
登るほどに増えていく山の思い出と手ぬぐい|編集部員の山のお買いもの

安仁屋 円香
- 2025年01月21日
手ぬぐいの良さに気が付いたのは、正直、山登りを始めてから。その歴史は、奈良時代まで遡るそうだが、自然のなかでの遊びでは、ときどき古くから行なわれてきた手法や道具などが、結局のところ一番良いという事実に直面することは少なくありません。
山の思い出と重なるお気に入りの3枚
そのひとつが、手ぬぐい。江戸時代にはいまとほぼ変わらない大きさで、入浴の際に使用したり、日よけ用の暖簾にしたり、頭巾や前掛けにしたりと、当時の人々の暮らしに欠かせないものだったのではないかと想像します。一枚で、何役もこなす手ぬぐいは、山歩きにも欠かせないアイテム。また山のお土産として、多くの山小屋がオリジナル手ぬぐいを販売しています。使うたびに、その山での記憶を呼び起こすこともできる。ここでは、最近見つけたお気に入りの手ぬぐいを、おすすめルートとともに紹介します。
尾瀬の手ぬぐい
尾瀬で駆除・捕獲されるシカ問題と向き合いながら、製品づくり等を行なう「おぜしかプロジェクト」のオリジナル手ぬぐい。風合いのあるオーガニックコットン100%の生地に描かれているのは、版画家・結城幸司さんがデザインする「熊王子と鹿王子とかえる姫のモノガタリ」。群馬側から入山するときのメイン登山口・鳩待峠の売店で購入。
(おすすめルート)鳩待峠~山ノ鼻~尾瀬ヶ原~龍宮~見晴(1泊/山小屋泊)~白砂峠~尾瀬沼~大江湿原~三平峠~一ノ瀬~大清水
※尾瀬ヶ原の真ん中に建つ龍宮小屋に1泊し、朝晩の湿原の風景を満喫して往路を戻るルートもおすすめ。
黒湯温泉の手ぬぐい
十和田八幡平国立公園内の乳頭山のふもとに広がる、乳頭温泉郷。その最奥にあり、およそ350年前に源泉が発見されたといわれる黒湯温泉のオリジナル手ぬぐいは、秋田県生まれの版画家・勝平得之氏がデザインを手がけ、黒湯温泉を象徴する「打たせ湯」が描かれている。宿に長く滞在しながら、この手ぬぐいを持って、温泉と山を行き来するのがおすすめの楽しみ方。
(おすすめルート)駒ヶ岳八合目~笹森山~笹森山コース~ブナの原生林~休暇村バス停~黒湯温泉
※笹森山から休暇村バス停までは、ヤブが茂る箇所もあるため、登山道から外れないよう地図を確認しながら進もう。クマ鈴やクマ除けスプレーの携行を。
大日小屋の手ぬぐい
富山市内にある工房で、アコースティックギター制作を行なうギター職人の顔をもつオーナーが営む大日小屋。食堂にはギターが飾られ、食事のあとにはギター演奏会が行われることも。そんな小屋を象徴するギターをモチーフにしたオリジナル手ぬぐい。部屋の壁に飾っても絵になる手ぬぐいは、北アルプスの奥地に建つ山小屋に広がる“あたたかさ”を思い出させてくれる。
(おすすめルート)室堂~雷鳥沢~新室堂乗越~奥大日岳~大日小屋(1泊)
※2日目は往路を戻るのもよし。体力に自信のある人は、大日平山荘を経由して、立山の地形と絶景を目の当たりにすることができる、称名滝に下りるルートへ。
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PROFILE

ランドネ / 編集部(ADDIX)
安仁屋 円香
旅と山歩きをミックスした“山旅”が定番のスタイル。訪れた土地で見つけたお土産(コーヒー、布のもの、クラフトビール、郷土玩具、焼き物など)をたっぷりと買いがち。クルマ、スノボ、白濁した温泉も好き。ホームマウンテンは尾瀬。
旅と山歩きをミックスした“山旅”が定番のスタイル。訪れた土地で見つけたお土産(コーヒー、布のもの、クラフトビール、郷土玩具、焼き物など)をたっぷりと買いがち。クルマ、スノボ、白濁した温泉も好き。ホームマウンテンは尾瀬。