BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

高山植物(山の花好き)ライター・成清 陽の「ヤマノハナ手帖」#6 フクジュソウ

登山&撮影をライフワークとする花ライターがお送りする、高山植物の偏愛記。静かに、しかしアツ~く、お花をご紹介します!

皆様、あけましておめでとうございます。昨年は、コロナ一辺倒の年でしたね。マスクなしの生活が、待ち遠しい限りです。しかしこの連載では、コロナなどどこ吹く風!お花にまつわるアツい想いを、皆様のココロのビタミンに。さらには効果は微妙ですがワクチンに。そして特効薬として(!?)、今年もお届けしていきたいと思います。ということで、新年第一回目は、おめでたいお名前のアノお花、「福寿草」から参りましょう!

「オメデトウ!」なネーミング♪

フクジュソウ(キンポウゲ科)
一般的な花期:2月~3月
主な生育場所:石灰岩質の山地

「福寿草」というこの花の名前を聞けば、第一印象は「めでたい!」。植物の世界には、松竹梅のようなおめでた植物詰め合わセット(?)はあれども、たったひとつの花で「ふく」に「ことぶき」とは、なかなかにゴージャスです。しかも、カタクリやセツブンソウなど春先を彩る花たちとまとめて、“スプリング・エフェメラル”(春の妖精/春植物)という超ステキなニックネームまでも!

いやしかし、ここまでキラキラされると「命名者が単にこの花を溺愛していたんじゃないの」というネクラな疑問を禁じえません。昼ドラみたいな、ドロドロした秘話(痴話?)がありそう……まあ、正月早々ですからやめときましょう(笑)

虫たちの“憩いのBar”

さっそく脱線しかけましたが、気を取り直して、このお花のステキなところをピックアップ。実はこの花、動きます。宇宙観測をするパラボラアンテナのように、太陽を追いかけて向きを変えるのです。すると、花の上はいつも太陽光がさんさんと降り注ぐので、凍えた虫たちが大集合!

想像してみてください。「いやぁ、ええキモチやぁ」と甘い蜜造酒(!?)を飲む昆虫たち。するとその背中に、いつのまにやらフクジュソウの花粉がペタリ。……あれ、ひょっとして計算づくなヤツじゃない?

ロウ細工のような花びらに注目!

アタマが再びネクラな疑問に支配される前に、ちょっと花びらを見てください。すごいテカりですよね?まるで、接写に耐えられなくなった女性タレントのキツ~いライトアップみたい(笑)。このテカりが太陽光を反射&効率良く集め、お花の上を小春日和にしてくれるというわけなんですね。

なお、これだけチープに写ったのは、この画像がガラケーで撮影したものだから(今や貴重)。3Gケータイ、懐かしのiモード、約800万画素。さすがに画質ヤバしです。。。

芽吹きまでも、ちょいとゴージャス

さて、鈴鹿山脈で見かけたフクジュソウの芽吹きを見てみましょう。芽吹きはまるで、タラの芽のよう。落ち葉をよいしょと押し上げて出てきます。なお、ツボミが霜焼けにならないように、ちゃんとカバーされています。ところで、芽吹きも心持ちテカっているのは、気のせい?これは一眼レフでの撮影なんですが(汗)。

ロシアンテイストのツボミ、開花!

そして、キター!フクジュソウのツボミがふわりと開き、中から花が、たくさんの雄しべが顔をのぞかせます。ギザギザの特徴ある葉っぱも良く分かるようになり、完全開花まであと少し。と、ここでよく見てみると、なんとなくカタチが安産や子宝の象徴、マトリョーシカに見えません?どこまで縁起担ぐ気なんだっ(笑)。

萌え萌えのヒミツ★

そして、待ちわびたフルオープン!ここまで来ると、ハイカーの誰もが「カワイイ」と口をそろえ、カメラを向けます。なお、可愛く見えるワケは、“二頭身”ゆえでしょう。人間の赤ちゃんしかり、頭でっかちの体型からは、えもいわれぬ幼さが感じられるものなんです。ちなみに、フクジュソウは写真にも写っている石灰岩を好む植物なので、どの山でも見られる花ではありません。出会えたらラッキーなんです!

知られざるダークサイド

ステキなイメージのままハッピーエンド、と行きたいところですが……こっからが本番です(ニヤリ)。フクジュソウには、不都合な真実があるんです。ひとつめは「オトナになると葉っぱばかり成長して、可愛げがなくなる」(これは主観もありますケド)。そして文字通り致命的なふたつめは「フキノトウなどと間違えて食べると、嘔吐、呼吸困難、心臓麻痺などに見舞われ、死亡することがある」。たとえ縁起モノでも、見た目がカワイくても、れっきとしたキンポウゲ科(トリカブトの仲間)。食べちゃダメゼッタイ!

さて、フクジュソウの魅力に迫り、そして最後には魅力から離れるという、“離れワザ”(!?)を披露しました今回。いかがでしたでしょうか?個人的には、福寿草というおめでたさにダークサイドが加わってこそ、魅力が倍増するのでは、と思ったりもします。園芸植物として栽培も盛んなフクジュソウ、ぜひ野生のものを探してみてくださいね!今年も大好きなお花のことを、小ネタ盛りだくさんにてお送りしたいと思います。よかったら月イチの本連載、のぞいてみてください。

それでは、また。皆様のココロに、素敵な花が咲き誇りますように。

 

花ライター/会社員
成清 陽
大学時代から山を渡り歩いていた個性派キャラ。卒業後も、好奇心の赴くままに職を転々とし、自然ガイド、環境コンサル、ホテルマン、雑誌編集者、市営公園管理人を経て、現在は森づくり事業を担う会社員。好きな山は尾瀬、白山、御嶽、北岳。花が美しい山しか好きになれない、アルティメットな病なんです~!(笑)

SHARE

PROFILE

ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

No more pages to load