new balance(ニューバランス)を歴史や名作、テクノロジーから振り返る|ランニングシューズブランド名鑑
RUNNING style 編集部
- 2020年03月15日
矯正靴の技術をルーツに持ち医者や著名人にも愛される「new balance(ニューバランス)」
由来は履いた人に「新しいバランス感覚」を提供する
1906年にマサチューセッツ州ボストンで創業したニューバランス。当社は偏平足を治療する矯正靴やアーチサポートのメーカーとしてスタートした。社名の由来は、履いた人に“新しいnew、バランスbalance“感覚を提供することから。足の解剖学的な知識、整形外科や運動生理学への深い理解があってこそ可能となる矯正靴の製造、このノウハウをもとに、 1938年に初のランニングシューズを製造。しかしあくまでオーダーメードで、同社が本格的にスポーツシューズ製造に参入したのは’60年代に入ってから、足長だけでなく足囲(ウイズ)のサイズも選択可能なトラックスターを発表したことに遡る。
ジェームス・S・デービス自らが走りシューズを開発
1972年になると、6名の従業員と日産36足の生産規模であったニューバランス社を、一人の青年が買収。青年の名は、ジェームス・S・デービス。現New Balance Athletics Inc.取締役会長である。理想のランニングシューズを実現するために、自ら走ることで開発に従事した彼は、独創的なシューズコンセプト、インステップレーシングを確立。アッパーの中足部にシューレースを集中させることで、足首と踵部分の高いフィット性と比類なき前足部の屈曲性を兼ね備えることに成功した。
このレーシングシステムを採用した320やコンプ100は、1975年のニューヨークシティマラソンを始めとした数々の著名レースで好成績を収め、このテクノロジーの優秀性を証明した。さらに1982年にM990、1985年にM1300といったプレミアムなランニングシューズをリリース。そのタイミングにおける同社が保持するテクノロジーを1足に結集することで、足の保護性能は他社の追随を許さないレベルに到達していた。
スティーブ・ジョブズなど著名人が愛用しファッションアイコンにも
それもあって、ニューバランスのランニングシューズは、ランニングによって体調管理を行いたいと考える弁護士、医者、政治家、著名企業のエグセクティブから高い支持を受けることで知られており、第42代アメリカ合衆国大統領ビル・クリントンもその1人だ。一方で、その快適な履き心地はライフスタイルシーンでも愛されており、アップルコンピュータの創業者であるスティーブ・ジョブズは、生前、同社のM991、M992と黒のタートルネックをいつも着用していたのは有名。
そんなニューバランスだけに、日本ではパフォーマンスシーンよりもファッションシーンでの露出が多くなりがちだが、最近はニューヨークシティマラソンやロンドンマラソン、日本でも名古屋ウィメンズマラソン、湘南国際マラソンのスポンサーに名を連ねるなど、シリアスランナーへのアプローチも忘れていない。
new balance(ニューバランス)ランニングシューズ名鑑
1976|M320
1982|M990
1985|M1300
1985年当時のランニングシューズの基準を大きく超越した存在
1988|M576
主戦場をストリートに変え現在も高い人気を誇る稀代のロングセラー
1988|M996
1989|M1500
1994|M1400
さまざまな諸事情が絡み、発売中止が発表され、一旦はお蔵入りになった逸話をもつ名作
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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。
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