【いつか泊まりたい山小屋#45 鉢伏山・鉢伏山荘 冬期】北アルプスの絶景に会える穴場の山で冬に味わう非日常
ランドネ 編集部
- 2024年02月13日
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。45軒目は、2022-23シーズンより冬期営業がスタートした山小屋、鉢伏山荘をピックアップ。
地元民にも愛される絶景スポット鉢伏山で唯一の山小屋
八ヶ岳中信高原国定公園内にあり、美ケ原の南西、霧ケ峰の北西に位置する鉢伏山は、八ケ岳はもちろん、北アルプスやふもとの松本平を眺める絶好の山として知られている。牛伏寺や扉温泉などの登山口から日帰りで登れるという気軽さがあり、地元民にもファンが多い。鉢伏山荘は、そんな鉢伏山に建っている唯一の山小屋だ。
鉢伏山荘の特徴のひとつは、山小屋の目の前まで林道が通っていること。夏期は車で上がることもできるため、道の駅のような機能を果たす側面もある。一方、冬期は歩いて登る以外に方法がなく、これまでは山小屋もクローズしていた。そんななか、ふもとの長野県松本市在住で鉢伏山の冬をこよなく愛する奥山愛さんが「冬期も営業したほうがいい」と現オーナーに提案したことで、2022-23シーズンから冬期営業が始まったという。
ふもとの街とのつながりを感じられるグルメやグッズ
冬期の管理人を務める奥山さんは、北アルプス南部の山小屋で長く働いてきた経験をもつ。ともにこの山小屋を支えている女性スタッフの杉山さんも山小屋勤務の経験者だ。鉢伏山荘の冬期営業にはそんなふたりの経験が存分に活かされていて、限られた環境でも旅心を満たしてくれるサービスが提供されている。
たとえば夕食のスパイスカレーは、松本市に実店舗を構える人気店のレトルト商品から選ぶことができる。ご当地感があるうえ、選ぶ楽しさがあるのは食いしん坊にとってうれしいところだ。朝食の食材に地元産のものが使用されていたり、地元作家が制作した山小屋オリジナルグッズが販売されていたりするなど、山小屋のサービスを通じてふもとの街とのつながりを感じることができる。
山小屋から目指すおすすめルート【鉢伏山荘~鉢伏山 片道約20分】
天候に恵まれれば、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、そして富士山を拝める鉢伏山。鉢伏山荘から山頂へは20分ほどでたどり着けるので、日の入り、日の出と何度も足を運ぶことができる。山頂周辺はなだらかなので、写真撮影やスケッチなどをしながらのんびり過ごすもよし。
体力に自信がある人は、鉢伏山荘から南へ延びる尾根を歩き、諏訪湖と富士山の眺めがすばらしい高ボッチ山を目指してもいいだろう。体力や天候を考慮しながら、歩き方を選んでみて。
街に近い場所にありながら、雪化粧したアルプスに囲まれた非日常を味わえる鉢伏山荘。とにかく山のうえでゆっくりしたい人におすすめだ。そして一泊すればきっと、冬期の鉢伏山荘を切り盛りする奥山さんの温かい人柄に触れて「また来年も来たい」と思うはず。
鉢伏山荘 冬期
http://park10.wakwak.com/~hachibusesanso/index.html
・標高:1,840m
・営業期間:12月23~27日、1月~3月の金土日
※金曜は4名~受け入れ可能。
※貸切利用は7~10名まで可能。
※夏期営業は5月中旬~11月上旬。
・宿泊料金(税込):1泊2食12,000円
・メールアドレス: hachibuse.touki@gmail.com
※電話連絡が可能なのは営業日のみ。080-9837-0554
SHARE
PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。