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NIKE/AIR PRESTO(ナイキ/エアプレスト)2000|ランニングシューズの礎を築いた“名作”たち

アフターラン向けに初めて開発された、歴史的なプロダクト。

「足のためのTシャツ」は意外なシーンでも活躍

ランニングカテゴリーにラインアップされたシューズは、当たり前だが、そのほとんどが走ることを主眼に開発されている。しかしながら、2000年にリリースされたナイキのエアプレストは、そうではなかった。アフターラン、すなわち走ったあとに足をリラックスするためにデザインされていたのである。

このシューズをデザインしたのは、数々のナイキの名作をクリエイトしてきたティンカー・ハットフィールドの弟で、現在アスリートイノベーションのシニアディレクターを務めるトビー・ハットフィールド。彼は一般ランナーからの「足とシューズが喧嘩するようではいけない、つまりフィット性がとても大事である」ことと、「スリッパのように快適なシューズが欲しい」ということを具現化すべく、これまでにないレベルのフィット性と快適性を両立したシューズの開発をスタートさせる。そして、いくつものステップを経て完成したのがエアプレストである。

通気性と伸縮性に優れたスペーサーメッシュのアッパーは快適な履き心地を提供するだけでなく、従来のUS8(約26.0cm)のようなサイズ表記はせずに、XS、S、M、Lのといったサイズ展開で、「足のためのTシャツ」というコピーのごとく、たとえばSならUS7~US9のように、複数のサイズに対応することにも大きく貢献した。

この複数のサイズに対応するという汎用性の高さは、一般のユーザーだけでなく、意外なシーンでも活躍することになる。2000年に行われたシドニー五輪のボランティアに、このエアプレストが支給されたのである。たとえハーフサイズぶんでも、自分の足に合わないシューズを履くことは不快極まりないが、伸縮性に優れたアッパーマテリアルを使用したエアプレストは、複数のサイズに対応することから、支給したあとのサイズ交換が通常よりもかなり少なかったという。

疲労回復を主眼においたシューズは様々なスポーツで重宝

筆者は広告ビジュアルにもっとも登場していたヒーローカラーのブラック/イエローをはじめ、実際に何足か購入したが、これが本当に快適で、ランニングや野球のあとのアフタースポーツはもちろんのこと、カジュアルシーンでも重宝した。エアプレストはこの当時、エアクキニ、エアズームヘイブン、エアズームサイズミック、エアスーパーフライといったモデルとともにスニーカーブームを牽引する存在となり、2002年頃まで、エアプレストおよびプレストチャンジョといった系列モデルは、ストリートシーンにおいても高い人気をキープしていた。

そして、このモデルで個人的に記憶に残っているのが、TBS系音楽番組「うたばん」で、歌手のソニンが生まれ故郷の高知から祖国の韓国までの560kmを走るという企画において、このエアプレストを履いていたこと。走っている途中で「足が痛い!」と叫ぶ彼女の足元が大写しになったときに登場したのがこのモデルで、画面に向かって「それはダメだ!」と思わず叫んでしまった。

このケースは、どんなに優れた機能を有するシューズも、用途を間違えたら本来のパフォーマンス性能を発揮できない典型的な例である。エアプレストは前述のとおり、ランニングのために設計されたシューズではなく、あくまでスポーツのあとに着用して足をリラックスさせ、効率的な疲労回復を追求したモデルなのである。

column

ストリートシーンで高い人気をキープするエアプレスト。写真はアッパーにフライニットを使用したエアプレスト ウルトラ フライニット。

NIKE(ナイキ)を歴史や名作、テクノロジーから振り返る|ランニングシューズブランド名鑑

NIKE(ナイキ)を歴史や名作、テクノロジーから振り返る|ランニングシューズブランド名鑑

2020年03月16日

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RUNNING style 編集部

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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。

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