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Keishi Tanaka「月と眠る」#17 先輩と尾瀬でテント泊(後編)

ランドネ本誌で連載を続けるミュージシャンのKeishi Tanakaさん。2019年春から、連載のシーズン2として「月と眠る」をスタート。ここでは誌面には載らなかった当日のようすを、本人の言葉と写真でお届けします。

Keishi Tanakaの「月と眠る」
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Keishi Tanakaさんの連載が掲載されている最新号は、こちら!
>>>『ランドネNo.121 1月号』

先輩と尾瀬でテント泊(後編)

音楽の先輩、「FRONTIER BACKYARD」、「SCAFULL KING」のドラマーとして活躍する福田”TDC”忠章さんと尾瀬でテント泊をした日の思い出、後編。今回は目的地に到着したところから話を進めようと思う。

#16 先輩と尾瀬でテント泊(前編)

▲尾瀬ヶ原に突如現れた集落。
▲いくつかの小屋が集まる「見晴地区」だ。

少し遠回りをし、アヤメ平を通るルートでテント場に到着した。歩行時間は約5時間。さっきまで足の限界を感じていたはずなのに、目的地に着いた安堵感と、いくつかの小屋が集まっているその光景が面白かったせいもあり、疲れは一旦どこかに消えていた。

「生ビール、冷えてます!」の誘惑を一旦無視することに成功し、受付を済ませ、まずはテントを張ることにした。

▲初めてのテント泊、スタート。

約10年前、何度かタダアキさんと山登りをしたが、いつも山小屋に泊まっていた。山小屋が好きというのももちろんあるが、初心者にはテント泊という選択肢がなかった。

時は経ち、小さなテントを持った僕に付き合うように、今回はタダアキさんも初めてのテント泊を了承してくれたのだ。

▲初めてでも難しいことはない。
▲自分のテントも準備。

10分ほどで、何もなかった緑の上にふたつの家が完成した。キャンプ場のソロテント泊と違い、イスも焚き火台もない、最小限の寝床を完成させたら、ここでビールでも飲もうかという話になる。自分のバックパックにも缶ビールを忍ばせて来たが、お店がやっているときはやっぱり生ビール。ちなみに、カウンターで生ビールを注文する僕の横で、タダアキさんは「まずは珈琲を飲みたい」と言った。だれに合わせるわけでもなく、それぞれのテント泊がスタートした。

▲視線の先には歩いて来た道。

何もしない時間を楽しんだあとは、夕食の準備。

▲見晴地区の弥四郎小屋の前には水場がある。
▲真っ暗になる前に準備するのがおすすめ。

もちろんそれぞれのクッカーを使い、それぞれが自分の食べるものを作るというのが基本となる。今回はテントの前ではなく、山小屋の前にあったベンチとテーブルを借りることにした。

▲手際よくパスタを作り始めた先輩。
▲ネギの緑が効いている。
▲まだまだわんぱくな後輩。
▲和風や洋風という概念はない(笑)。

この日の僕の夕食のことを少しだけ書いておく。米を炊こうということだけ決めて家を出発し、スーパーで目に入ったホタテの缶詰で炊き込みご飯にすることを決め、最後に湯煎するだけのハンバーグをカゴに入れた結果、炊き込みご飯なのかロコモコなのかわからないものができた。美味かったからそれで良いのだ。

それをビールで流し込みながら、昼間の話や少し昔の話をする。ふと夜空を見上げると、そこは星でいっぱいになっていた。

▲夜空いっぱいに広がる星。

翌朝、眠い目を擦りながらテントから出ると、タダアキさんはもうすでに起きていた。少しゆっくりしたあと、どちらからともなく朝食の準備を始める。このあと歩くことを考えると、普段朝ごはんを食べない人も、山では食べておくべきだろう。僕も例に漏れず「普段は食べないのに山では朝ごはんを食べる派」である。

▲朝食に温かいものがあるとホッとする。
▲ちょうど良い距離感で張られたテント。

朝食を食べ、珈琲を一杯飲んだら、テントを片付けて出発。昨日は雨も降ったが、このあとはレインウエアの出番はなさそうだ。

▲2日目、スタート!

昨日は背中に背負っていた至仏山を、今日は正面に見ながら歩くことになる。疲れもリセットされ、天気も良いので、これ以上ない最高の歩き日和だ。

▲乾いた木道はとても歩きやすい。
▲何を撮っているかというと……。
▲池塘に浮かぶヒツジグサ。

「これぞ、尾瀬!」と言わんばかりの景色を楽しみながら、至仏山に向かって進んでいく。晴れた日の尾瀬ヶ原は本当に気持ちが良い。

季節によってその表情を変える尾瀬。もっと紅葉が進んだ尾瀬や、春の尾瀬にも来てみたいなと思う。そのときはまたタダアキさんに声をかけてみようと思う。

▲尾瀬の風が感じられるような一枚。
▲思い出がまたひとつ増えた。

★今月のニューフェイス

グラミチ パフォーマンス/ロングスリーブTシャツ
アメリカのアウトドアブランド「GRAMICCI」の「 PERFORMANCE」シリーズのロンT。速乾性のある素材、色とサイズ感、すべてがいまの気分。

▲花豆ソフトクリームとともに。

〇Keishi Tanaka
1982年11月3日、北海道生まれ。ミュージシャン。作詞家。作曲家。Riddim Saunterを解散後、2012年よりソロ活動をスタート。ライブハウスや野外フェスでのバンドセットから、ホールやBillboardでの11人編成ビッグバンド、さらには小さなカフェでの弾き語りなど、場所や聴く人を限定しないスタイルで年間100本前後のライブを続けている。2021年8月25日に新作『I’m With You』をリリース。『ランドネ』での連載は5年目に突入した。

Keishi Tanaka Official Site
https://keishitanaka.com

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PROFILE

Keishi Tanaka

ランドネ / ミュージシャン

Keishi Tanaka

1982年11月3日 北海道生まれ。ミュージシャン。弾き語りから大所帯のバンドセットまで、観る人や場所を限定せずに活躍中。V6などへの楽曲提供、CM音楽の制作を行うほか、趣味を活かしたアウトドア分野での活動・執筆にも注目が集まっている。
https://keishitanaka.com/

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1982年11月3日 北海道生まれ。ミュージシャン。弾き語りから大所帯のバンドセットまで、観る人や場所を限定せずに活躍中。V6などへの楽曲提供、CM音楽の制作を行うほか、趣味を活かしたアウトドア分野での活動・執筆にも注目が集まっている。
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