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M1 Ultra搭載のMac Studio! iPhone SE3、iPad Air 5など発表のアップル発表会を分かりやすく解説

キッチリ1時間で、多くの新製品を濃厚に発表

非常に(記事を書く側としても)慌ただしい発表会で、多くの製品が怒濤のように発表された。

注目は、久し振りの完全ニューラインであるMac Studio。Mac Pro越えの性能を持った、Mac miniに近いサイズのコンパクトモデルで、MacBook Proの最上位モデルに搭載されたM1 Max搭載モデル(24万9800円〜)と、そのおよそ2倍のプロセッサーを搭載したM1 Ultra搭載モデル(49万9800円〜)が用意された。

また、同時に5KのStudio Displayも発表(19万9800円〜)。ひたすら高画質を追求した6K XDRディスプレイ(約70万円)と比べると非常にリーズナブルだが、12MPのカメラ、3マイクアレイ、6スピーカーとそれを制御するA13 Bionicチップを搭載し、ビデオ会議などにも便利な、リモートワークの普及した現代のワークフローにフィットしたディスプレイとなっている。

上記の完全新規製品と比べると地味だが、iPad Air 5(7万4800円〜)iPhone SE3(5万7800円〜)も発表された。いずれも発売が想定されていた製品ではあるが、iPad Air 5はM1チップiPhone SE3はA15 Bionicと、いずれも想定されていたものより1グレード上のチップセットが搭載され、お買い得なモデルとなっている。

また、iPhone 13にはグリーン、iPhone 13 Proにはアルパイングリーンという新色が追加された。

色気はないが質実剛健超々高性能なMac Studio

さて、何はともあれ、Mac Studioだろう。

iMac、Mac mini、Mac Pro……という、Macのデスクトップに新しい製品ラインが設けられるのは実に久し振りのことだ。

位置づけとしてはその名の通り、クリエイター、エンジニアなどがスタジオで使用するイメージ。性能的には従来のMac Proの領域をカバーするが、サイズ的にはMac miniに近い。M1 Max搭載モデルはMacBook Proと性能的にはカブるのだが、持ち歩きができない代わりに優れた冷却性能と、数多くのポートを持ち、さらに安価であるという点がメリットになるだろう。

そして、M1 Ultra搭載モデルは、超絶的な性能を持つM1 Maxをさらに2倍に拡張したダイを持つ。最大で、20コアのCPU、64コアのGPU、128GBのユニファイドメモリー、8TBのSSDを搭載しており、全部盛りにしても100万円を超えないのだから、全部盛りで700万円になったMac Proに比べると破格値と言ってもいいだろう。

キモはふたつのM1 Maxを接続するために使われたUltra Fusionという技術でプロセッサー間で2.5TB/sという情報のやりとりを実現する。これにより、最大128GBという途方もないメモリースペースを、ユニファイドメモリーとして、システムメモリーとしてもグラフィックメモリーとしても使える(どこの世界に最大128GBのVRAMを持つグラフィックボードがあるというのか?)。

この点がチップセットの外にメモリーを持つ他のシステムと圧倒的に異なるポイントである。

トランジスター数は、M1 Maxの2倍でついに1140億個とこれまた途方もない。

性能は高すぎて、もはや一般用途では何と比べたらいいのか分からないが、10コアのIntel Core i9搭載のiMacに比べて計算流体力学パフォーマンスを演算するNASA TetrUSSで5.7倍、Radeon Pro 5700搭載iMacに比べてFinal Cut Proの8Kレンダリングが5倍の速度で演算可能だという。

動画を編集するなら、8KのProRes 422の動画を18ストリーム同時に動かすことが可能……。

MacBook Airに搭載された4つの高性能CPUと8コアGPU、8GBのメモリーを持つM1チップでさえ、ビデオ編集を含むあらゆる日常作業で何の不満もないぐらい高性能なのに、16個の高性能CPUと、64コアのGPU、128GBのユニファイドメモリーを持つ搭載のMac Studioがどれほど高性能なのか、もはや尺度がない。例示されているアプリからすると科学演算、ビデオ編集、3Dグラフィック、映像処理、建築設計、音楽編集、プログラム開発などの分野においてマシン性能が必要な人にとって有用となるのだろう。

ディスプレイはどうせ外付けを使う……という人にとっては、MacBook ProやiMacに付いてくるディスプレイは『もったいない』存在であるから、『ディスプレイは外付け』と割り切ったMac Studioはお買い得なマシンになるはずだ。

実際、外観デザインは『背の高いMac mini』といった体裁で、色気もそっけもない。Mac Proのようなこけおどしの冷却ホールやデザインもない。まぁ、仕事にフォーカスするプロフェッショナルはそんなことにはこだわらないのだろう。

