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閉山を迎える尾瀬に行ってきました!|まだ知らない尾瀬ストーリー#01

“尾瀬”と聞くと思い描く景色はどんなものでしょうか?

「湿原と山と木道」という景色を思い浮かべる方が多いかもしれません。尾瀬はその景色があまりにも有名で、その成り立ちや歴史、その周辺地域のこと、そこに関わる人々のことはほとんど知られていません。じつは尾瀬には感動的なストーリーがいくつもあるのです。

尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterの私が、尾瀬のさまざまなストーリーをお届けします!

閉山を迎える尾瀬に行ってきました!

▲黄金色に輝く湿原の植物のなか、すれ違う人も数えられる程度。

いよいよ閉山まであと数日、という10月31日に尾瀬沼へ行ってきました。

紅葉シーズンも落ち着いた10月中旬ごろから尾瀬に訪れる人の数は一気に少なくなり、この日もすれ違う人は10人ほど。私は閉山前の尾瀬が大好きで、この時期になると気持ちがそわそわしだします。

この時期のすばらしさを知ったのは、シーズンの最後まで尾瀬にいることができる、ビジターセンター職員として働いていたときのことでした。早朝の霜の降りた植物たちの芸術的な姿と、太陽のあたたかい光がそれを溶かし、辺り一面がきらきら輝き出す光景。昼間でも訪れる人は少なく、ただ聞こえるのはシカのラッティングコールと風が植物を揺らす音。夕方には、冷たくなった空気と落ちていく夕陽の物悲しい雰囲気に、胸がきゅうっとしたり……。

ハイカーで賑わう時期にしか訪れたことのない方なら、きっと驚いてしまうのではないかと思うほど、晩秋の尾瀬はとっても静かです。

▲平野家のお墓にも、今シーズン最後のご挨拶。そこに生えるヤナギランは、綿毛がなくなっても芸術的な姿だった。

10月も中旬になるとSNSなどで「今シーズン最後の尾瀬に行ってきました!」という投稿を目にするようになりますが、シャトルバスの運行は一番遅いところで11月4日までとなっているため、11月もどうにか尾瀬に行くことができます。

それでもトイレなどの施設はどんどんクローズになり、なかなか足を運ぼうという気がなくなってしまいますよね……。こうしてみなさんの足が遠のいても、尾瀬では動植物たちが美しい営みを続け、雪に閉ざされる約半年間に向けて、ひっそりと準備を進めています。

▲冬支度を終えた山小屋。

もし可能であれば朝日が昇ってから、日が沈むまでずーっと景色を眺めていたい。雪に閉ざされる前にしか見られない、この特別な期間を冷たい空気で鼻をつーんとさせながら味わってほしいなと、秘かに思い続けています。

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PROFILE

HagiwaraMai

ランドネ / Oze Nature Interpreter

HagiwaraMai

尾瀬高校自然環境科の卒業生であり、尾瀬のビジターセンターや山小屋、ガイド団体で働いた経歴をもつ。現在は、尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterとして尾瀬とその周辺地域の知られざるストーリーを伝える活動をしている。

HagiwaraMaiの記事一覧

尾瀬高校自然環境科の卒業生であり、尾瀬のビジターセンターや山小屋、ガイド団体で働いた経歴をもつ。現在は、尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterとして尾瀬とその周辺地域の知られざるストーリーを伝える活動をしている。

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