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イラストエッセイスト・松鳥むうの「山のふもとのゲストハウス案内」#11 利尻うみねこゲストハウス(北海道利尻郡)と利尻山

その土地の暮らしに寄り添いながら、訪れた旅人を優しく迎え入れてくれる宿、ゲストハウス。全国各地に点在するゲストハウスを100軒以上訪ねてきた、イラストエッセイストの松鳥むうさんが、山歩きの拠点にもおすすめのゲストハウスを紹介する連載。11軒目は、日本の北の果てにぽっかり浮かぶ「利尻島」にあるゲストハウス「利尻うみねこゲストハウス」です。

宿前の雄大過ぎる景色

利尻富士と共にある日常

朝、カーテンを開けると、朝日に照らされてキラキラと輝く利尻山(通称、利尻富士)が目に飛び込んでくる。そんな一日のスタートを迎えられる宿、それが「利尻うみねこゲストハウス」。

フェリーが入港する鴛泊港の目の前に立つ元民宿。そこが、ゲストハウスとして生まれ変わった。宿主はトールさんとカナコさんご夫妻。

トールさんは20代の頃から日本の百名山を登る旅を続けているうちに、流れ流れて利尻島へ。島内でキャンプ生活をしている間に、気がついたら島民になっていた。カナコさんは、20代の頃、全国あちこちのツアーバスガイドの仕事を旅と兼ねつつ渡り歩き、利尻島でもバスガイドをしている間に、気が付いたら島民に。そんな根っからの旅人のふたりが作った宿が楽しくないわけがない。

▲女子ドミトリー。仕切りカーテンでプライベートスペースもばっちり。(※窓から利尻富士が見えるのは個室部屋。ドミトリーからは見えません。あしからず)

海抜0mから登頂するコトできる利尻富士登山はもちろん、周囲約63kmの利尻島はサイクリングにももってこい。なかには、一周ウォーキングやランニングをするゲストや、シーカヤックで島の周りの海上を一周するゲストもいる。

そんなゲストたちの楽しみを、「うみねこギネス 〇〇で利尻一周」と称して、共有スペースにそれぞれの記録を展示し、イベントっぽくしてしまう「うみねこ」さん。そうするコトで、はじめましての旅人同士の会話が生まれるきっかけにもなっている。旅好き、自然好き、そして、ガイドという仕事を経て来たふたりだからこその遊び心溢れる心配りがうれしい。(トールさんは、現在も、「利尻・島ガイドセンター」を運営し、ガイドをしている)

▲エントランスの壁にかかっている自転車は、宿の息子くんが幼い時に利尻島を一周した際に乗っていた自転車。

"お見送り"という文化

「うみねこ」さんでのもうひとつの楽しみは、フェリー出港時のお見送りだ。利尻島や隣の島である礼文島では、島から去るコトを「島抜け」と呼ぶ。その日、島抜けするゲストが乗船したフェリーが動き出すと、フェリーに向かって、宿主ファミリー、宿のヘルパーさん(スタッフのコト)、残っているゲスト(希望者)みんなで見送る。うみねこの着ぐるみ(限定10着)を着て、「うみねこ」オリジナルの大漁旗を大きく振りながら。

島から「いってらっしゃ~い」とありったけの声で叫ぶと、船上のメンバーは「いってきま~す」とフルパワーで叫び返す。フェリーが見えなくなるまで、お互いの声が聞こえなくなるまで、そのやり取りが延々と続く。お見送り時に「いってらっしゃい」「いってきます」と言い合うのも、利尻島と礼文島の独特の文化だ。

見送る側は、最初、ちょっぴり恥ずかしいのだが、フェリーとその向こうに見える雄大な利尻富士に向かって叫んでいると、自分の中が良い意味でからっぽになり、心がふわりと軽くなる。見送られる方は、また、ココへ帰って来たいという想いが、フェリーが島から離れていくほどにどんどん募る。この瞬間に沸き上がるこの気持ちは、その場にいないと、きっとわからない。どんなに動画で見るコトができても。

