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モデル仲川希良の「絵本とわたしとアウトドア」#03 14ひきのひっこし

力を合わせて自然のなかで家を作る健やかさ

「おとうさん おかあさん おじいさん おばあさん そして きょうだい10ぴき。ぼくらは みんなで 14ひきかぞく」。里山で暮らすネズミの大家族の日常を描いた「14ひきのシリーズ」は、いつもおなじこのフレーズで始まります。

「14ひきのひっこし」は、そのシリーズ1作目。危険な道中を切り抜け、家族でお引越し。森の奥で見つけたすてきな根っこのなかに、小枝や笹の茎を組んで作る部屋。木の実やきのこを貯蔵し、ご苦労さま、とみんなで囲む食卓。並んだベッドで眠りにつく夜。秘密基地のような家とそこでの暮らしは、幼い私にとって憧れでした。いつか自分が住めるくらいの木の洞を見つけたいと叶わぬ夢を見ながら、近所の雑木林のコナラに開いた小さな穴に、ドングリを集めていたのを思い出します。

ところが大人になったあるとき、ふと気づいたのです。もしかして私の大好きな山でのお泊まりは、この「14ひきのひっこし」に似てるかも。とくに、テントさえ持たず野営地も自分たちで決める、沢登り。安全な場所を見つけ、拾った枝とタープで屋根を作り、手に入れた山菜や魚でこしらえる夕飯。初めて焚き火のそばに並べた寝袋に潜り込んだ夜は、幼いころからの願いが叶えられたような高揚感がありました。

 

西沢渓谷から沢に入り、山の大先輩にすべてを教わりながら甲武信ヶ岳の山頂を目指したときの一枚。 このあとゲリラ豪雨に見舞われ、雨が溜まってたわむ我らの屋根をみんなで必死に支えた思い出

 

この絵本で好きなところはもうひとつ。14匹の家族みんなに、役割を感じられること。頼りになる4匹の大人やお兄さんたちはもちろん、遊んだりおぶわれているだけの下の子たちだって、居なかったらどれほど味気ないことでしょう。ただ、居ていい。「家族」という形の幸福は、仲間で山に行くときにも感じることがあります。一度出発したら誰ひとり欠けてはいけない。能力不足の私はたいていの場面で末っ子ポジションですが、自分を考え、場を考え、やれることをやってあとはただ受け入れてもらって、ありがたい限りです。

そんな「家族」のために、住まいを整えるというのはとても大切なんだなと、改めて思います。マットの下の石ころをひとつ除けることでも、寝袋の顔まわりに手ぬぐいを一枚敷くことでも、それはつまり、仲間や自分を大事にする行為。みんなで新しい家を作るだけのストーリーに、タープを張って一夜を明かすという行為に、健やかで満たされた気持ちにさせられるのは、だからかもしれません。

 

 

14ひきのひっこし
(いわむらかずお・著/童心社)
一家はなぜ引っ越すことになったのか。理由も描かれていたことに大人になって読み返して気づいた。画面いっぱいに込められた里山と14 匹の魅力にはいつも新しい発見がある

 

モデル/フィールドナビゲーター
仲川希良
テレビや雑誌、ラジオ、広告などに出演。登山歴はランドネといっしょの11 年目。里山から雪山まで幅広くフィールドに親しみ、その魅力を伝える。一児の母。著書に「山でお泊まり手帳」(小社刊)

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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