新型iPhone 12どれを選ぶ? 編集者ならではの利点と悩みとは?
- 2020年11月03日
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2ウェーブで発売される魅力的な4種類のiPhone 12
みなさん、iPhone 12はどれを買うかお決めになっただろうか?
今年は本当に悩ましいと思う。
悩みの原因は、ラインナップされた4台が、それぞれの特徴を持っているからだと思う。
たとえば、去年なら、11はやはり少し廉価版だったし、ProとPro Maxは画面サイズの差こそあれ、基本スペックは同じだったから、どちらかを買えばその年のiPhoneについて語れたからだ。
しかし、今年はどうだ。
12はスタンダードモデルとして優れているし、しかし12 Proの望遠(とiPhoneが呼ぶ52mm)レンズとLiDARは外せない。しかし、12 Pro Maxはさらに65mmのレンズを持ち、26mmの広角レンズもセンサーが大きくなってセンサー側を動かす光学手ブレ補正を持っている。もちろん、miniの小ささも体験したい……というわけで、決めあぐねてしまうのだ。
もうちょっと詳しく解説しよう。
今年のスタンダードモデル12は、去年の11やXRとは違う
例年なら、Proモデル一択なのだが、今年の12は、去年の11やXRとは違う。
ディスプレイがOLEDになったから、ディスプレイの美しさも、本体の厚さも、まったく上位モデルの12 Proと同じなのだ。もちろん、チップセットも12 Proと同じ、最高、最新鋭のA14 Bionic。バッテリーサイズも同じと伝えられているから、カメラとLiDAR以外の性能差はほとんどない。ガラスが従来の4倍割れにくいというCeramic Shieldになってるのも同じ。
にもかかわらず、価格は8万5800円(税別)〜と安い。ストレージを128GB(9万0800円(税別))に揃えて考えても12 Proより1万6000円も安い。さらにホワイト、ブラック、ブルー、グリーン、(PRODUCT)REDの5色のバリエーションも楽しめる。さらに、アルミのボディはステンレスより軽い。
12は本当に良いスタンダードで、お買い得だと思う。
Proでないと手に入らない52mmの望遠レンズとLiDARの魅力
しかし、筆者のようにiPhoneについて執筆することを職業としていると、LiDARについてや、望遠レンズについて記事を書かなければならないことがある。そんな時に「すいません、僕のiPhoneには付いていなくて……」とは言えない。
自腹だろうが、なんだろうかiPhone 12 Proは買わなければならない。
Proの2モデルと、12と12 miniの2モデルの最大の違いはボディ(といっても外周部だけだが)の素材の違いだ。Proの2モデルは医療レベルのステンレススチールを使っている。対して12と12 miniはアルミニウム。アルミには軽いという利点があるから、どちらが優れているというのものではないが(表面高度はアルミの表面処理として施されるアルマイトの方が硬くなることが多い)、切削加工の難しいステンレスで成形方が価値が高いと捉えているのか、Apple WatchもiPhoneもステンレスが上位モデルに使われるおうになった。
今回のiPhone 12 Proは、側面がフラットでそこがバフ掛け仕上げのような磨き上げられた処理になっているので、サイドの光沢が美しい。特にゴールドは実にきらびやかに見える。
続いて、52mmの望遠(アップルは言う)レンズが付くのも特徴だ。
超広角(13mm)や広角(26mm)は、どうしてもパースが付いてしまう。たとえば、四角いiPadやMacBook Proのようなものを撮影すると、どうしても遠近感が強調されたようなカタチになってしまう。これは筆者のように、商品紹介写真を撮る機会が多い者にとってはマイナスポイントだ。できれば35mm換算で、85〜100mmぐらいのレンズが欲しいが、せめて52mmぐらいだとパースが強調されなくていい。編集者にとってはこの52mmのレンズが必需品なのだ。
またポートレートなど人物を撮影するときにも長めのレンズがあった方がいい。超広角(13mm)や広角(26mm)の短いレンズで撮影すると、顔の高さから撮影すると胴体や足が短く見えるし、低い位置から撮影すると、逆に極端に顔が小さくなってしまう。
人物写真ポートレートや、アイドルのグラビアなどでも、特に特殊な効果を狙わない場合には85〜100mmぐらいの長さのレンズを使うことが多い。身体に変なパースが付かないからだ。つまり望遠側のレンズは必携なのだ。
また、LiDARを採用してるのも大きなポイントだといえる。AR表現が非常に豊かになるし、暗い場所でのフォーカスも速い。なにしろ、こちらが何を撮ろうとしているモノのカタチを分かっているのだから驚いてしまう。形状を把握して、それからピントを合わせるのだら、速いのも当然だ。
Maxの65mmレンズと47%拡大された広角レンズ用センサーとレンズシフト式光学手ブレ補正
しかし、カメラ性能を追求するのなら、iPhone 12 Pro Maxの方がいいという結論になってしまう。
まず、望遠として用意されるレンズが52mm相当ではなく、65mm相当になる。これにより、光学ズームの拡大幅は、4倍から5倍になる。
拡大幅としては52mmから65mmの変化は大きくないかもしれないが、カメラのレンズとしては、この違いはやはり大きい。よりパースを小さくして撮影できるし、人物を撮る時にも、より背景から際立たせて撮影できるに違いない。
さらに26mmの広角レンズで使うセンサーが47%大きな新設計のセンサーになり、集光力が大きく増す。このiPhone写真のスタンダードともいうべき26mmセンサーを新設計にするというのは影響が大きい。なにしろ、一番よく使うレンズだからだ。さらに光学手ブレ補正を、従来のレンズを動かすタイプから、センサーを動かすタイプに変更。微震動による速く細かいブレも、全体の大きなブレも補正できるようになる。特に動画では影響が大きいという。
望遠側と広角側、両方のレンズで大きなアドバンテージが与えられている。これではiPhone 12 Pro MaxはiPhone 12 Proとだいぶ違う存在になるといえるだろう。
iPhoneの記事を書く人間なら、この最新・最高のiPhoneカメラを取り入れなくてどうする! といういう気もする。これらは日常的に使ってこそ意味があるデバイスだ。
これまで、筆者は「大きい方のiPhone」を日常持ちにしたことは一度しかなく、けっきょくそのサイズを少々持て余したのはたしかだ。しかし、今回のiPhone 12 Pro Maxは魅力的だ。
mini、高性能コンパクトこそがキュート
魅力的といえば、一番コンパクトなiPhone 12 miniも魅力的だ。
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。