AirPods Proの1/6以下の価格! Ankerの4990円の完全ワイヤレス『Soundcore Liberty Neo 2』を試した
- 2021年06月02日
安価でハイクオリティがウリのAnkerの4990円完全ワイヤレスイヤフォン
モバイルバッテリー、電源メーカーのAnkerが、この10年で飛躍的成長を遂げたのは既報の通り。その原動力となっているのは、そのクオリティの高さと、それに比して驚くほど安価であることだろう。特にGaN(窒化ガリウム)のアダプターを他に先んじて出すなど、技術力の向上も著しい。また、最近はその開発力を活かして、電源系以外のカテゴリーにも進出しているのはご存知の通り。
中でも最近気になるのが、『Soundcore』のブランド名でリリースしているイヤフォン、ヘッドフォンのシリーズ。
今回試してみたのは、最廉価モデルの新製品、『Soundcore Liberty Neo 2』。価格はなんと4990円。前モデルのLiberty Neoよりさらに1000円安くなっての登場だ。
もちろん、アクティブノイズキャンセリングや加速度センサー、H1チップまで内蔵したAirPods Proと比較するのはフェアではないが、それでも同じような完全ワイヤレスタイプで、1/6以下の価格を実現するなんて、驚く他ない。
たしかに、AirPods Proは最高の商品だが、ポロリと片側を落として1万0780円……というのは大人にとってもなかなか痛い。お金が自由にならない学生さんなら、無理してAirPods Proを買う必要はないのではないかな……と思ってしまう(もちろん、クオリティを求めて背伸びするのも大事なことだが)。若い頃は、うかつなもので、紛失したり壊したりしがち。そんな時に3万0580円(税込)のAirPods Proはやっぱり少々高価。
4990円のSoundcore Liberty Neo 2なら紛失しても大丈夫……とは言わないが、ダメージは少ない。
安価といってもメカは本格的、複合ダイヤフラムを採用した3層構造の8mmドライバーを搭載することで、コンパクトながら迫力の低音と、クリアな中高音を実現しているという。
IPX7防水に、40時間の再生時間はAirPods Proに勝っている!
AirPods Proに勝っているのは価格の安さだけではない。防水機能はIPX7なので、汗や雨はもちろん、ちょっとした水没でも大丈夫なほど(AirPods ProはIPX4)。さらにイヤフォン単体で、10時間、ケースも含めると40時間の再生が可能となっている(ちなみに、AirPods Proはそれぞれ4.5時間(アクティブノイズキャンセリングオフで5時間)、24時間)。
濡れても大丈夫、長時間再生も可能と、カジュアルに使えるタフさ度合いでは、安価なAnkerの方が優れているということになる。
重さは片側6g(実測値)、ケースを含む重量は60g(実測値)。
イヤーチップは5種類、イヤーフィングは3種類が付属しており、自由に選ぶことができる。最初に装着されているもの(撮影にも使用)は、いずれも中間のサイズ。
充電コネクターはUSB-Cで、充電用ケーブルはUSB-A to USB-Cが付属する。充電にかかる時間はフル充電まで約2時間。またケースは非接触充電も可能。
4990円という価格を考えると、大満足の音質
さて、肝心かなめの音質はどうだろうか?
忖度なしで、4990円の完全ワイヤレスとしては大満足。もちろん、AirPods Proのクリアでニュートラルな音質にはかなうべくもないが、5000円以下でこの性能と音質を実現してくれるなら、文句なしと言っていいだろう。少し、中音域がボヤッとして、こもっている感じはあるが、その分低音はしっかり出ているし、高音の細かい音もちゃんと聞き取れる。
具体的にはアコースティックな音楽、クラシックやジャズを聴くには、音が薄っぺらに感じて物足りないが、重低音や高温域がブーストされた打ち込み系の音楽なら、全然問題なく楽しく聞けるように思う。そういう意味では、ターゲット層である若者にフォーカスしたチューニングなのかもしれない。
また、完全ワイヤレスヘッドフォンは、時折片側がペアリングせずイライラしたりすることあるものだが(AirPods Proはそれがないのが優秀)、少なくとも自宅で数日間使ってみた間には、ペアリングしなくて困ることはなかった。多くの電波が飛び交う満員電車の中などでは、また状況が違うかもしれないが、緊急事態宣言が続いておりテストの機会がなかった。また体験する機会があれば、追記したい。
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。