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new balance/M1300(ニューバランス/M1300)1985|ランニングシューズの礎を築いた“名作”たち

1985年当時のランニングシューズの基準を大きく超越した存在

5年に1度だけ復刻される史上屈指の名作

小学生の頃、クワガタムシ捕りに夢中になった。自宅から少し離れた山の雑木林まで自転車で走り、クヌギの木の樹液が大量に出ている場所に苦労して辿りつく。木々の隙間からの日光に照らされた、大量のクワガタムシ、カブトムシ、カナブン、スズメバチが樹液を吸っているシーンは、今も脳裏に焼き付いているし、あの高揚感は忘れられない。

そして、それと似た感覚をそれから十数年後に味わうことになる。それが珍しいスニーカーを探し出すという行為である。その探索は日本国内のみならず、世界中の街で行ったが、古びたスポーツショップや靴店で目当てのスニーカーを発掘したときは、少年の頃のあの感覚そっくりだった。

どうしてこんな書き出しになったのかというと、5年に1度だけ復刻されるニューバランスのM1300と、オオクワガタの存在が似ていると思ったからだ。ニューバランスのM1300といえば同社の技術の粋を結集して開発され、1985年にリリースされた当時のランニングシューズの最高峰。アメリカで130ドル、日本で3万9000円という高価なプライスも注目を集めたが、ミッドソールのENCAPテクノロジーがクッション性、安定性を高次元で追求していた点や、アッパーに使用されたヌバックの高品質ぶりも話題となったランニングシューズ史上屈指の名作である。

ランナーのみならずスニーカーフリークも魅了

このモデルはランナーのみならず、スニーカーフリークも魅了。ニューバランスジャパンはこの人気に応えるかたちで、1995年以降5年に1度復刻してきた。筆者も復刻モデルを保有しているが、その重厚感のある雰囲気は他のスニーカーでは決して得ることはできないし、さまざまなスタイルにマッチする高い汎用性も大きな魅力だ。そして、2015年の3月にも当時のディテールを忠実に再現した復刻モデルが登場。3万円を超えるプライスにもかかわらず早期の完売が予想されるなど注目度は高かった。

いっぽうでオオクワガタは、その立派な体躯に似合わず臆病で、木の穴に隠れていることが多く、捕獲が困難だった。そのことから一時期はサイズの大きなものが10万円以上で取引されたこともあった。実際、自分の周囲で捕獲できたのは九州の両親の実家で捕まえたという友人1人のみ。その黒々とした色艶、風格のある大アゴは、小学生の頃の自分を魅了するのに充分だった。あれから30年以上が経過し、オオクワガタのほうは養殖技術が発達したことによって相場はかなり下がったが、あのバランスの取れたフォルムを気軽に手にすることができる現代の子供は本当に幸せだと思う。

M1300のほうは5年に1度の少量リリースということで、スニーカーフリークの需要を完全に満たしているとは思えないが、こういったプロダクトは必要とされる数量だけ供給するのはブランドマーケティング上、決して得策とはいえない。そのため、毎回市場では不満の声が上がるが、スポーツシューズブランドでプロダクト担当をしていた立場からすると、これは仕方ないと思う。復刻版を入手できた人は、大切に履いてもらいたい。

ちなみにほかの人気スニーカーをクワガタムシに例えると、ポピュラーだが入手はそこまで困難ではないナイキ エアマックス’95は、ノコギリクワガタ。ちょっぴりマニアック要素のあるリーボックのインスタポンプ フューリーは、ミヤマクワガタだと思う。

column

M1300の復刻は箱のディテールにもこだわっている。上が2005年、下が2010年の箱だが、いずれも蓋と収納部が分離する、当時と同じデザインを採用している。

new balance(ニューバランス)を歴史や名作、テクノロジーから振り返る|ランニングシューズブランド名鑑

new balance(ニューバランス)を歴史や名作、テクノロジーから振り返る|ランニングシューズブランド名鑑

2020年03月15日

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RUNNING style 編集部

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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。

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