音と緑と街との関係 from ototabito #2-3【北海道大樹町｜晩成温泉】

ランドネ本誌で連載を続けるミュージシャンのKeishi Tanakaさん。2024年6月から、連載のシーズン3として「音と緑と街との関係」をスタート。本誌ではKeishiさん本人とその街との関係について読むことができます。そして、こちらのWEB版ではさらにおすすめのスポットを3回に分けて紹介してもらいます。

Keishi Tanakaさんの連載が掲載されている最新号は、こちら！
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海の近くの極楽湯

僕の地元の最終回。大樹町は東に太平洋、西に日高山脈があり、十勝平野の南部で海と山に囲まれた場所にある。人口は少ないが、自然は豊かで穏やかな町だ。中心街から東に20キロほど行くと海に出るのだが、そこに今回紹介する3つ目のおすすめスポット、海の見える温泉「晩成温泉」がある。

温泉には大きな窓があり、目の前は海である。リニューアルをしているので、温泉内は僕の子どものころの記憶とは異なるが、それでも窓の外の景色はあのころのままだ。

温泉に浸かりながら見る朝日はまた格別。毎年恒例の元日営業（2025年はリニューアルのためお休み）も人気だ。近くには宿泊施設やキャンプ場もある。

泉質は国内でも珍しい「ヨード泉」。抗菌効果や保温効果が高く、肌に良いとされているため、美肌効果への期待や治療として全国から訪れる人も少なくない。

冬はもちろん雪景色。近くでできるワカサギ釣りも人気だ。

都会と違い新しい刺激が溢れているわけもなく、お店の数も限られている。観光地として全国に名前を知られているわけでもない。大きな北海道にある小さな町のひとつではあるが、そこには暮らしがあり、豊かな心を持って生活している人がいる。生まれた町だからわかること。だれもが持つ故郷への想い。ランドネ本誌とこのWEB版の記事たちが、そのことを思い出すきっかけになることを願う。

晩成温泉
https://www.town.taiki.hokkaido.jp/soshiki/kikaku/shoko/bansei_onsen.html

ototabito（オトタビト）

音楽をきっかけとした、自然と街、そこで暮す人たちと出会うアウトドア旅を提案。アーティストが、自身の音楽とつながりのある街と思い出の場所を紹介します。https://funq.jp/randonnee/ototabito

Keishi Tanaka

1982年11月3日 北海道生まれ。ミュージシャン。弾き語りから大所帯のバンドセットまで、観る人や場所を限定せずに活躍中。10人編成のワンマンライブを収録したライブ盤が発売になったばかり。1月29日にはニューアルバム『Like A Diary』の発売も決まっている。