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【紀伊路】いにしえの趣や歴史を残す、紀伊路の海南エリアへ|いま歩きたい熊野古道・高野参詣道

中辺路へと至る熊野古道のメインルートとして親しまれた歴史ある道・紀伊路。これまで和歌山県の古道をいくつか歩いてきた四角友里さんが、セクションハイクをした区間をおすすめします。

教えてくれたのは
四角友里さん
アウトドアスタイル・クリエイター。講演や執筆のほか、自身のブランド「MOUNTAIN DAISY PRODUCTS」のディレクターを務めるなど山の魅力を発信する。Instagram@yuri_yosumi

いにしえに思いを馳せながらの名所巡り

熊野詣の人々が、京都や大阪から熊野三山を目指し歩いた「紀伊路」。昨冬、私が訪れたのはその一部。海南駅から藤白神社、所坂王子までの6㎞ほどの道のりだ。

まずは熊野の聖域への入口、一の鳥居である藤白神社へ。詠まれた歌や残された史跡から、熊野信仰の歴史を紐解いていく。そのあとは一丁地蔵にあいさつをしながら「藤白坂」へ。竹林に囲まれ、古道の風情が残る山道を登り切り、「御所の芝」に到着。

▲紀伊路第一の難所と呼ばれる藤白坂。舗装路の多い紀伊路のなかでも古道の風情が色濃く残る。筆捨松などの遺跡も。
▲地蔵峰寺裏の御所の芝と呼ばれる景勝の地。『紀伊国名所図会』には「熊野路第一の美景なり」と称賛されている。

ここは白河上皇が熊野御幸の休息をとった跡で、和歌の浦などの絶景を愛でたのだという。いま海南の沿岸は臨海工業地帯になっているものの、淡路島、四国、六甲の山などが見渡せ、美しさは変わらぬまま。そのあとはみかん畑の山を登り下り。和歌山ならではの景色を味わった。

道中の名所にはさまざまなエピソードも。藤白神社に隣接する鈴木屋敷は全国の〝鈴木さん〞のルーツとされ、平安時代に熊野から移り住んだ鈴木一族がここを拠点に熊野信仰を各地に広めたのだそう。また、橘本神社には弥生時代にみかんの原種である橘の木を持ち帰った田道間守命が祀られている。いにしえに思いを馳せながら、現代の自分につながっているような名所巡りができるルートだ。

▲藤白神社。熊野九十九王子のなかでもとくに格式が高い藤代王子の旧址。
▲「みかんとお菓子の神様」、田道間守命が祀られている橘本神社。
▲道中のみかん畑。海南市下津町では、木造土壁の蔵で2~3カ月間熟成された蔵出しみかんが特産。
▲熊野古道や高野参詣道を楽しむアイテムのひとつ、押印帳。スタンプは王子や神社などに設置されているので、スタンプラリー感覚で集めてみよう。簡単な地図付き。

約2時間10分
海南駅
↓35分
藤代王子
↓35分
筆捨松
↓10分
御所の芝
↓25分
橘本王子
↓10分
福勝寺・裏見の滝
↓15分
所坂王子

access
行き:和歌山駅からJR紀勢本線で海南駅まで約13分。帰り:所坂王子から橘本バス停まで徒歩7分。海南市コミュニティバスでJR加茂郷駅まで約11分。JR紀伊宮原駅までのルートをたどるのもおすすめ(コースタイム約4時間45分)

周辺のお立ち寄りスポット

旬食材を山歩き後のごほうびに

JA施設を改装したカフェ。地元産食材を使った季節限定メニューも多く、山椒マヨネーズが効いたホットドッグ(1,000円)や地元豆腐店の豆乳を使ったアイスクリームドーナツ(430~480円)などが人気。

KAMOGO

住所:和歌山県海南市下津町方372-1
電話:073-488-6925
営業時間:10:00~18:00(L.O.17:30)
定休日:火・水曜

 

一組限定の貸し切り宿でくつろぐ

一棟貸しで、周りを気にすることなく楽しめるお宿。昔ながらの風情をそのままに、広々とした畳の空間でゆったりとすごせる。レンジや冷蔵庫が完備されたキッチンも魅力。併設の温泉施設あり。

うたげHANARE

住所:和歌山県海南市日方1274-76
電話:073-483-0428
定休日:なし
料金:1泊2食付28,000円~(2名~8名)

 

 


2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録された熊野古道・高野参詣道。その道に一歩ふみ入れると、人々の祈りが息づいた道や自然の壮大さに魅了されます。
ご紹介した道以外にも、熊野古道・高野参詣道には魅力的な道がもりだくさん。詳しくはこちらから▽

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ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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