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福島県・安達太良山のふもと、岳温泉と沼尻温泉エリアの魅力を味わう2泊3日モニターツアー/体験レポート1日目

秋服に袖を通し、冬服の準備を始めるころは、あたたかな温泉が恋しくなる季節。山と温泉はセットで楽しみたい、そんな思いを抱く人も多いのではないでしょうか?毎年、私(編集部あにや)もそのひとりであり、とくに東北地方の山(やっぱり東北の山の紅葉はピカイチ!)と温泉(白濁したお湯に目がありません……)に思いを馳せる日々を送っています。
10月中旬、福島県の名峰・安達太良山のふもとにある岳温泉と沼尻温泉に泊まり、安達太良山の恵みをたっぷりと受けた食や、アクティビティを体験するモニターツアーに参加させてもらうことに(やった!)。充実した3日間のようすを、1日ごとにお届けします。山とふもとの温泉旅の参考にご覧ください。

※雨天だった1日目は、予定していたアクティビティとは異なるツアー内容となりました。

Day1/土湯温泉でこけしの絵付け体験

まず始めに訪れたのは、地元の人に愛される山・吾妻小富士のふもとにある温泉郷・土湯温泉。開湯は平安時代と歴史は長く、土湯は遠刈田(とおがった)、鳴子と並ぶ三大こけし発祥地ともいわれています。この土地に「土湯こけし」は欠かせないもの!ということで、「土湯温泉交流センター湯愛舞台」におじゃまし、こけしの絵付け体験をしました。

館内には、土湯こけしをはじめ、東北六県のこけしが2,000体以上も展示されています(こけし好きにはたまらない……!)。この中から、見本にするお気に入りの一体を見つけて、絵付けスタートです。

私はというと、土湯系からチョイス。土湯こけしは「簡素、素朴」の美しさが特色とされ、頭は比較的小さくて、胴も細めで女性的。頭は黒一色の蛇の目模様と、大ぶりな前髪、紅の髪飾り。胴には赤・黄・緑の繊細なろくろ書きの横縞と、手描き模様が入り、クジラ目、丸鼻、おちょぼ口と、明るい表情が特徴です。

▲絵具が滲まないよう細く描くのが、むずかしい!けれど、顔が完成するころには、自分のこけしに愛着が。
▲胴の横縞は、ろくろを回してぐるりと一気に色付け。

完成しました……!ちなみに、一番左が私のこけし(顔が滲んでしまい、なんだか恥じらっているような表情。やっぱり職人さんが作るものすごい)。ちなみに真ん中はカメラマン野呂さん、右はランドネ大垣のこけし。ふたりとも個性が出ていて、とても上手。旅の思い出に、みんなでお持ち帰り!

DAY1/ランチは二本松の郷土料理を

お昼ごはんをいただくため訪れたのは、二本松市で味噌や醤油を丁寧に手作り・販売する、国田屋醸造の敷地内にある「蔵カフェ 千の花」。その名のとおり、蔵を改装したお店です。ランチメニューは、おにぎりセット、おんせんたまごかけごはんセット、タイカレーセットとあり、どのセットにも二本松の郷土料理「ざくざく」付き。

私たちが注文した、おにぎりセットがこちら。味噌や醤油をいかした料理の数々が小鉢でずらり。黒いお椀が「ざくざく」です。「ざくざく」とは、地元の人の家庭料理であり、子どもの頃から慣れ親しんだ料理。さいの目に切った具材が特徴で、使う食材や味付けは地域や家庭によって異なるそう。千の花のざくざくは、大根、ニンジン、こんにゃく、鶏肉など。

地元ならではの「食」を選び食べることで、旅の魅力はぐっと増します。食後のコーヒーとデザートまでいただいて、ごちそうさまでした!(味噌や醤油はもちろん、お米もおいしかった!)。味噌や醤油は、おとなりの国田屋醸造の売店で購入することも。

DAY1/地酒「千功成」の蔵元見学

食と並び、旅の楽しみのひとつといえば、その土地ならではのお酒をいただくこと。二本松を訪れたら、ほかの土地ではなかなか購入できない(地元で消費する分を製造している)地酒「千功成」を。ということで、千功成を製造する「檜物屋酒造店」におじゃまして、酒造りの行程を説明していただきながら蔵見学へ。蔵は温度変化が少なく酒造りに適しており、天然冷蔵庫になる冬季に、一年分のお酒を作るという。右から「特別純米酒 甑峯」「千功成 純米吟醸」「千功成 大吟醸」。二本松の食事は味付けが“しょっぱめ”なことから、レギュラー酒の味は甘め。

「一般向けにお酒を造り始めたのは、明治7年。二本松は、安達太良山から長い年月をかけて流れる伏流水が注ぎ、城下町だったことでお米がたくさん集まる場所でした。おいしい水があり、おいしいお米が炊ける。良い酒造りの条件が揃っていたんです」(ご主人)。

▲酒と酒粕に分ける作業に使われるのは、「佐瀬式」と書かれたレトロな機械。
▲お土産(酒粕かりんとう、升)をいただいた紙袋が、かわいい!

DAY1/岳温泉のお宿でゆったりと

色とりどりのお花の描かれた素敵な暖簾が出迎えてくれる「お宿 花かんざし」が1日目のお宿。大正時代から昭和初期にかけて建てられた木造建築の風情が残り、ほっとひと息つけて、旅の疲れを癒すのに心地よい空間です。ここ岳温泉は、開湯1,200年という歴史ある温泉地。安達太良山と並ぶ鉄山の南側、くろがね小屋付近の源泉から8kmほど(標高差900m)山の斜面に沿うようお湯が引かれ、その過程で適度に湯もみされることで、肌に優しい柔らかなお湯に。温泉成分はとても珍しい単純酸性泉で、レモン果汁とおなじくらいの酸性度だとか!

▲ヒバの香りが漂う湯船の大浴場(男女入れ替え制)のほか、心置きなく温泉を楽しめる露天風呂付き客室も!(写真のお部屋は「撫子」)。
▲居心地のよい和モダンの部屋には、無垢材を使ったテーブルなど、こだわりの家具が揃う。

夕食は地元食材をはじめ、全国各地の旬のおいしさが一皿ごとに盛りつけられて提供されます。写真は「阿武隈メープルサーモン蓮焼き」(上)と、「福島県産牛しゃぶしゃぶ 大玉村産有機野菜一式」(下)。そこにはもちろん、福島の地酒を一緒に。

いただいたのは、仁井田本家の「しぜんしゅ 秋あがり」(右)と、「おだやか 純米吟醸」(左)。「秋あがり」はサワラやマグロと、「おだやか」はイカとの相性がバツグンでした!

畳み敷きの館内にはゆったりとした時間が流れ、思い思いの時間を過ごすことができます。玄関をくぐってすぐの場所には、喫茶スペースもリニューアルオープン予定。お土産処「花えらび」では、二本松の酒蔵の純米酒(千功成など)と岳温泉の天然湧泉を配合したフェイシャルマスクなどのお土産の販売も(1日目から早速、編集部のみんなへのお土産にゲットしました!)

>>>2日目前編につづく

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PROFILE

安仁屋 円香

ランドネ / 編集部(ADDIX)

安仁屋 円香

旅と山歩きをミックスした“山旅”が定番のスタイル。訪れた土地で見つけたお土産(コーヒー、布のもの、クラフトビール、郷土玩具、焼き物など)をたっぷりと買いがち。クルマ、スノボ、白濁した温泉も好き。ホームマウンテンは尾瀬。

安仁屋 円香の記事一覧

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