ロープウェイで登って、冬の絶景を楽しめる雪山 おすすめ5選!
FUNQスタッフ
- 2025年01月21日
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冬の山は厳しい環境ですが、その美しさと静寂は他の季節では味わえない特別な体験を提供してくれます。しかし、雪山登山には高度な技術と経験が必要。そこで注目したいのが、ロープウェイで行ける冬山。ロープウェイを利用することで、初心者でも比較的安全に雪山を満喫できます!
ロープウェイを利用することは、冬山を気軽に楽しめる選択肢のひとつ
ロープウェイを利用すれば、冬山の魅力を手軽に、安全に楽しむことが可能になできます。ここでは、ロープウェイのメリットについて詳しくご紹介します。
体力の節約
ロープウェイのメリットは、ふもとから山頂近くまで短時間で移動できること。冬山では積雪があるため、いつも以上の体力が必要となりますが、ロープウェイを利用すればその負担を大幅に軽減できます。ヘトヘトにならずに山頂付近に到着すれば、散策や撮影、そして純白の雪景色をじっくり堪能できること間違いなし。体力に自信のない方にはうれしい移動手段です。
安全性の向上
冬山登山では、積雪やアイスバーンが原因で転倒や滑落のリスクが高まります。とくに初心者や、雪山に慣れていない人にとっては危険な状態になることも。ロープウェイを利用すれば、そうしたリスクを避け、安全に標高を上げられます。
効率的な時間活用
ロープウェイを使えば、ふもとから山頂近くまでわずかな時間で移動できるため、日帰りでの冬山散策やアクティビティができます。忙しい日々の合間に、短時間の移動で広大な自然のなかへ。気軽に冬山の絶景を楽しむことができ、時間の制約がある人にも最適。効率的にリフレッシュできます。
絶景を手軽に楽しめる
ロープウェイの車窓から眺める景色は、まさに絶景。樹氷が作り出す神秘的な景色、山肌を覆う雪化粧は、ほかの季節では味わえない美しさです。ふもとから徒歩で登るのでは見られない壮大な景色を、移動中から楽しめるのも大きな魅力です。
家族や初心者にも優しい選択肢
冬山に興味があっても、登山経験が少ない方や小さな子ども、高齢者などは、不安を感じることが多いでしょう。しかし、ロープウェイを利用することで、そうした方々でも快適かつ安全に冬山を楽しめます。家族連れや友人同士など、老若男女問わず、誘いやすく、また誰もが気軽に参加できるようになります。
多様なアクティビティへのアクセス
山頂付近に短時間でアクセスすることで、スノーシューやバックカントリースキー、雪上ハイキングといったさまざまなアクティビティも楽しめます。
ロープウェイで登れる雪山 おすすめ5選!
ロープウェイで行ける冬山の最大の魅力は、手軽さと安全性。標高の高い場所まで簡単にアクセスでき、厳しい登りの負担を軽減。絶景を手軽に楽しめます。また、天候が急変した際にも素早く下山できるため、安全面に優れています。そしてなにより、ロープウェイから見える景色、雪に覆われた山々や樹氷の森を眺めながらの空中散歩は、まさに冬の贈りもの。山頂駅に到着すれば、そこからさらに真っ白な雪原や、青空に映える樹氷、遠くに連なる山々の眺望など、息をのむような美しさに出会えます。
北横岳(長野県/標高2,480m)
凍てつく風を受けて、雪山モード全開!
