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【いつか泊まりたい山小屋#44 尾瀬・尾瀬小屋】ここでしか味わえない食体験を提供する湿原のレストラン

「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。44軒目は、尾瀬の見晴地区に建つ山小屋、尾瀬小屋をピックアップ。

尾瀬ケ原を見渡す抜群のロケーション

▲山小屋の前に設えられた、尾瀬小屋テラス。湿原と至仏山が目の前に広がる。

6軒の山小屋が立ち並ぶ尾瀬ケ原の交差点、見晴地区に建つ尾瀬小屋は、昭和32年に開業した歴史ある山小屋だ。趣深い木造の建物の築年数は66年(2023年現在)。しかしながらスタッフの手により館内は常に清潔に保たれていて、さほど古さを感じることなく快適にすごせる。

山小屋の前にはテーブルやベンチ、日除けのパラソルが設置されたテラスがあり、腰を下ろして湿原やその奥にそびえる山々を見渡せる。また館内には洋室、和室の談話室があるので、天候の悪い日や寒い時間帯は、談話室でゆっくりするのもいいだろう。

なにより入浴可能であることが、登山者にとってはうれしいところ。伏流水を沸かした温かい湯に浸かり、旅の疲れをしっかり癒すことができる。

▲客室は写真のような大部屋と個室がある。大きな窓の外には山小屋が立ち並び、まるでリゾート地のような雰囲気。
▲薪ストーブを囲める畳の談話室。夜はここで暖を取りながら過ごそう。
▲山の写真が壁一面に飾られている洋談話室。雑誌や無料で利用可能なマッサージ器もある。
▲燧ケ岳の伏流水を沸かした湯が自慢のお風呂。男女別に浴場があり、それぞれ燧ケ岳と至仏山をモチーフにしたタイルが壁に飾られている。

国立公園で本格グルメを味わう特別な体験を

▲尾瀬小屋の人気商品のひとつ、ミルクバターと卵が染み込んだフレンチトースト。

尾瀬小屋の特徴は、「やまごやグルメ」に力を入れていること。2022年から、大阪のパスタ専門店「金星パスタ」のオーナーシェフ木下光平氏とコラボレーションをし、山小屋とは思えないほど本格的で多彩な料理の提供を始めている。

トリュフなどの高級食材を使ったメニューから、「尾瀬鹿の食害を考えるきっかけに」という想いで開発したジビエ料理まで。国立公園内の湿原や山々に囲まれたロケーションのなか、ふもとのどの高級レストランでも体験できない特別な時間を、ここ尾瀬小屋では味わえるのだ。

▲2023年のシーズンに山小屋で提供された食事のメニュー。「カイノミステーキ」、「トリュフ香る新・ステーキ丼」など、贅沢な食材を使ったメニューもラインナップ。お酒とともにいただきたい。
▲立ち寄り客も利用可能な、無料休憩所兼売店。ここで自慢のやまごやグルメをいただける。

山小屋から目指すおすすめルート【尾瀬小屋~尾瀬沼~大江湿原~沼山峠 片道約4時間30分】

▲沼尻周辺のようす。ベンチに座って、尾瀬沼と燧ケ岳の風景を堪能しよう。

尾瀬小屋に泊まった翌日におすすめなのが、尾瀬沼を通り、沼山峠を目指す横断コースだ。公共交通機関で尾瀬に訪れる場合に限られてしまうが、1日目に群馬県側の鳩待峠から尾瀬小屋に入れば、2日目に歩く沼山峠までのコースと合わせて、尾瀬をほぼ丸ごと横断することができる。

尾瀬小屋から歩き始めて、白砂峠を経由し、尾瀬沼の西端にある沼尻までは約2時間20分。沼尻からは尾瀬沼を時計回りに歩きながら、福島県側の沼山峠を目指そう。尾瀬沼から沼山峠に向けて歩き出すと、ニッコウキスゲの大群生で有名な大江湿原が現れる。尾瀬小屋から沼山峠まで、のんびり歩いても5時間かからないので、写真を撮ったり、寄り道をしたり、自分のペースでハイキングを楽しんで。

▲大江湿原では7月上旬に見頃を迎えるニッコウキスゲのほか、湿原のなかにポツリと立つ三本カラマツも人気だ。

60年以上の歴史を土台にしながら、絶好のロケーションを活かし新しいサービスに挑戦している尾瀬小屋。グルメ好きな家族や知人を誘って、国立公園内に建つこの湿原のレストランへ出かけよう。

尾瀬小屋
https://www.ozegoya.co.jp/
・標高:1,420m
・営業期間:5月中旬~10月中旬(年によって変更あり)
・宿泊料金(税込):1泊2食13,000円~、素泊まり9,000円~、お弁当900円
※個室指定は+500円/1人、土・祝前日は+1,000円が必要。
・電話番号:090-8921-8342(8:00~18:00) ※専用衛星電話。営業期間内のみ。営業期間外:090-6254-2002(小屋問い合わせ携帯)

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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