わずか10日で100億円を使い尽くし、Paypayキャンペーン終了!
FUNQ
- 2018年12月13日
4カ月のはずが、わずか10日間でなくなった100億円
100億円の原資を積んで、日本に一気にQRコード決済を普及させようとしたPaypayの『100億円あげちゃうキャンペーン』の終了が告知された。
(Paypayの発表はこちら:『本日12月13日に付与額が上限の100億円相当に達したため、23時59分に「100億円あげちゃうキャンペーン」を終了します。』 https://paypay.ne.jp/promo/10billion-campaign/ )
キャンペーンは12月4日にスタートし、2019年の3月31日23:59まで……とされていたが、Paypayの負担付与金額が100億円に到達した時点で終了するとの注記もあった。4カ月近い期間のキャンペーンが、わずか10日間で終わってしまうことになり、想定を大きく越えて話題になったキャンペーンだったことと思われる。
(詳細レポートはこちら:『「Paypay使った?」100億円のうちの5万円を実際にGETしてみた』 https://www.ei-publishing.co.jp/articles/detail/flick-476874/)
キャンペーンはPaypayで支払った金額のうち20%が戻ってくる(上限5万円/月)、もしくは1/10〜40の確実で全額バック(上限10万円/回)というもの。
筆者の周りではPaypayで支払い可能なお店の中で高額な製品を置いているビッグカメラで大きな商品を買う人が目立った。また、普段値引き率の低いアップル製品を買う人も多かったようだ。
100億円の原資がなくなったということは、この10日間で、500億円近い売上げがあったということだ(1/10〜40で100%還元されるから500億円よりは少ないはず)。
時ならぬ消費浮揚策だ。20%でこれだけ人が財布を開くのかと思うと、来年消費税が10%になると、どれだけ人が財布を閉じるのか、心配にもなるが。
実際、Paypayは満足できる数の利用者を手に入れたのか?
キャンペーンとしては想定以上の大成功だったと思われるが、今後Paypay社内では、このキャンペーンで、何アカウント取得できたか? どのぐらいの割合の人が継続使用しているか? などが問われるに違いない。予想以上にユーザー側の最適化が早く進み、アーリーアダプター層が高額商品をまとめ買いすることで、想定よりも得られたアカウントは少ない……なんていうこともあるかもしれない。
また、キャンペーンを短期間で消化してしまったことにより、キャンペーン期間中に加盟店の営業活動を展開しようとしていたのに、その暇もなかった……ということもあるかもしれない。
『付与金額を追加する可能性がある』と明記されているのに、それが行われないのは、当初の目的をすで達成したか、投じた金額に対して、満たされないKPIがあったのかもしれない。
一番敷居が高かった『アカウントを作らせ、カードと連携させる』という目的は達成したが、登録したユーザーがアーリアダプター層が多かったとすれば、SuicaやApple Payなどのキャッシュレス決済方法をすでに持っている人も多いかもしれない。中国のように他に手段がない場合はともかく、NFC決済の方がスピーディで間違いもないことを考えると、これから利用し続けられるかどうかにも注目しなければならないだろう。
ともあれ、この10日間で、Paypayは日本のQRコード決済のトップランナーに一気に躍り出たことは間違いないだろう。
次策として、どういう手を打ってくるのか? 今後のPaypayの動きから目が離せない。
次の『祭り』は1月10日
ビッグカメラやAppleにとっては、年末にやってきた時ならぬボーナスだったに違いない。相当な売上げが両社の手元に落ちたはずだ。反面、ヨドバシカメラなどこの時ならぬPaypay祭りに参加できなかった家電量販店は、相当数の見込み売上げを失ったことだろう。
次なる祭りは、この100億円のポイントが付与される2019年1月10日だろう。使いやすい100億円のお金がそこにあるのだから、ビックカメラはじめ、Paypay加盟店では、なんとかそれを使ってもらおうというキャンペーンが行われるに違いない。
ポイントには期限もあるので、忘れてしまってももったいない。
筆者の手元にも100億円のうちの5万円分のポイントが付与されるはずだ。さて、何を買おうか?
(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2018年12月号 Vol.86』)
(村上タクタ)
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