『100億円キャンペーン』当事者に聞く、PayPay躍進の真相!
FUNQ
- 2019年01月22日
Yahoo!BBモデムを駅前で配った伝説の営業責任者登場!
10日で原資の100億円がなくなったのだから、およそ500億円の売上げを上げたPayPayの『100億円あげちゃう』キャンペーン。その中枢にいたPayPay取締役副社長COO営業統括本部長の馬場一氏にお話しを聞いた。
『100億円』という数字もすごいが、ニュースサイトの記事では『PayPayを使えるようにする店舗への営業もすごい』と書かれているものが多い。中には、約15年ほど前のYahoo!BBのADSLモデム無料配布キャンペーンを仕切ったすご腕の責任者の方が仕切ったとする噂記事もある。これは本当なのか?
「実はそれ私のことです(笑) 当時責任者でした」と馬場氏。なんと、当のご本人に聞いてしまった……。
「保守的になりがちな決済方法を変えてもらおうと思ったら、よっぽどドラスティックな作戦が必要になります。そのためには『100億円あげちゃう』ぐらい大胆な手段が必要だと考えました」
『100億円』はまず認知度を上げるためのキャンペーン
キャンペーンは大きな効果を博した。しかし、本来のターゲットである日常的にコンビニで100円、200円を使う人ではなく、我々ガジェットマニアのようなビックカメラで25万円一気買いする人に使われたしまったという意味では失敗だったのではないのだろうか??
「それぐらいは想定内ですよ。そういう人は情報発信力もあるし、まず『PayPay』という名前を知ってもらうために必要だと思ってました」
インド、日本、カナダと、世界をめぐって高速開発
2018年6月に会社を立ち上げて、10月にローンチとは凄まじいスピードだ。提携している中国のALIPAYのシステムを使えたのか?
「いえ、システムは新規。しかし、インドのPayTMの協力は得ています。PayTMはインドで6~7年QRコード決済サービスを行っていますが、1000万店舗で3億人が使うサービスになってます」
「会社はSoftBankとYahoo!から希望者を募って人を集め、2018年6月に立ち上げました。10月のローンチを目指して、日本、インド、そしてカナダのトロントの開発拠点をフル稼働させました。日本の仕事が終わればインドに、インドの勤務時間が終わればトロントヘ……地球規模でローテーションしての開発です。その間にも日本で営業チームを編成し、日本全国に20カ所の拠点を作り……と準備を進めました」
「我々も始めたからには日本中すべての店で使えるサービスにしようと思っています。他のQRコード決済の事業者さんも敵ではなく仲間だと思ってます。むしろ対抗すべきは現金」と馬場氏の志は高い。
(キャッシュレスを実践する馬場氏の財布には現金がは1000円札1枚。お釣りをもらったら、自宅玄関の豚の貯金箱に入れ、財布には常に非常用の1000札1枚)
「『100億円あげちゃう』は認知を上げるための手段でしたが、作ってもらったアカウントをもっと使ってもらうための二の矢、三の矢の施策も用意してます。お楽しみに」とのこと。
(村上タクタ)
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