実際に底面サイズはMac miniと同寸。昨日までMac miniを置いていたスペースがあるのなら、Mac Studioを置くことができる

ポートは、MacBook Proで提示された『レガシーポートだろうが、なんだろうが全部盛り』という方針がさらに押し進められており、背面に、4つのThunderbolt 4、10Gb Ethernet、2つのUSB-A、HDMI、3.5mmヘッドフォンジャック、そして前面に2つのUSB-C(M1 Maxは。M1 Ultraモデルは2つのThunderbolt 4)、SDXCカードスロット……という構成になっている。これで不満な人はそうはいないだろう(冗談で『SCSIポートはないのか!』と言いたくなるぐらい、すべてのポートがある)。

「とにかく、現時点での高性能が欲しい」「MacBook Proの性能が欲しいけど持ち歩かない」という人にとっては最高だ。ディスプレイをすでに持っている人にとっては非常にお買い得な価格設定だとも思う。

また、M1 Ultra搭載モデルに注目が集まりがちだが、持ち運ばないならMacBook Pro 14インチより10万円ぐらい安くM1 Maxが入手できる下位モデルも侮り難い。デスクトップ運用であれば、起動さえすればSSDは外付けでもいいわけだから、そういった意味でもトータルコストを抑えることができる。

ただし、唯一の不思議な点は、発表会の最後に「Apple Siliconへの移行はほとんど終わった。あとはMac Proだけだ」というアナウンスを加えたことだろう。本当に最高の性能が欲しい人が、Mac Studioを買ってしまわないように……という親切心だとは思うが、となるとMac StudioのM1 Ultraモデルを買おうかとしている人は躊躇しないのだろうか?

そして、M1 Ultra搭載のMac Studioの性能を超えなければならないMac Proとはどんなモデルなのだろうか? もはや、そんな性能の製品は空想するのも難しくなってきている。

おそらくヒントは、Ultra Fusion。これを使って、チップセットをさらに倍(もしくはさらにそれ以上)組み合わせることができるのだろう。iPhoneのA14 Bionicチップから、M1、M1 Pro、M1 Max、M1 Ultra……と2倍、4倍、8倍、16倍……とコアの数を増す方向で構成されているApple Siliconは、おそらくこのUltra Fusionで構成されるMac StudioやMac Proまで考えてプランニングされているはずだ。iPhoneという世界中でもっとも売れているデバイスのコアの性能を使って、高性能なマシンを作るための緻密な戦略だ。

ちなみに、そのパフォーマンスの凄さを語るムービーに登場したのはすべて女性。3月8日(現地時間)が、国際女性デーであったことを意識したものと思われる。女性の社会進出にまだまだ障害が多いと言われる日本としては、アップルの姿勢を見ならいたいところ。

A13搭載でインテリジェント、ビデオ会議に対応したStudio Display

Mac Studioと組み合わせて使うべく発表されたStudio Displayは、久々にアップルらしいユニークなディスプレイである。

思えば、50万円の初代Cinema Display、ビデオ会議用に用意されたiSight、超高価なXDR Pro Displayなど、画期的な製品で外付けディスプレイのベンチマーク、憧れの存在にはなるけれど、どうしても一般の廉価なディスプレイに対して頻繁なモデルチェンジを行うことができず、憧れだけどコスパの悪い存在になりがちなアップルのディスプレイ製品だが、今回はコスパも高そうだ。

5120×2880ピクセルの27インチ5Kだから、iMacの27インチやLG 5Kディスプレイと同等。600ニト、10億色対応、P3色域、True Tone対応……というスペック自体も良いけれど、MacBook ProやiPad Proに搭載されているLiquid Retina XDRほどの卓越した性能ではない。

その代わりユニークなのが、122度の視野を持つセンターフレーム利用可能な1200万画素超広角カメラ、指向性ビームフォーミング可能な3アレイマイク、MacBook Proに搭載されたのと同じ仕組みを持つフォースキャンセリングウーファー装備の6スピーカー、そしてそれらを制御する独自の頭脳、A13 Bionicチップを搭載していることだ(いっそ、マウス操作のiPadとしても動作してくれればいいのに(笑))。

デザイナーや、エンジニアにしてもビデオ会議が日常的になった現代において、彼らの使っているディスプレイにカメラやマイクが付いてないのは不便なことだ。そういう意味では非常に有用な装備といえる。実際最新のMacBook ProやiPad Proにはこれに近い装備がついているが、下手な外付けカメラやマイクを使うより、純正装備のマイクアレイとカメラの方がずっと高品位という話もあるほど。このカメラとマイク、スピーカーには期待できる。

背面にはホスト用のアップストリームThunderbolt 3がひとつ装備されており、MacBook Proなどに96Wまでの電源を供給できる。ダウンストリームはUSB-Cが3ポート用意される。

脚は標準装備のものが高さを調整できない。ディスプレイは高さを調整できた方が疲れを軽減できるから、XDR Pro Displayと同じ仕組みの高さを調整できるタイプのスタンドがお勧めだが、こちらは4万4000円高。だったら、標準の脚と同じ値段のVESAマウント版を買って、アームマウントにした方が便利に使えると思う。