北八ヶ岳エリアの北横岳は、ロープウェイを利用すると山麓駅から一気に標高2,237mの山頂駅へと上がれることから、雪山入門者でも2,500m級の積雪期登山を体験できる。雪山デビューがこの山だった、という人も多いです。技術的な難所は少ないですが、吹きさらしの山頂はまつ毛も凍る厳しい寒さ。防風・防寒対策は厳重にしていきましょう。
▲北横岳付近から、南八ヶ岳の雄姿を見渡す
Route
北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅 → 坪庭 → 北横岳ヒュッテ → 北横岳 → 北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅
歩行時間
約2時間30分
Access
公共交通機関の場合、JR中央線茅野駅からアルピコ交通「北八ヶ岳ロープウェイ線」で終点まで。マイカーの場合、中央道諏訪ICから約25km。無料駐車場あり。滑り止め対策必須。ロープウェイは11月下旬~12月中旬に一時運休する。
入笠山(長野県/標高1,955m)
レンタルが充実! 手ぶらでも雪山体験
南アルプスの北端にある入笠山は、ゴンドラを利用すると標高1,780mまで駆け上がることができ、行程も短く雪山入門者にはおすすめ。入笠湿原は広々とした空間で、そり遊びも。山頂は平坦で広々、360度の大パノラマ。富士山、八ヶ岳連峰、南・中央・北アルプスまで見ることができるます。難所はなく、親子連れも訪れる山です。
▲雪に覆われた八ヶ岳連峰を正面に見るロケーション
Route
富士見パノラマリゾートゴンドラ山頂駅 → 入笠湿原 → 入笠山 → 富士見パノラマリゾートゴンドラ山頂駅
歩行時間
約2時間30分
Access
公共交通機関の場合、JR中央線富士見駅から無料送迎バス(約10分)が利用できる。マイカーの場合、中央道諏訪南ICから約7分。無料駐車場あり。滑り止め対策必須。ゴンドラは11月中旬~12月中旬に一時運休する。
御在所岳(三重県・滋賀県/標高1,212m)
山頂がスキー場! 親子で雪山体験も可能
鈴鹿山脈の御在所岳は、ロープウェイで登った山頂台地にスキー場がある山。本格的なアイスクライミングなどで山上を通る人もいるため、登山で訪れても不思議と疎外感はなく、山上公園駅からリフトや徒歩などで頂上まで行けます。余力があれば裏道ルートで国見峠と藤内小屋を経由して下山すると、しっかり歩けて充実感を得られます。
▲御在所岳の山上公園から、裏道や国見岳方面を見る
Route
御在所ロープウエイ山上公園駅 → 御在所岳 → 裏道ルート → 御在所ロープウエイ湯の山温泉駅
歩行時間
約3時間
Access
マイカーの場合、新名神高速道路菰野ICか東名阪自動車道四日市ICから御在所ロープウエイへ。有料駐車場あり。公共交通機関の場合、近鉄湯の山温泉駅から三重交通バスで終点下車。名古屋から直通バスの運行もある。
大日ヶ岳(岐阜県/標高1,709m)
ラクラク登頂できる展望最高の雪山
白山の南方にある大日ヶ岳は、アクセス良好なうえ、スキー場のゲレンデトップから慣れた人なら1時間ほどで登頂できます。山頂はさえぎるもののない360度の展望。大日ヶ岳から先、雪がつながる時期だけ登れる天狗山まで往復することもできる。その際は雪庇のしくみを理解し、回避の仕方を学んでおきましょう。
▲大日ヶ岳から、両翼を広げたような大きな白山を見る
Route
高鷲スノーパークゲレンデトップ → 前大日 → 大日ヶ岳 → 高鷲スノーパークゲレンデトップ
歩行時間
約2時間
Access
周辺にはスキー場が多くあるが、大日ヶ岳に最短で登れるのは高鷲スノーパーク。東海北陸自動車道の高鷲ICから約10分。登山者用のゴンドラ券あり。登山届の提出と、ICカードのデポジットの支払いが必要。
武尊山(群馬県/標高2,158m)
雪山に魅了される、美しい雪稜を行く
無雪期は山頂が遠い武尊山ですが、積雪期は川場スキー場のリフトが運行されるため一気に登りやすくなります。雪山の経験が少なくても挑戦しやすい、関東圏ではポピュラーな雪山。リフトを利用するには川場スキー場の入山手順に従う必要があり、受付での登山届の提出と、ココヘリ(電波の発信機、レンタル可)装着が義務となります。
▲奥のトンガリが山頂。本格的な雪の稜線歩きができる
Route
川場スキー場ゲレンデトップ → 剣ヶ峰山 → 武尊山 → 川場スキー場ゲレンデトップ
歩行時間
約3時間30分
Access
関越自動車道沼田ICから約25分。駐車場多数(有料と無料あり)。公共交通機関の場合、上越新幹線上毛高原駅とJR上越線沼田駅から無料シャトルバスの運行がある(予約必要)。
手軽に上がれるからこそ、注意しておきたいこと
ロープウェイで行ける冬山とはいえ、高山の厳しい環境であることには変わりありません。登山前に注意点を確認しておきましょう。
天候の変化
高山では天候が急変することがあります。つねに最新の気象情報を確認し、悪天候が予想される場合は無理をせず中止や延期を検討しましょう。
体調管理
高山では気圧が低く、酸素が薄いため、平地より体力を消耗します。夏のように汗が出ないものの、意外と発汗しているので、十分な休憩と水分補給を心がけましょう。
道迷い
道標も雪に埋もれていることも。地図とコンパスを使えることが望ましいです。スマホのGPSや地図アプリを併用するとさらに安全に。寒いところではバッテリーの消耗が激しいので外付けバッテリーも忘れずに。
雪崩の危険
積雪の状態によっては雪崩の危険があります。事前に雪の状態を確認し、危険な斜面には近づかないようにしましょう。
日没の時間
冬は日が短いため、日没時間を考慮してスケジュールを立てましょう。
ロープウェイで冬山に行くときの服装&持ち物は?
