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【山ノ鼻エリア】尾瀬ヶ原を見渡す特等席へ!至仏山に登る|尾瀬ガイドが解説

尾瀬ヶ原の西端に位置する標高2228mの至仏山は、燧ヶ岳とともに尾瀬のシンボルとして愛される山。湿原と山々が織り成すパノラマを楽しむ山歩きへ!

蛇紋岩が生み出した魅力的な景観と植物相

2000m級の山々が連なる尾瀬のなかで、至仏山は特徴的な成り立ちをもつ山。燧ヶ岳をはじめとする多くの山々が火山活動で生まれたのに対して、至仏山は古い地層の隆起によって形作られている。そのため、山全体に約2億3000万年前の古い岩石である蛇紋岩が分布し、独特の植物相が形成されている。

「蛇紋岩には植物の根からの給水を阻害する超塩基性という性質があり、多くの植物にとって育ちにくい環境。他地域からの植物の侵入が難しいため、蛇紋岩地に適応したオゼソウやカトウハコベなどの植物が多く見られます。尾瀬に連なるほかの山々と比べて森林限界が低いことも、蛇紋岩がもたらした特徴。山ノ鼻側の東面登山道から登ると1700m付近で視界がぱっと開け、背後に尾瀬ヶ原を望みながら気持ちのいい山歩きが楽しめます」と渡辺佐智さん。

2228mの山頂へは鳩待峠からの往復と東面登山道を利用して周回する2ルートがある。「個人的にはより変化に富んだ景色を楽しめる周回ルートが好きです。蛇紋岩は非常に滑りやすいので要注意。グリップのよい登山靴やトレッキングポールなどを用意して、無理せずゆっくり山歩きを楽しむのがおすすめです」と佐智さん。

POINT1:尾瀬を一望する絶景のパノラマ

日本百名山や花の百名山にも選定される至仏山は、尾瀬の自然を見渡す絶景の宝庫。360度のパノラマが広がる山頂や高山植物など豊富な山頂直下の高天ヶ原など、多くの見どころが。なかでも東面登山道の森林限界より上は、尾瀬ヶ原や燧ヶ岳のパノラマに息を呑むような美しいトレイルが続く。

POINT2:安全と植生を守る一方通行の登山道

山ノ鼻から至仏山山頂に続く東面登山道は登り専用になっている(山ノ鼻~森林限界は除く)。このルールが設けられた目的は、とくに下りで滑りやすい蛇紋岩を歩く登山者の安全を守ること。そして、蛇紋岩を避けるためにルートを外れて植生を痛めてしまうリスクを避けることだ。

POINT3:尾瀬では蛇紋岩の山は至仏山だけ

至仏山の独自性を生み出しているのが、太古の海底から隆起した蛇紋岩。その名の由来は、岩肌に蛇のような模様があること。至仏山の蛇紋岩の多くは風化によって茶褐色になっているが、本来は暗緑色だ。非常に滑りやすい岩なので、雨のあとなどはとくに足元に注意しよう。

POINT4:植生の変化を楽しむ急登のトレイル

標高約1410mの山ノ鼻から標高2228mの山頂へと続く東面登山道を登っていくと、1700m付近で森林限界に。あたりにブナ林はなくなり、ハイマツや高山植物が現れる。そんな変化をダイレクトに感じられるのがこのルートのおもしろさ。標高差約800mの登山道は急登が続くが、森林限界より上の見晴らしのよさが疲れた体をあと押ししてくれる。

POINT5:至仏山から小至仏山へ気持ちのいい尾根歩き

変化に富んだ山歩きを楽しめるのが至仏山の魅力。至仏山山頂から小至仏山への登山道は、上州武尊山や谷川岳などを望む気持ちのいい稜線歩きが続くおすすめの区間だ。ちなみにこの区間も蛇紋岩が多いので、足元には要注意。また、雷雲が発生した場合に避難する場所がないので、天気の急変や発雷情報にも充分に気を配りたい。

コース

GW前後は雪のない場所への立ち入り禁止。5月7日〜6月30日(状況によって変更あり)は残雪期の植生保護のために登山道が閉鎖される

計6時間5分

鳩待峠→1時間→山ノ鼻→3時間→至仏山→35分→小至仏山→20分→悪沢岳分岐→1時間10分→鳩待峠

案内してくれたのは

渡辺佐智さん
1976年生まれ。尾瀬保護財団認定登山ガイド。2006年に尾瀬エリアのアシスタントガイドとして尾瀬の案内をスタート。現在は日本各地の山をフィールドに活躍している。

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PROFILE

Mountain Trip OZE

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2007年に日光国立公園から分割し、国立公園に指定された尾瀬国立公園。本州最大の高層湿原「尾瀬ヶ原」や標高1,650mにある「尾瀬沼」、日本百名山にも選定される「至仏山(しぶつさん)」「燧ヶ岳(ひうちがたけ)」「会津駒ケ岳」など、何度も訪れたくなる見どころにあふれる場所をご紹介します。

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