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状況に合わせ、瞬時にルアーを選ぶ!「徳永兼三流相模湾エリアでのキハダ攻略ルアーセレクト」【後編】

古くは久米島から始まり、遠征、近海で多くのキハダをキャッチしている徳永兼三氏。前編に引き続き、自身がフィールドに持ち込み、実績のあるおすすめルアーを解説してもらう。

状況に合わせ、瞬時にルアーを選ぶ!「徳永兼三流相模湾エリアでのキハダ攻略ルアーセレクト」【前編】はこちら>>>

状況に合わせ、瞬時にルアーを選ぶ!「徳永兼三流相模湾エリアでのキハダ攻略ルアーセレクト」【前編】

状況に合わせ、瞬時にルアーを選ぶ!「徳永兼三流相模湾エリアでのキハダ攻略ルアーセレクト」【前編】

2021年10月13日

ルアーに反応しない難しい状況とエビング

相模湾内に入ったキハダは、豊富な餌によりすぐに湾を出ることはなくなりますが、ルアーで釣り上げるのが難しい状況も生じてきます。湾内に入る前や入った直後、大きめのイワシやトビウオ、ワカシなどを餌にしている時には比較的ルアーに反応してくれるのですが、カタクチイワシの稚魚・シラスや、もう少し大きくなった4㎝、5㎝サイズのイワシが大量にいる時には、他の餌にはまったく目もくれなくなります。ルアーどころか餌釣りでも全く手が出ない時があるのです。

そこら中でキハダが波しぶきを上げてボイルしているにも関わらず、跳ね上げられているベイトが見えず、その後に跳ねた場所の水中を覗いても、鱗が散っていない時などは、こうした極小のベイトを専食している時です。ちなみに一本釣りの撒き餌にこのサイズのイワシを使うと、どんなに食いしぶった魚も止められるということです。

相模湾では、8月に入るとコマセを使ったキハダの餌釣りが解禁となります。この時期に有効となってくる釣り方に、エビングと呼ばれるワームを使った天秤仕掛けがあります。

エビングは、もともと沖縄や久米島で行われていた釣法で、キビナゴをコマセに使ってキハダを狙っていた際に、付けエサの代わりにヤマリア(旧山下漁具)のエビワームを使用したことからエビングという名前が付きました。

相模湾では、オキアミのコマセカゴによる餌釣りを行っているため、付けエサのオキアミの代わりにワームを使った釣りが、沖縄の釣法のネーミングのままエビングとして定着しました。

コマセで寄せたキハダを釣るため、基本的にはコマセ船に同船し、餌釣りとの糸絡みを防ぐためにミヨシで釣ることとなります。コマセが効いている層でジギングのようにシャクってキハダを誘うのですが、ハリスを3mほど取るので、大きくシャクってワームが漂う間を設けるために、通常のジギングよりはゆったりとした誘いとなります。

▲相模湾は、湾内にキハダが留まるが、時間とともにスレてくるのも特徴。情報が入ったら、すぐに動けば、自ずとヒット率は高い。シーズン間近になったら、常にアンテナを張っておきたい。シーズンインを読んで、船を予約しておく人も多い。

ベイトボールパターンは動かさずに攻略

湾内に入ったマグロとカツオは、豊富なベイト、カタクチイワシを固めてイワシボールを作ることがあります。マグロよりカツオのほうが素早く、イワシをまとめるのが上手いので、相模湾ではベイトボールパターンが多いです。

こうしたベイトボールを狙う際は、フローティングのペンシルをボイルの上に投げ入れて浮かべておくのも有効な方法です。そしてもう一つの効果を発揮する方法に、沈下系のルアーがあります。

葛西臨海公園でマグロの餌やりを見ていると、餌の死んだイワシがヒラヒラと落ちていくのを啄むように拾って食べていきます。ベイトボールに多くのマグロがアタックする様は勇壮ですが、実際の水中では水族館と同じようなことも起こっているのです。マグロのアタックで傷つき沈んでいくイワシを、拾い食いしているのです。沈下系のルアーは、沈む際にシミーホールと言われるヒラヒラと傷ついた小魚が沈んでいく様を再現しています。

ベイトボールに沈下系のルアーを送り込む際には、着水と同時に糸ふけをとり、ドラッグが掛からないようにして送り込む必要があります。アタリはラインが急に走り出したり、逆に本来入っていくラインが止まって糸ふけが出たりすることで把握します。

▲キハダが見えたら、船は全速力で近づく。素早く状況判断し、タックルを選ぶことが必要。ルアーを付け替えている時間はないため、装着ルアーの異なるいくつかのタックルを用意したい。
▲魚のサイズに合わせて、タックルをセレクトすることも必要。相模湾では、初期の小型の時はPE3号、4号クラス。大型が入ってきたら、4号、5号、6号タックルが良いという。

私が愛用している沈下系のルアーをご紹介しましょう。

1.菊池工房・Bz9、12、14、15㎝。ルアーを水平にして見た場合、下側が鉛で上側がバルサの2層構造となっています。この構造によりヒラヒラと傷ついて沈んでいく小魚を演出してくれます。

▲下側が鉛、上側がバルサの2層構造のシンキングペンシル。サイズ展開も広く、イワシサイズに合わせてセレクト可能。艶めかしく沈んでいく小魚を演出してくれる。

2.CB ONE・オズマ。豊富なサイズのバリエーションとプラスチックルアーの半透明なカラーがマグロを惹きつけます。

▲こちらも豊富なサイズのバリエーションがあるプラスチック素材のシンキングペンシル。半透明なカラーが効果を示すときもある。

サンマパターン

秋から初冬にかけて黒潮の勢いが落ち、東北から寒流の栄養豊かな親潮が南下してくると、それと一緒にサンマも南下してきます。

そして日立沖から銚子、房総、大島、紀伊半島へとサンマの回遊が見られます。サンマの動きは速く、そのタイミングを掴むのは難しいのですが、当たれば50㎏を超えるようなキハダとも出会うことができます。基本的には今までのシーズンと同様なルアーを使用すれば良いのですが、ルアーサイズはサンマに合わせて大きくします。

また沈下系のルアーも18㎝といったサイズの物を少し沈めてスイミングさせるような使い方が有効なこともあります。

▲常磐沖では、サンマの南下とともに大型のキハダが回遊。すぐにチャンスは過ぎ去るため、海域に入ってきたら、素早く行動することが必要。
▲サンマに合わせて、プラグも大型化。もちろん大型キハダに合わせて、8号クラスのタックルを持ち込む。

Tokunaga’s Tackle

【20~30㎏クラス】
ロッド:パッションズ・スペンサー88M
カーペンター・BLC84/25R-PM・SC
リール:ダイワ・ソルティガ8000-H
ハンドル:スタジオオーシャンマーク15ST5000/4500BM70&AG45
ライン:YGKヨツアミ・ロンホート オズポートWXP-1 8 3~4号

【40~50㎏】
ロッド:カーペンター・KLL88/30 & BLC80/35 & BMB74/32
リール:ダイワ・ソルティガ14000-XH
ハンドル:スタジオオーシャンマーク15ST5000/4500BM70&AG45
ライン:YGKヨツアミ・ロンホート オズポートWXP-1 8 5~6号

【60㎏以上】
ロッド:カーペンター・BLC83/40 & EP88/35
リール:ダイワ・ソルティガ18000-H
ハンドル:スタジオオーシャンマーク15ST8000/6500BM95
ライン:YGKヨツアミ・ロンホート オズポートWXP-1 8 8号

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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