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山のそばでものづくり Vol.5【高尾編】「調麓窯」陶芸作家・上島かな子さん

山のそばに拠点を置き、山の恩恵を受けながらものづくりをする人々に注目する本連載。今回は、高尾山のふもとで山モチーフの陶芸作品を作る、上島かな子さんにお話を伺いました。

山をモチーフにした器を、祖母から受け継いだ窯で焼く

調麓窯

profile
上島かな子さん

東京都八王子市出身。祖母の工房を受け継ぎ、2010年より作陶をはじめ、2020年に陶芸作家としての活動をスタート。基本的に山は眺めるのが好きだが、高尾山へ歩きに行くこともしばしば。http://cyorokukiln.com/

八王子の街中で国道20号と枝分かれし、景信山や陣馬山の北麓をとおり、和田峠を経て相模湖のほとりへ下る陣馬街道。アトリエが多いこの街道沿いに、上島かな子さんのギャラリー併設の工房「調麓窯」は佇む。〝長六〞という地名が由来で、上島さんの祖母が建てたものだそうだ。

「陶芸作家である祖母が、『ふもとの調べを感じる器を作りたい』という思いでこの名前に。2020年に陶芸作家として独立した際に、名前とともにこの窯を引き継ぎました」

八王子で生まれ、大学まで八王子 で暮らしていた上島さん。学生時代から祖母の陶芸体験などをとおして陶芸には親しみがあったそうだが、大学で建築デザインを専攻し、卒業後はインテリア関係の職に就いたという。陶芸に惹かれはじめ、会社勤めをしながら陶芸教室に通うこと約5年。作品展にも出品するようになり、「自分でやってみよう」と思い立ち2年前に独立。前職の経験を活かし、〝空間のなかで作品がどう見えるのか〞、〝人がどう使うのか〞を想像しながら作陶しているそうだ。

▲磁器土を石膏の型に入れて、ムササビの箸置きを成形。躍動感を出すために、型から外した後に手で微調整をする。
▲磁器土と陶土を混ぜ合わせるために、全体重をかけて土を練る。荒練りをしたら、空気を抜きながら練り上げる菊練りへ。
▲祖母から譲り受けた灯油窯。窯いっぱいに陶器を並べ、高温で一気に焼き上げている。電気窯も使用。

四季折々、ふもとの調べを感じながら
山で表現できることを模索する日々

調麓窯のMt.シリーズは、すべて山をモチーフにしている。上島さんは、山のそばで陶芸をすることの魅力について、こう語ってくれた。

「山の近くにいると、植物や動物に近く、四季がより濃く感じられます。私の作品にも、山から感じられる季 節を取り込んでいきたいですね」

上島さんの作品は、高尾山口駅前の宿泊施設「タカオネ」をはじめ、高尾周辺の各店舗で購入可能。ムササビの箸置きなど、高尾の調べが込められた作品が揃うので、登山の前後にはチェックを忘れずに。

▲陶芸教室で使用している10種類もの釉薬のサンプル。葉っぱのお皿は、実際に山で拾ったものを型取っている。
▲左が陶土で右が磁器土。器によって3 種類の土を使い分けている。

▲陶芸教室やギャラリーとして使用している工房。陣馬山麓の閑静な集落に佇む。陣馬山の象徴である白馬の看板が目印。

調麓窯の商品ラインナップ

オーバルリムプレート

“上島かな子”のシリーズ。古道具と合うようにサビっぽさやマット感を表現。縁が稜線のようになっている。S2,530円、M3,250円(写真右上)、L4,950円。

山のお皿

青と白の2トーンのお皿はアルプスの山々をイメージ。価格未定。

お山の小物入れ(写真中央)

青と白はマッターホルン、薄緑色は八ヶ岳、濃い緑色は高尾山がモチーフになっている。アクセサリーや山で拾った大切なものを収納しよう。価格未定。

ーヒーカップ(写真左上)

“上島かな子”のシリーズ。オーバルリムプレート同様、アンティークな風合いが特徴。白と黒の2トーンのデザインも展開。3,250円。約200㎖。

びゅーん!ムササビのはしおき

高尾山に生息するムササビがモチーフ。ムササビの飛翔のさまをみごとに再現。ほか天狗や陣馬山頂の白馬、山々をモチーフにした商品も。1,320円。

山のお皿

山の部分だけ釉薬をかけずに仕上げた長方形の平皿や丸皿もユニーク。価格未定。

多肉植物のミニガーデン

「メリダ_リネン&ハーブス」とのコラボレーションで生まれた、陶器鉢と多肉植物の寄せ植えのセット。ちょこんと乗った陶器の家がキュート。価格未定。

出典

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ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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