日本の国立公園を知る、歩く。【#7】妙高戸隠連山国立公園に残る 山岳信仰と広大な自然を楽しむ
ランドネ 編集部
- 2024年02月05日
火山と非火山が狭い範囲に集結しており、いまもなお山岳信仰の文化が残され続けている妙高戸隠連山国立公園。日本有数の豪雪地帯として知られていることから、厳しい環境に耐え抜くツガザクラなどの氷河期の遺存種や日本海植生、それらをエサとして生息するライチョウなどの動物を観察することができ、ほかの地域では味わうことのできない魅力がたっぷりと詰まっている。
また、公園内における人里の比率が大きく、日常生活で自然と密接に関わる地域住民も多い。まさに、人と自然がうまく調和した地域と言えるだろう。
妙高戸隠連山国立公園に残る 山岳信仰と広大な自然を楽しむ
この地域には、先祖から言い伝えられてきた神話や伝説が数多く残り、主要となる山の大半が山岳信仰の対象となっている。それに伴い、信仰と結びついた祭りが各所で開催され、大切にされてきた文化が途絶えることなく、次世代にまで引き継がれているという。個性的な形の山々が連なるこのエリアで、「山に宿る神様の気配を感じながらの山歩き」を、新たな山の楽しみ方としておすすめしたい。
そのほか、妙高戸隠連山国立公園の特徴として挙げられるのが、長く雪が残りやすい多雪地域だからこそ見られる美しい湿原帯だ。火打山の山頂付近には「高谷池」という湿原があり、紅葉の季節にはまるで異世界にいるかのような絶景を望むことができる。
さまざまな魅力をもつ妙高戸隠連山国立公園のいまある自然を守っていくためには、人間の手が欠かせないという。戸隠自然保護官事務所の自然保護官である秋本紘子さんは、これからの国立公園の在り方について、こう話す。
「昨年行なわれた、繁茂した外来種の除去作業を取り入れた旅行ツアーや、妙高山や火打山の登山者に対する入域料の呼びかけなど。これらの活動を積極的に行なうことで、環境保全活動に関心がある方とともに、いまある美しい風景を継続して守っていきたいです」
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ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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