新しいRetinaのMacBook Airは買うべきなのか?
FUNQ
- 2018年12月21日
INDEX
本当にMacBook Airは買っていいモデルなのか?
「で、結論から言えば、新しいMacBook Airは買うべきなの?」とよく聞かれる。
スタバで石を投げればMacBook Airに当ると言われるほど人気を博した旧MacBook Airのフルモデルチェンジから8年。やっと、Retinaディスプレイを搭載したMacBook Airが登場した。
MacBook Airならではのクサビ型のボディ、前モデルとは比較にならないほど高精細かつ狭額縁のディスプレイ。Touch ID、新しいUSB-Cポート、必要なものはすべてここにある。なのに何故、躊躇するのか?
理由は明白。
思ったより、ちょっと高価だった。そして、どうも非力らしというウワサが流れたからだ。
MacBook Air 13 Retinaの性能をつまびらかにするために計ってみた
正直言うと価格は仕方ががない。アップルがこれまでRetinaのAirを出せなかったのは、Retinaディスプレイが高価だからなのだ。そして、現在の物価の都合上、日本では少々高価に感じる価格設定になってしまう(USでは1,199$〜。日本では13万4800円(税別)〜)。
非力かどうかについては……各モデルをベンチマークテストにかけて計測した下の表をご覧いただきたい。
正直言うとなかなか悩ましい。
要約すると、8000円高いだけの13インチTouch Barなしより遅い。2018年モデルの13インチTouch Barはとても早い。12インチのMacBookよりはしっかり速い。旧MacBook Airよりは比較にならないほど速い。
スペックで言うとそうなのだが、一般的な作業をしている限り、新MacBook Airが遅いと感じることはない。新しい省電力CPUとSSDの組み合わせだと、日常的な作業だとまったく問題ない。
もちろん、ヘビーなグラフィック作業や3Dモデルを扱うような人なら、MacBook ProのTouch Barモデルを買うべきだが、そういう人はそのことを分かっているだろう。
つまり、「迷っている人は買い」でいいのだ。
性能的にはMacBook Pro 13のTouch Barなしとカブっているところが多いので、こちらは早晩ディスコンされるのではないかと筆者は思っている。
実はディスプレイのクオリティが少々違う
スペックの細かい部分を見ればみるほど、MacBook ProのTouch Barを買うべきなんじゃないかと思えるが、『Airが欲しい』と思うのは理屈じゃないし、それでいいのだ。
ちなみに、同じように見えるが画面もちょっと違う。
左がMacBook Air 13 Retina、右がMacBook Pro 13 Touch Barなし。ディスプレイはAirが300ニトのAdobe RGB、Proは500ニトのP3。つまり、一番明るくするとProの方が明るくて、色域も広い(ウェブ経由の写真では表現できないが)。
また、Touch IDもついている。ささいなことのように思うかもしれないが、Touch IDとヒモ付いているT2セキュリティチップは、実はMacの内部ですべてのIOをコントロールするチップで、重要な役割を果たしている。
今後、すべてのMacとMacのシステムはこのT2セキュリティチップ(もしくはその後継)によってコントロールされるので、これがあることが新世代の証になるし、いずれ非対応の場合は動かないアプリやデバイスが増えていくだろう。
12インチMacBookのUSB-Cと違って、Thunderbolt 3なのも美点
Thunderbolt 3ポートの採用も大きなポイントになるだろう。
現状、まったくUSB-AやSDカードを使わないという人はいないだろうから、アダプタ( https://www.ei-publishing.co.jp/articles/detail/flick-477742/ )の利用が前提となる。
ちなみに、MacBook ProのTouch Barタイプは4ポート、Touch BarなしとMacBook Airは2ポート、12インチのMacBookは1ポートで、かつMacBookのみThunderbolt 3ではなく、USB-Cであることも知っておきたい。流せる電流量はもちろん、データ通信速度も、繋げられるディスプレイも、Thunderbolt 3の方が格段に高性能なものが使える。
最終決断として、悩む人はMacBook Air 13 Retinaで間違いない。
実利を取りたければPro 13 TBなし、高性能が欲しいならPro 13 TB、330g(けっこう大きい)軽いのが良ければMacBookを選べばいい。
よほどのことがなければ旧MacBook Airの購入は勧めないが、どうしても旧ポートが必要だとか、理由がある人は、まだ販売している今のうちに手に入れておいた方がいい。近いうちに在庫がなくなれば販売は終了するのではないかと思う。
(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年1月号 Vol.87』)
(村上タクタ)
SHARE