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イラストエッセイスト・松鳥むうの「山のふもとのゲストハウス案内」#6 アンナビーチ母島ユースホテル(東京都小笠原村)

その土地の暮らしに寄り添いながら、訪れた旅人を優しく迎え入れてくれる宿、ゲストハウス。全国各地に点在するゲストハウスを100軒以上訪ねてきた、イラストエッセイストの松鳥むうさんが、山歩きの拠点にもおすすめのゲストハウスを紹介する連載。6軒目は、東京都の1,000km南にある30あまりの島々、小笠原諸島にある「アンナビーチ母島ユースホステル」です。

▲晩ごはん前、ウッドデッキでの夕涼みしながらゴロゴロする時間もお気に入り♪

日常にクジラがいる島

部屋の窓から、ザトウクジラが見える日常。そんな宿が東京都にあるのをご存じだろうか?

東京竹芝桟橋から、週約1便だけ就航する定期船「おがさわら丸」で約24時間。さらに「ははじま丸」という船に乗り換えて約2時間。辿り着いたのは、都心から南へ約1,050km先に浮かぶ小笠原諸島・母島だ。
12~4月頃。小笠原の海は繁殖と子育てにやって来るザトウクジラ達で賑わう。「ははじま丸」に乗っているだけで、ザトウクジラがジャンプする姿や、胸ビレで海面をかわいく叩いている姿をあちこちで見かけるコトもしばしば。
母島の玄関口である沖港にも、たまに、ザトウクジラが入って来るそう。港近くの少し高台に建つ「アンナビーチ母島ユースホステル※」からは、その様子が拝めてしまうのだ。島人にとっては日常。けれど、私達には桁違いすぎる非日常がそこにはある。
クジラが現れなくても、どこまでも透き通るボニンブルーの海は、見飽きるコトがない。

▲一階のウッドデッキの内側は、共有スペース&食堂。今日はどんな人とどんな話ができるのかワクワクする

朝夕のごはんは、ゲストと宿主家族とでひとつのテーブルを囲み語らいながら食べるスタイルだ。奥さんの恵子さんが作る島野菜と海の幸ごはん。はじめて知る魚介類がメニューにあるだけで、そこから、みんなの話に花が咲く。
ゲストA「このイカの刺身、とてもやわらかいですね」
恵子さん「島で獲れた"ソデイカ"。1mぐらいある大きなイカなんですよ」
ゲストB「デカッ!」
ごはんを介して、知らない者同士が知り合いになっていくその瞬間が、私はとても好きだ。

▲石門近くを案内中の宿主&ネイチャーガイドの誠治さん

他にはない大自然、めずらしい人々、そして、貴重な一言!?

絶海の孤島であり、固有種の多い特別な島だけに、日常では出会うコトのない人たちも来島する。その人達と話せてしまうのも「アンナビーチ母島ユ―スホステル」のごはんタイムのなせる技だ。
私が訪れた時は、某動物園職員さんが蝶の調査で宿泊していた。夕食後、その人の案内で夜さんぽへ。動物のプロ目線でさんぽをすると、これまた、楽しい。木の枝で眠っているトカゲの姿なんて初めて見た!
はたまた、年に3回はエベレストに行くという登山家さんも。彼は、等高線を読んで道なき道を行く山のプロ。彼目線での母島の地形話は、これまた引き込まれた。

▲懐かしい2段ベッド。窓からは、南国のあおあおとした緑とボニンブルーの海が見える

そんな様子を口数少なめに見守るのは、宿主の誠治さん。じつは誠治さんも、長年母島でネイチャーガイドをしている。周囲が崩落して入れなくなってしまった石門山にある鍾乳洞の案内も、かつてはしていたそう。当時の鍾乳洞内の写真を宿で見るコトができるのは貴重だ。もちろん、島内の他のエリアのツアーガイドもお任せあれ。
さほど表情が大きくは変わらない誠治さん。ガイドツアー中、真面目に丁寧に説明をされている……と思っていたら、隙をついてポロッとギャグが添えられる瞬間が!しかも、控えめに。うっかりしているとスルーしてしまう貴重な一言。聞けたあなたはラッキーかも♪(笑
海外よりも遠い日本・母島。非日常の景色と普段逢うコトもない人たちが溢れる宿「アンナビーチ母島ユースホステル」。
一生に一度でもいい。あなたの貴重な「今」という時間を、この場所で過ごしてみてほしい。

※「ユースホステル」とは、世界中にある会員制の宿(男女別相部屋)。非会員でも数百円(値段は宿によって異なる)の追加料金で年齢に関係なく宿泊ができる。

アンナビーチ母島ユースホステル

宿泊料金:3,850円/人(ユースホステル会員)、4,450円/人(非会員)
朝食:750円、夕食:1,400円、昼食用おにぎり:300円(2個)
TEL:04998-3-2468

http://www.anna-yh.com/

アンナビーチ母島ユースホステルを拠点に歩きたい、乳房山

▲小富士から眺める乳房山

乳房山(462m)は母島の最高峰。山頂からは島の全景と澄んだ海岸が見渡せる。コースタイム4時間ほどで、遊歩道が整備されているので、初心者にもおすすめの山。固有植物の宝庫で、ハハジマノボタンやワダンノキなどの植物や、ハハジマメグロやオガサワラオカモノアラガイなどの特別天然記念物も見ることができる。

 

松鳥むう(まつとり むう)

イラストエッセイスト。離島とゲストハウスと滋賀県内の民俗行事をめぐる旅がライフワーク。訪れた日本の島は109島。今までに訪れたゲストハウスは100軒以上。その土地の日常のくらしに、ちょこっとお邪魔させてもらうコトが好き。著書に『島旅ひとりっぷ』(小学館)、『ちょこ旅沖縄+離島かいてーばん』『ちょこ旅小笠原&伊豆諸島かいてーばん』(スタンダーズ)、『ちょこ旅瀬戸内』(アスペクト)、『日本てくてくゲストハウスめぐり』(ダイヤモンド社)、『あちこち島ごはん』(芳文社)、『おばあちゃんとわたし』(方丈社)、『島好き最後の聖地 トカラ列島 秘境さんぽ』(西日本出版社)、『初めてのひとり旅』(エイ出版社)など。Podcast&Radiotalk はじめました。

http://muu-m.com/

Podcast→「松鳥むう」で検索
Radiotalk→https://radiotalk.jp/program/65843

 

 

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PROFILE

ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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