冬山を安全に楽しむためには、適切な装備が不可欠。服装は「レイヤリング」を意識し、気温や運動量に応じて調整できるようにしましょう。
冬山でロープウェイを利用する際は、防寒と動きやすさを兼ね備えた服装が重要。まず、肌着には吸湿速乾性の高い化学繊維やウール素材のインナーを選びましょう。汗をかいても冷えにくく、保温性が優れています。次に、フリースや薄手のダウンなどの中間着で適度な保温性を確保します。外側には、防風・防水性のあるハードシェルジャケットやパンツを着用し、風雪から身体を守ります。ボトムスは冬用の登山パンツや、保温性のあるタイツに防水パンツを組み合わせると便利です。
また、小物の準備も大切です。防寒・防水性の高い手袋を用意し、予備も持参しましょう。防寒用の帽子や耳を覆えるビーニー、フリース素材のネックウォーマーも役立ちます。雪面の反射対策としてUVカット機能付きのサングラスやゴーグルを忘れずに。足元には防寒性・防水性のある冬用登山靴を履き、厚手のウール靴下で保温。雪や氷の多いエリアでは、アイゼンやチェーンスパイクを携行して安全性を高めましょう。
服装
- 汗をかいても冷えにくく、保温性が高いベースレイヤー(吸湿速乾性の高い化学繊維やウール素材、メリノウールなど)
- 保温性の高い中間着(フリースや薄手のダウン、化繊のインサレーションなど)
- 防水・防風機能のあるアウターウェア
- 防寒用手袋(予備含む)
- 防寒用帽子
- 防寒・防水機能のあるブーツ
- スパッツ(靴内への雪の侵入を防ぐ)
必需品としては、短い冬の日照時間に備えてヘッドランプと予備電池を持参。地図やコンパスで位置を把握し、スマートフォンとモバイルバッテリーを活用して情報収集や連絡手段を確保します。温かい飲み物を入れた保温ボトルや、エネルギー補給に適したチョコレートやナッツ、エネルギーバーも持って行きます。また、緊急時に備えた救急用品(ばんそうこう、包帯など)も必須。足元は滑らないようにアイゼンまたはチェーンスパイク、スノーシューまたはワカンを用意。靴に雪が入り込まないようゲイター(スパッツ)も準備しましょう。
天候対策として、防水バッグやドライバッグで荷物の防水対策を行い、雪面の反射や吹雪対策にはゴーグルやサングラスを用意します。
持ち物
- アイゼンまたはチェーンスパイク、スノーシューまたはワカン
- ストック
- ヘッドランプ(予備電池含む)
- 地図とコンパス(GPSがあればなお良い)
- 非常食と飲料水
- ファーストエイドキット
- サングラス(雪目防止)
- 日焼け止め
- 携帯電話(予備バッテリー含む)
地図やコンパスではなく、スマホの地図アプリでもいい?
雪がある冬山でのナビゲーションにアプリを使うことは便利ですが、単独で頼るのは避けるべきです。アプリの利便性とアナログツールの信頼性を組み合わせて活用することが最も安全です。
近年、登山用アプリはGPS機能で現在地を正確に把握できるなど、その便利さから多くの登山者に利用されています。とくに、視界が悪く迷いやすい雪道での活用は有効で、事前にダウンロードしたルートをオフラインでも確認できるため、通信環境が不安定な山間部でも安心です。また、天候情報や緊急連絡先を提供するアプリもあり、急な天候変化や万が一の際の対策としても役立ちます。
しかしながら、アプリにはリスクもあります。低温環境ではバッテリーの消耗が早く、モバイルバッテリーを携行していても機器が動作しない場合があります。また、通信が不安定な場所では位置情報が正確に機能しないこともあり、スマートフォンは落下や水濡れなどの物理的トラブルにも弱いです。そのため、アプリだけに頼るのは危険です。
こうしたリスクに備え、地図とコンパスを携行することが大切です。これらは電子機器のように故障や電池切れの心配がなく、視界が悪化した状況でも確実に使用できます。さらに、地図とコンパスの基本的な使い方を身につけておくことで、電子機器が使えなくなった場合にも対応でき、安全な下山を助けます。
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ロープウェイで行ける冬山は、雪山登山の入門として最適です。厳しい登りの負担なく高山の世界を体験でき、雪山特有の美しさを堪能できます。しかし、油断は禁物。十分な準備と注意を払いつつ、冬山ならではの絶景と静寂を楽しみましょう。初めての方は、経験豊富なガイドや山岳会に相談するのも良いです。
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「好き、を生きよう」を地で行く、FUNQスタッフ。 初心者から上級者まで、知りたい情報をわかりやすくお届けしています。