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『在宅勤務が業績にも好影響で、社員にも好評』……ならオフィス要らなくない?

素早くこの状況に対応できた会社と、そうでない会社

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で在宅勤務を余儀なくされている方も多いと思う。一方、フィジカルな作業を伴ったり、紙の書類を扱わねばならないということで、この状況でも出勤せざるを得ない方が実は圧倒的多数であることも理解している。みなさん、健康に気をつけて、かつ経済活動を続けるために努力されていることと思う。

さて、3月20日発売のフリック!4月号では(まだ告知サイトが開いてないが)、そんな状況を受けて特集『リモートワークで戸惑わない——在宅勤務導入のコツ』をお送りする。

いちはやくリモートワークを決定したGMOや、トレタはなぜ素早い決断ができたのか? なんと3月11日の出社率が14%というNECレノボの在宅勤務の工夫とは? Sansanの新しいリモートでの名刺交換の仕組みや、Zoomの状況などについてお伝えしたい。

もしかして、オフィスは要らなかったのでは?

このフリック!4月号を取材して感じたのは、多くの人がリモートワークに関して肯定的であるということだ。そりゃ、積極的に導入している会社を取材しているから当然のことではあるが、多くの場合業務効率も向上し、結果も出ているし、働いている人にとっても好評だということだ。

もちろん、取材させていただいた会社はこれまでに災害時に備えてリモートワークに関する準備、練習を続けてきた会社なので、スムーズに導入できたという側面もあるだろう(このあたりの対策に関しては本紙記事を参照のこと)。

しかし、『92%が生産性が向上』『76%がワークライフバランスが向上』『87%がやって良かった』と回答……という記事を書いていると、当然のことながらひとつの疑問が浮かび上がってくる。

もしかして、オフィス要らなかったんじゃね?

業種によっては検討の余地はありそう

そんな質問を取材先の方にぶつけてみた。回答をざっくりまとめてみると……。

NECレノボのデビッド・ベネット社長は「リアルでのコミュニケーションは大切。リモートでも仕事は続けられますが、今のところそれぞれのデスクのあるオフィスを廃することはありません」とのこと。

GMOインターネットグループ広報の石井晴美さんは、「現時点では検討していませんが、実際に4000人がリモートワークをしてみて、アウトプットが下らず、かつ社員のワークライフバランスも改善しているという状況をかんがみて検討されたりするかもしれませんね。弊社は今でも毎年数百人単位で社員が増えているので、都心のオフィス面積確保が難しい側面があります。私見ですが、常時リモートワークでなくても、今よりリモートワークの割合を増やすことを検討する余地はあるかもしれません」とのこと。

トレタ執行役員の進藤学さんはより積極的で「それぞれの業務内容によりますが、通勤に費やす時間とエネルギーが不要になりますし、出社せずに進行する仕事ならリモートワークの割合を増やす可能性はあります」とのこと。

オフィス家賃を、リモートワークサポート費用に

本格的にリモートワークを使うスタッフが増えたなら、オフィスを縮小して、その家賃分を在宅勤務時のサブモニターやヘッドセットなどの設備費や、通信費、光熱費のサポートに当てるという手もあるかもしれない。

もちろん、一朝一夕にそうなるわけではないが、満員電車という日本伝統の労働者に対する負担が減り、無駄な会議がテレカン化され(顔を合わせた方がいい会議は会えばいい)、家族との時間を増やせた人もいるのは良いことだ。これまで日本での導入には障壁が多かったリモートワーク、在宅勤務という選択肢を強制的に試せたのは、このコロナ禍の状況下で得られた数少ない良いことなのかもしれない。

テクノロジーを上手に使って、経済効率を上げ、業績を上げつつ、快適に働ける世の中が来ると嬉しい。

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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