山のそばでものづくりVol.2「Ery」鍛金作家・成瀬恵理さん
ランドネ 編集部
- 2021年12月15日
山のそばに拠点を置き、山の恩恵を受けながらものづくりをする人々に注目する本連載。今回は、鍛金作家の成瀬恵理さんにお話を伺いました。
解放感のある山の近くで自由に制作活動
Ery(エリー)
profile
成瀬恵理さん
「Ery」主宰。東京都出身。岐阜県中津川市を拠点に鍛金作家活動を行なう。都内在住時から登山が好きで、南アルプスへよく登りに来ていた。夫の影響でクライミングにも夢中。
Instagram:@itoeri1982
山のふもとを転々とし
理想の環境でものづくり
絵を描くのが好きだった成瀬恵理さんが金属に魅了されたのは、美術大学を目指していた浪人時代だった。
「金属が朽ちる過程である〝サビ〞に惹かれてしまったんです。結局、絵画ではなく金属専攻に進学して、そこで鍛金に出合いました」
大学院でも鍛金を学び、独立。都内の自宅で作家活動を始めたが、制作時に出る音の大きさの問題などがあり、青梅に引っ越したという。
恵理さんはさらなる制作環境を求めて、2014年に地域おこし協力隊として長野県南木曽町へ移住。在任中は、アーティストと地域をつなぐ「アーティスト・イン・レジデンス」などを企画していたそう。そんななかイラストレーターの成瀬洋平さんと出会い、結婚。恵那山のふもと、岐阜県中津川市に拠点を移した。
「山の近くでの制作活動は、解放感があって、より集中できます。近所迷惑を考えずに済みますし、自由に制作できるようになりました」
なます、冷やす、叩く……。
手間のかかる過程こそが、鍛金の好きなところ
鍛金の作品はとにかく、手間のかかる作業でまず、デザイン画を描き、金属の板を切り抜き、バーナーでなます。そして水で冷やし、木槌や金槌で金属を叩き、やすりをかけ、さらに模様をつけたり着色したりしてやっと完成する。恵理さんはこのプロセスこそが好きなのだとか。
「コロナ禍をきっかけに、屋外へ気軽に持ち出せるアルミ製の軽い食器を作り始めました。自然をモチーフにしたレリーフがポイント。ピクニックなどに使ってほしいですね」
恵那山のふもとという自然豊かな環境が、恵理さんにのびやかな創作意欲を与えていることは間違いない。
Eryの商品ラインナップ
1.アルミ模様丸皿 3,630円
アルミ素材で作った、軽量な平皿。皿の上には野花のレリーフがていねいに彫り込まれている。直径約21cm×深さ約1.5cm/98g
2.真鍮スポーク 価格未定
スプーンとフォークが一体になっていて、キャンプや登山の食事に便利。一本あれば、注目されること必至。長さ17cm×幅4cm/29g
3.真鍮葉っぱスプーン&フォーク 各3,190円
柄の先に葉っぱがついて、とてもキュート。自然が好きな人への贈り物に。長さ20cm×幅3cm/32g(スプーン)、27g(フォーク)
4.銅と真鍮のオリジナルシェラカップ 7,700円
持ち手に真鍮、カップに熱伝導率の高い銅を使用。温かな飲み物にも最適。直径約15cm×深さ約5cm/224g×持ち手8cm /約400mL
5.真鍮メジャースプーン 価格未定
柄の部分に、中津川の北部から見た恵那山のレリーフが刻まれた、こだわりの一品。3杯で2人分。長さ13cm×幅5cm /約6g
6.銅と真鍮のミルクパン 19,800円
持ち手に真鍮、カップに銅を使用しているため、直火にかけられる。直径15.5cm×深さ10.5cm×持ち手23cm/529g/約1,300mL
SHARE
PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。