表示され、より広い範囲を見渡せ、リンクが繋がっているかどうかも分かりやすくなっている。

0403

また、従来の操作系では、かなり上の方にあったボタンを操作するような場面が多かったのだが、操作系は基本的に下に集約された。

特に触れられなかったが、大型のスマホが増えたことに対応したものと思われる。

0504

また、Ingressプレイの中で、非常に手間がかかり面倒なインベントリ(荷物入れ)の整理がやりやすいように、ポータルキーとそれ以外に分けられ、それぞれも扱いやすくなった。

0605

また、従来よりストアで買えるアイテムが増えており、課金できる割合が増えた。バースターやパワーキューブも買えるようになっており、歩かずにお金で解決できる割合も増えている。

この点について廣井さんは「とはいえ、Ingressは課金に重きを置いたゲームではありません。補助的にお金で買ったアイテムも使えるようになっていますが、基本は歩くことで進行するゲームです」と語っている。

ストーリー一体型のチュートリアルも設けられ、エントリーユーザーが戦闘力がほぼないまま苦労する時間が少なくなり、チュートリアルを終えるとそれなりのレベルになるように設計されているという。

また、レベル16以上のエージェントには、『プレステージモード』が用意されるという。

これについては「ぜひ、やってみて下さい」と多くは語られなかったが、プレステージモードを選択すると『リカージョン』(生まれ変わり)し、『ファクションチェンジ』やレベル1からの再スタートが可能になる模様。

リカージョンの選択は不可逆。なかなか勇気の必要な選択になりそうだが、プレステージモードに入ったユーザーは独特のビジュアルを利用でき(アイコンなどの装飾が変わる?)、メダルなどの要素もあるていどは受け継がれる模様。このあたりはマニアの方の報告を待ちたい筆者はレベル12なので、チャレンジできない……。

ゲームとしての大きな変更がないのは何故か?

レベル16以上の人のプレステージモードはともかくとして、つまりは『Ingres Prime』は一般のユーザーにとってはユーザーインターフェイスが変わった以外に、ゲームとして大きな変更はない。

ではなぜ、こんな大げさなモデルチェンジが必要だったのだろうか?

筆者は廣井さんの言葉にヒントがあったと思う。

「いろんなアイデアが山のように出てるんですが、それを全部盛り込むといつまで経ってもローンチできない。だからまずは最低限基本的な状態でローンチしようということになったんです。」

つまり、現状のIngress Primeは、最低限従来のIngressの機能を再現できるようになった状態で、従来から改善の必要のあったインターフェイスの改善だけを行ってローンチされたということになるだろう。ではこれから何が起こるのか? さらなるヒントは、説明会でスニークプレビューとして見せられたこちらの画像にある。

0706

これは、発表会では動画で見せられたのだが、リアルのテーブルの上にARモードで付近の地図とポータルを立体的に表示させているのだ。まるで、作戦会議室の地形模型のように、付近のポータルの状態をスマートデバイスで見ることができるようだ。

なぜこれが可能かというと、描画デバイスにUnityを使ったからだ。

このUnityはNianticの『リアル・ワールド・プラットフォーム』の一部として使われている(説明会では『Nianticプラットフォーム』と呼ばれていた)。

このNianticプラットフォームは、ポケモンGOで使われており、新たにこのIngress Primeでも採用された。そして来年ローンチのハリーポッターでも使われているし、契約を結んだ外部のパートナーもこれを利用できるとのこと。

このプラットフォームはAR表現のための基板だから、おそらくIngress Primeが目指しているのはIngress Primeのプロモーション動画のような表現をスマホ上で行うことにあるだと思う。

0807

Nianticの発表ではなく、筆者の推論に過ぎないが、この表現をUnityベースのNianticプラットフォームを使って行うために、IngressはIngress Primeにジャンプアップする必要があった。そして、Ingress Primeの現行バージョンが安定動作することが確認されてから、徐々にAR表現を駆使したバージョンへとアップデートされていくのだと思う。

Ingeress Primeには多くのスタッフが関わり、ジョン・ハンケさんも深く(廣井さんの表情からすると、たぶんスタッフとしてはちょっと面倒なほど深く)関わっているとのこと。「NianticはIngressで始まったチームだし、誰もがエージェントで、ちょっと過剰なほどこのゲームを大切に思っている」とのことだから、きっとこれから素晴らしいゲームへと進化して行くに違いない。

Ingress Primeはそのための確固たる土台であり骨組みなのだ。その上にどんな城郭が立ち上がって行くのか、楽しみにプレイしながら見守りたい。

(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2018年10月号 Vol.85』

(村上タクタ)

SHARE

PROFILE

FUNQ

趣味の時代に読むメディア

FUNQ

趣味の専門誌を届けてきた私たちが世界中の人に向けて、趣味の世界への入り口をつくりました。彩りに満ちた人生の新たな1ページが、ここから始まります。

FUNQの記事一覧

趣味の専門誌を届けてきた私たちが世界中の人に向けて、趣味の世界への入り口をつくりました。彩りに満ちた人生の新たな1ページが、ここから始まります。

FUNQの記事一覧

No more pages to load