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温泉って奥深い!「下呂発 温泉博物館」で湯のしくみを楽しく学ぼう

岐阜県南飛騨の山々に囲まれた下呂温泉は、乗鞍岳、御嶽山などが連なる「乗鞍火山帯」の一部に位置し、およそ1070年前に標高1,067mの湯ヶ峰の頂上付近から温泉が湧出したといわれている。草津温泉、有馬温泉とともに「日本三名泉」と謳われた下呂温泉には、国内外問わず多くの観光客が訪れ、その温泉街の一角にあるのが「下呂発温泉博物館」。今回はここ下呂発温泉博物館で、温泉が湧くしくみなどを教えてもらいました。

下呂発 温泉博物館で学ぶ!温泉ってなぜ湧くの?

当たり前のように利用している温泉が地中から湧き出す仕組みは、プレートや火山、それらがもたらすさまざまな活動が関係しているのです。

<温泉の定義>
昭和23年に制定された温泉法第2条で「温泉とは何か」が定められています。
「地中から湧出する温水、鉱水、および水蒸気その他のガス (炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)」であり、

  • 温泉源から採集されるときの温度が、25℃以上であること。
  • 温泉水1kg中に、ガスを除く溶存物質が1,000mg (1g) 以上含まれていること。
  • 18種類の決められた成分が一種類でも、温泉水1kg中に指定された量だけふくまれていること。

このうちどれかひとつを満たすものを“温泉(温泉法第2条件該当温泉)”として認められます。

温泉の知識を、正しく楽しく身につける

館内では、温泉を科学と文化の両面から学ぶことができ、名誉館長の古田靖志さんの集めた温泉に関する資料や展示物を見ることができる。その数は400点以上。見て、体験して、温泉をより深く知ることのできる場所だ。

なかでも科学の部屋の入口にある火山性と非火山性の温泉が湧き出すしくみの展示は、「温泉は自然の恵みや力をいただけるもの」ということをひと目で理解することができる。温泉の正しい知識を身につければ、より効果的で自分に合う、お気に入りの温泉に出会えるはず。

火山性の温泉

火山大国である日本では、地下深くにマグマだまりがあり、そこにはおよそ800〜1,200℃のマグマや、高温高圧の火山ガス、水蒸気などが含まれる。それらは断層などの割れ目を伝い、常に地上に出ようとしている。他方で断層などの割れ目には、雨水などがしみ込んでできた地下水が溜まり、これに高温高圧の火山ガスなどが接触。すると、火山ガスの熱や含有成分が地下水の中に溶け込み、温泉水ができあがる。高温の温泉水は地下水に比べ軽く、断層などの割れ目を通って上がり、それが地上までつながれば温泉水は湧出する。

非火山性の温泉

近年、1,000m以上の大深度掘削がさまざまな場所で行なわれ、火山性ではない新しい温泉も次々と誕生している。一般的に、地下へ100m深くなると温度はおよそ3℃ (平均値) 高くなる。これを地下増温率、または地温勾配と呼ぶ。非火山性温泉の熱源のほとんどが地下増温率によるもので、地下1,500m前後を掘削して温泉水(深層熱水)をくみ出している。深層熱水は掘ればどこでも得られるものではなく、豊富な地下水が蓄えられていることが不可欠。また深く掘ることで高温の温泉を期待するが、高温泉の湧出は少ない。

Knowledge 01:温泉成分がつくり出す芸術的な“温泉の恵み”

独特な地形や自然景観、沈殿物、鉱物まで、さまざまなものを生み出す温泉水。温泉の湧出口付近で、炭酸カルシウムが沈殿してできた塔状のものは「噴泉塔」と呼ばれ、国の天然記念物になっているものも。また含有成分の濃い温泉では、湧出後の急激な温度の低下や減圧、空気に触れることによる酸化などにより、温泉沈殿物(湯の華)をつくることもある。

自然の造形物!

科学の部屋でひと際目をひく大きな模型は、石川県岩間温泉の下方中ノ谷にある噴泉塔。実物の塔の頭の部分からは、温泉が噴き出している。

Knowledge 02:ロッカーのトビラを開けて温泉の泉質や効能について学ぶ

ここでは、10の泉質とそれぞれの適応症と禁忌症、その泉質を楽しめる温泉地などを学べる体験型の展示もあり。温泉の効能に注目しながら、休養や保養、療養などを目的に温泉を利用してきた日本。とくに温泉療養を行なう場合は、療養目的にあった温泉を選ぶことが効果を高めるうえで大切に。また温泉の効能は1回や2回の入浴や飲泉によって得られるものではなく、まとまった回数が必要。

▲泉質ごとの引き出しを開け、ペットボトルに入ったお湯の色を比べられる。またペーハー試験紙を使って、温泉水の水素イオン濃度を調べる体験も。

Knowledge 03:歴史ある日本の温泉文化をふり返り、温泉を楽しむ

全国には、古くから受け継がれてきた温泉文化が色濃く残る地域がある。東北や九州などでは、昔ながらの湯治の風習が伝わり、長期滞在をしながら効果的な温泉療養ができる施設も点在。また源泉付近には、温泉地のシンボルとして人々が集まる共同浴場がつくられ、温泉が大切に守られてきたことがうかがえる。そのほか、シカやクマ、歴史上の人物などが登場する温泉発見伝説を知ることもできる。

▲下呂温泉は、白鷺が舞い降り羽を休めていたところで源泉が発見されたとされる。文化の部屋には、昔の観光パンフレットの展示もあり。歩行浴をしながらリフレッシュできる足湯も併設

訪ねたのは:下呂発 温泉博物館

施設名:下呂発 温泉博物館
住所:岐阜県下呂市湯之島543-2
電話:0576-25-3400
営業時間:9:00〜17:00
休館日:木曜(祝祭日営業、翌日休館)
入館料:大人400円、小学生200円

 

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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