北八ヶ岳のふかふか雪を楽しむ、親子でゆるハイク旅|私の冬の山の楽しみ方
二宮 菜花
- 2024年12月18日
東京で凍えるような寒さを感じると、「きっと山のほうでは雪が積もっているんだろうな」とか「そろそろ、ふかふかな雪の上を歩きたいな」などと冬の山への想いが強くなります。
昨年の冬、もうすぐ2歳になる娘が自宅の駐車場にうっすら積もった雪でキャッキャッとうれしそうに遊んでいる姿を見て、「これは山にたっぷり積もった雪で遊ばせてあげたいぞ」と強く感じ、急きょ雪山行きを決定。
ちょうど大学の後輩たちからも「ゆるく北八ヶ岳を歩きませんか?」と誘いを受けていたこともあり、われわれ家族と後輩たちの5人で北八ヶ岳ロープウェイを目指しました。ここでは、昨年の冬に北八ヶ岳をのんびり歩いたようすをお届けします。
ロープウェイを使って標高2,000mの世界へ。大人も子どもも楽しい山の雪あそび
まず、わが家では小さな子どもを山に連れていく際に、以下のことに気を付けています。体調は万全か(睡眠不足ではないか、ごはんをしっかり食べているかなど)、忘れ物はないか(山の装備はもちろん、おむつやおやつなどの必携品も)、終日天気はいいか(晴れていても風が強くないかなど)。
この3つのうちひとつでも不安に思うことがあれば、その日の山行は見送るか、条件に合う山に変更します。たとえ万全な状態で山に出かけられたとしても「山ではなにが起こるかわからない」ということを念頭に置きながら行動するのが鉄則です。
……と、前置きが長くなってしまったのですが、当日は体調よし!忘れ物なし!天気よし!とありがたく三拍子揃ったので、予定通りみんなで北八ヶ岳ロープウェイへ。
ロープウェイを使って一気に2,000mまで標高を上げると、期待どおりの美しい雪の世界が私たちを待っていました。ざくざくと雪上を踏みしめる、ひさしぶりのこの感覚が気持ちいい。
冷たく透き通った空気のなか、一歩一歩、歩みを進めていくと次第に体がぽかぽかと温まっていき、頬をピンクに染めて真っ白な息を吐きながら家族や仲間と会話を楽しむ、冬の山ならではの時間です。
風も穏やかでそれほど寒さを感じなかったので、往路は山頂駅~縞枯山~茶臼山~麦草ヒュッテの縦走コースを歩くことにしました。
縞枯山を下って茶臼山を登り返すパートがベビーキャリアで子どもを背負いながらだとなかなかきつく、大汗をかきながら必死になって登りました。登る直前に夫のバックパックと交換してもらえばよかったとひどく後悔……。
けれど、茶臼山の展望スポットから北八ヶ岳の森を見下ろす絶景に出会えた瞬間にそんな疲労も吹っ飛んでしまいました。テンションが上がって思わずみんなで「やっほー!」と大きな声をだしてしまったほど。
ゆっくり歩いて3時間ほどで麦草ヒュッテに到着。お待ちかねのランチタイムでは、かき揚げうどん(840円)を注文。“ちゅるちゅるめんめん”が大好きな娘といっしょにフーフーしながら「いただきます!」。うまみが効いたつゆと、のどこしのいいうどんが歩いてきた体に染み渡り、あっという間に完食です。
お腹が満たされたら、山小屋の前で雪遊びの時間。素手で雪を触りたい娘は手袋もつけずに大はしゃぎ。雪の上に絵を描いてみたり、雪玉を作って投げてみたり、小さな雪だるまを作ってみたり……。遊んでも遊んでも、ありあまる雪に終始大興奮の娘でした。
帰路はメルヘン街道~出逢いの辻~五辻~山頂駅を歩く最短コースで。2時間ほどであっという間に北八ヶ岳ロープウェイに到着。
「もう少し森歩きを楽しみたかったね~」と、みんなで口にしていたけれど、この充実感に満ちたなかでの“物足りなさ”がまた山に訪れたくなる理由のひとつでもある気がします。この記事を書きながら「次はどの山を歩こう?」と思いを巡らせる私なのでした。
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PROFILE
ランドネ / 編集部(ADDIX)
二宮 菜花
ランドネ編集部いちの食いしん坊。山でいただくごはんが大好きで下山後に体重が増加していることがしばしば。体育大学のワンダーフォーゲル部出身ということもあり、トレイルランニングのレースに出たり、パックラフトで川を下ったり、ときどきアクティブな一面も。2歳の女の子を子育て中で、親子ハイキングの楽しみ方を模索中。
ランドネ編集部いちの食いしん坊。山でいただくごはんが大好きで下山後に体重が増加していることがしばしば。体育大学のワンダーフォーゲル部出身ということもあり、トレイルランニングのレースに出たり、パックラフトで川を下ったり、ときどきアクティブな一面も。2歳の女の子を子育て中で、親子ハイキングの楽しみ方を模索中。