『信州登山案内人』に聞く! 山歩き初心者のための疑問解消【Q&A】

信州の山のことは信州のガイドさんに教わろう!

北アルプスに八ヶ岳──山好きの心をつかんで離さない名峰がズラリとそびえたつ信州・長野。「憧れのアルプスや八ヶ岳の苔むす森を、この夏こそ歩いてみたい」と考えているビギナーの方も多いのでは? そこで今回は、信州エリアに特化したガイドさん、その名も「信州登山案内人」のみなさんに、山に登る前に知っておきたい気になるアレコレを徹底質問!

信州登山案内人とは、試験をパスして長野県知事の登録を受けた登山ガイド。長野県の山や山小屋に関する豊富な知識と、登山ガイドに必要とされる一般的な知識や技術を身につけた頼れる人々だ。疑問に答えてくれたのは、このお三方!
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◎佐藤玲奈さん(写真左)
夏は登山ツアーガイドや個人ガイド、冬はバックカントリーガイドやスキーインストラクターとして活動する登山ガイド。「信州まつもと山岳ガイド協会やまたみ」所属。

◎杉村航さん(写真中央)
源流釣りに没頭し、夏は食料現地調達の沢登り生活をする山岳カメラマン。スキー滑走は山岳スキーレースに参戦するほどの腕前。「小谷村山案内人組合」所属。

◎栗田朋恵さん(写真右)
主に湘南・鎌倉と白馬山麓をフィールドに、親子の山歩きに力を注ぐ登山ガイド。栂池高原で「白馬の里ユースホステル」を主宰。

ガイドさんと一緒に山を歩くメリットって?

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安全に山を楽しむ術を知っている登山ガイドを伴うことで、歩くことに集中でき、山行に余裕ができる(佐藤)。ガイドの得意分野によって、景色や山の名前、高山植物の説明を聞けたりする(杉村)。無理のない登山計画や行程、天候の変化や体調に合わせたコース変更などの提案が受けられる。ビギナーなら歩き方のアドバイスや、山に関する疑問が聞けるといったメリットも(栗田)!

ガイドを依頼するには?

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登りたい山がある市町村役場の観光課の窓口にガイド依頼の相談をするか、山域ごとにある「登山案内人組合」に連絡を(栗田)。長野県のHPにもガイド名簿が掲載されており、直接連絡を取ることも可能(杉村)。依頼したいガイドが見つかったら、行きたい山の行程や日程を連絡し、料金などの相談を(佐藤)。

「信州 山のグレーディング」、どう参考にすればいい?

「信州 山のグレーディング」とは、長野県内にある一般的な登山ルートを体力度、登山道の難易度で評価した一覧(無雪期、天候良好時を想定。102ルート掲載)。登りたい山について体力や技術、装備がどれだけ必要かを知る一つの手段として活用を(栗田)。ルートによってグレードは変わるが、天候によっても、特に森林限界を超えたエリアほど大きく難易度が変わるので注意(杉村)。歩いたことのあるルートと歩きたいルートのレベルがどれくらい違うのか、確認してみると◎(佐藤)。

自分のレベル、どうやって知る?

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自身の登山経験を振り返り、「どんな山を何回、どんな季節に登ったか」「登山計画は自分で立てたか」「仲間と一緒だったか」などを書き出してみよう。可視化することで、日帰りや短いコースが多いのか、岩場やクサリ場、雨の日をどれくらい経験しているか、といった傾向がわかりやすくなる(栗田)。「体力に余裕を持って下山できたか」も目安に。登り返せる余裕があるなら、充分レベルに達しているはず(佐藤)。

山で起こりうる危険について教えて!

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道迷い、ケガ、病気や体調の急変、落雷、落石、クマなどの野生動物との遭遇……山のトラブルはいろいろあるが、道迷いは熟練の登山者でも犯す可能性のあるミス(杉村)。里山の場合は特に、道標がなかったり、逆に間違いやすい作業道の印があちこちについていたり。話に夢中になって道標や分岐を見落としてしまう、なんてことも!(佐藤)。

【もしも道に迷ったら……】焦らず心を落ち着けて、まずは現在位置の確認を。わからない道はむやみに進まないこと。来た道が安全ならば、ルートが確実にわかるところ(目印になるところ)まで引き返そう。身動きが取れない場合は救助要請が必要になる。

【もしもケガをしたら……】周囲の安全を確認し、症状を判断。応急手当が可能なら、傷口を水で洗って止血するなどの処置を。骨折や大ケガをしてしまった場合は、迅速に救助を要請し、現状を落ち着いて伝え、救助隊の指示に従おう。周りの人に相談し、協力してもらうことも大切。

【もしも天候が悪化したら……】急な雨に降られた場合は、レインウエアを素早く着て体が冷えるのを防ぎ、バックパックを濡らさない対策を。風があるときは状況が悪化しやすいので、落雷の恐れがあるなら稜線上を避けて鞍部を目指したり、山小屋に避難したりしよう。

山の基本をしっかり把握して、どうぞ快適で安全な登山を!

(出典:『ランドネ 2017年9月号 No.91[付録あり]』)

(エイサイト編集部 ヨシダ)

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