(※コロナ禍の現在は、感染拡大防止対策のため、着ぐるみ着用は控え中)

▲ゑびすスマイルうみねこメンバー。前列左から、カナコさん、番頭さん、トールさん。後列左からヘルパーのしおりさん、同じくヘルパーのちかさん。

ちなみに、「うみねこ」には看板息子くんがいる。小さい頃からゲストさんたちに「番頭さん」と呼ばれている人気者。小学生時代は、フォークギター片手に「石狩番歌」等の昭和歌謡曲を弾き語るという渋さ。そして、現在は、野鳥の写真を撮って、愛でまくる中学生。プロも顔負けのレベルだ。もはや君は何歳なのか(笑)!?

笑顔がそっくりの親子3人、トールさん、カナコさん、番頭さん。目を細めて、幸せ溢れるその笑顔は、まるで七福神のゑびす様が3人集まったかのよう。そんなファミリーの宿だからか、毎夏、ヘルパーを希望する人も、同じようにやわらか笑顔の人たちが内地からやって来る。

フェリーを降りて「うみねこ」の扉を「ただいま~」と開ければ、「おかえりなさい」と迎えてくれる。そんな、ゑびすスマイルに包まれに、この夏、利尻島に行ってみませんか?

利尻うみねこゲストハウス

https://www.rishiriumineko.com/

宿泊料金:
・男子ドミトリー&女子ドミトリー(素泊まり)
大人:3,800円/人(繁忙期:4,200円、連泊の2泊目以降は、500円引き/泊)
U23割(中学生以上23歳以下適応):3,500円(連泊の2日目以降は、3,300円/泊)
小学生(保護者同伴):3,500円(連泊の2日目以降は、3,300円/泊)
未就学児(保護者同伴&寝具必要な場合):3,500円(連泊の2日目以降は、3,300円/泊)
未就学児(保護者同伴&寝具不要な場合):無料

・個室(素泊まり/1~2名)
基本料金3,800円(繁忙期:4,200円)+500円/人

※繁忙期:年ごとに変更あり。ホームページ内で要確認。
※宿のOPENは、毎年4月下旬頃~10月中旬頃(冬季休業)

TEL:
0163-85-7717
090-4629-7717

利尻うみねこゲストハウスを拠点に歩きたい、利尻山

標高1,721mで、日本百名山にも選ばれている名峰。美しい三角形で、「利尻富士」とも呼ばれています。山麓は針葉樹林の森が広がり、七合目以降は高山植物が咲き乱れる花の山に。リシリヒナゲシやリシリアザミ、チシバザクラなど、6月中旬から8月初旬にかけて、多くの種類の花が楽しめる。

松鳥むう(まつとり むう)

イラストエッセイスト。離島とゲストハウスと滋賀県内の民俗行事をめぐる旅がライフワーク。訪れた日本の島は118島。今までに訪れたゲストハウスは100軒以上。その土地の日常のくらしに、ちょこっとお邪魔させてもらうコトが好き。著書に『島旅ひとりっぷ』(小学館)、『ちょこ旅沖縄+離島かいてーばん』『ちょこ旅小笠原&伊豆諸島かいてーばん』(スタンダーズ)、『ちょこ旅瀬戸内』(アスペクト)、『日本てくてくゲストハウスめぐり』(ダイヤモンド社)、『あちこち島ごはん』(芳文社)、『おばあちゃんとわたし』(方丈社)、『島好き最後の聖地 トカラ列島 秘境さんぽ』(西日本出版社)、『初めてのひとり旅』(エイ出版社)等。Podcast & Radiotalk はじめました。

http://muu-m.com/

Podcast→「松鳥むう」で検索

Radiotalk→https://radiotalk.jp/program/65843

 

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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