iPhone 3G|歴代iPhone名鑑
flick! 編集部
- 2020年12月17日
日本における初代iPhone「iPhone 3G」
初代iPhoneは日本で販売されなかった。
そして次のモデルも、日本で発売される期待はあまり持てないと思われていた。iPhoneを活用するには、定額のパケット通信が必要だったが、日本の通信キャリアが、そんな無制限のデータ通信を許すとは思えなかったためだ。
しかし、予想は良い方に裏切られた。2008年6月9日のWWDCでiPhone 3Gは発表された。最初に発売される国は22カ国。その22カ国に日本が入っていたのだ。
キャリアはソフトバンク。当時、ドコモ、auに大きく水をあけられていた3番手のキャリアのソフトバンクだったのだ。代表の孫正義氏は、モバイルインターネットの重要性とiPhoneの価値を正確に理解し、ジョブズを口説き落としていたのだ。大勝負に出ていた。
発表から7月11日までの約1カ月間。例によって情報がほとんどないまま発売日は着々と近づいていた。
孫社長はもうひとつ大勝負に出ていた。iPhoneの性能を活かすために、ソフトバンクはiPhone専用のパケット使い放題のプランを用意していたのだ。今考えると不思議はないが、パナソニック、富士通などの国内メーカーをすっ飛ばして、携帯電話メーカーとしては未知数だったアップルにこんな好条件を提供するなんて、他のキャリアでは考えられなかった。しかし、次のモバイルインターネットの世界を実現するには使い放題は必須の条件だった。孫氏は正しかった。
iPhone 3Gの特長
・日本で初めて発売されたiPhone
・App Storeスタート
・GSPを搭載し位置情報取得
iPhone 3G スペック
発売日 | 2008年7月11日 |
発売時のOS | iOS 2.0 |
最終対応OS | iOS 4.2.1 |
CPU | Samsung 32-bit RISC ARM 412MHz |
ストレージ | 8/16GB |
ディスプレイ | 320×480ピクセル 163ppi |
バッテリー | 1,150mAh |
通信 | 3G |
アウトカメラ | 200万画素(パンフォーカス) |
インカメラ | なし |
サイズ | 115.5×62.1×12.3mm |
重さ | 133g |
iPhone 3Gが登場した2008年
表参道に2,600人が行列。iPhoneの時代が始まった
2008年7月11日のiPhone発売日はまさに大騒ぎ。表参道のソフトバンク本店が最も入荷量が多いという情報が流れ、熱烈なファンは前日から行列を作った。筆者は前日夕方に行って250番目ぐらいに並んでいたが、真夜中には1,000人を超えたという噂だった。
朝がくるまでには『本日の受付は終了しました』という看板が立ったが、「翌日でもいいから」と並ぶ人もいて、記憶が正しければ最大で2,600人ほどが並び、最後尾は渋谷のファイヤー通りあたりまで達していた。
世間ではiPhoneというもの自体知られていなかったから、周囲では何の行列か認識されていなかった。
夜中に孫社長が激励に来たり、早朝には店舗前でカウントダウンがあったりとまさにお祭り騒ぎだった。
孫社長は、その後Twitterに夢中になった。モバイルインターネットの一面としてTwitterを活用していく。
文字情報中心のTwitterは通信速度の遅い当時のスマホにピッタリのSNSだった。
携帯で通常のパソコン用のメールを扱えるのも新鮮な経験だった。そのまま返事を書くこともできた。
当時のiPhoneのホーム画面。複数のTwitterアプリをインストールして使い分けていた。
SHARE
PROFILE
flick! 編集部
各電子雑誌配信ストアから配信される電子専用マガジン。デジタルは好きだけど使いこなせてない、これから活用したい人たちへ、最新ガジェットやウェブサービス、アプリ情報を配信。
各電子雑誌配信ストアから配信される電子専用マガジン。デジタルは好きだけど使いこなせてない、これから活用したい人たちへ、最新ガジェットやウェブサービス、アプリ情報を配信。