また、ディスプレイ表面に低反射加工を施したNano-textureガラス採用の製品は4万3000円高。安くはないが、蛍光灯や窓の光が反射しなくなることを考えると、オフィスなどでの使用はこちらの方が圧倒的に快適だろう。安くはないが。

iMac 27インチ消滅と、Mac Studioによるラインナップの再編

このMac StudioとStudio Displayの登場にともなって、iMacの27インチモデルがラインナップから消えた。

つまりは、iMac 27インチやiMac Proというモデルはやめて、Mac StudioとStudio Displayにリプレイスするということだろう。

実際、Mac StudioとStudio Displayの最廉価ラインで44万9600円だから、iMacの上位モデル並みの値段だ。

アップル伝統のオールインワンモデルは24インチのiMacとして残るが、製品サイクルを考えても上位モデルになるとディスプレイと本体は別立てで買う人が多いということなのだろう。

iMac Proも話題にはなったが売れた数は多くなさそうだ。今や、iMac Proはレガシーなモデルになってしまっているだろうが、あの頃に販売されたディスプレイはまだ十分に使えるはずだ。

モバイルですべてが行えるという価値観が、ニューノーマルの世界では腰を据えて大型のディスプレイを前にした方が仕事の効率がいい……という価値観に変化したということなのかもしれない。時代の空気を読んで、微妙に製品ラインナップ自体を変化させていることに注目しておきたい。

iPad Air 5はなんとM1搭載!

残りの製品を簡単に(しかし、重要なポイントにフォーカスして)紹介しておこう。

iPad Airは第5世代となった。前モデルはA14 Bionic搭載で、iPad miniがA15 Bionic搭載になっていたので、それに追いつくカタチかと思っていたら、なんとMacBook AirやiPad Proと同等のM1を搭載してきた。これには驚いた。大盤振る舞いである。

外形はiPad Air 4と同じ、iPad Proを踏襲する(が、わずかに縁が太い)オールスクリーンデザイン。サイドでにくっつけて充電できるApple Pencil 2を利用可能。認証は、電源ボタンに一体化されたTouch ID。

また、iPad miniにも先行して搭載されていた122度視野角の1200万画素超広角カメラを搭載。自動的に話者を追い続けるセンターフレーム対応なので、ビデオ会議でも便利に使える。5G、Wi-Fi 6対応

ボディカラーは、スペースグレイ、スターライト、ピンク、パープル、ブルーの5色。

ストレージだけは64GB、256GBと控えめで、ここに512GB、1TB、2TBモデルを備えるiPad Proとの大きな差がある。価格は64GBモデルが7万4800円から、256GBモデルが9万2800円からと非常にリーズナブル。

何でもできて便利で廉価なiPad、コンパクトで超高性能なiPad mini、圧倒的に超高性能で妥協のないiPad Proに対して、高性能で便利に使えてかつリーズナブルなiPad Airと、それぞれの製品の立ち位置を厳密に分けている点が興味深い。同じ、iPadOSが走るiPadというタブレットで、3万9800円から27万9800円という10倍もの価格差のラインナップを構築するマーケティングである。

おそらく今日発表された製品の中で、一番多くの人を幸せにするiPhone SE3

そして、地味ではあるが、今回発表された製品の中で、もっとも多くの台数販売されるであろう製品が第3世代のiPhone SE(以下、iPhone SE3)。

新しい物好きの我々にとってiPhone SEは、非常にレガシーな製品に見えるが、ホームボタンのある安心感と、iPhone 8以来同じデザインの筐体は、高齢者の方から、スマホに多くを求め過ぎない一般の方、お金をかけ過ぎたくない若者、子供に渡すのに最適なモデルだ。実際に、読者のみなさんもご家族のためにiPhone SEを購入したという経験をお持ちの方は多いのではないだろうか?

最大の目玉は、最新のiPhone 13 Proと同じ、A15 Bionic搭載。その性能をよく知る我々にとっては、「高性能過ぎない?」と思えるほどのチップだ。実は筆者もSE3にはA14 Bionicが搭載されると思っていた。ディスプレイの性能から言っても、組み合わされるカメラから言ってもA14 Bionicの性能でも十分だと思ったからだ。

しかし、アップルはA15 Bionicを搭載してきた。これにも、A15 Bionicの量産効果(コストダウン)を上げるというのと、このSE3のライフサイクルと伸ばすというメリットが考えられる。A15 Bionicを搭載していれば、相当先にiOSにも対応できるはずだ。

搭載されているカメラはF1.8の1200万画素カメラで、SE2のものと同じなのかどうかは現時点では分からないが、A15 Bionicの搭載によって、Deep Fusion、スマートHDR 4、フォトグラフスタイルなどに対応している。チップセットの圧倒的な性能が、どのぐらいカメラ性能を上げるのか? 一番多くの人の日常で影響する暗所性能がどのぐらい向上しているかは、製品レビュー記事をお待ちいただくしかなさそうだ。

どの製品もコスパ高し! 派手は製品はWWDCに?

Mac Studio、iPad Air 5、iPhone SE3ともに、製品として地味といえば地味ではあるが、実際に購入するにはコストパフォーマンスの高い、非常に魅力的なモデルばかりだ。

そして、Mac Pro含め、派手は製品は、WWDCに向けて温存されているということなのだろう。

(村上タクタ)

 

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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