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スポーツが地方を元気にする! 注目を集めるスポーツツーリズムとは?

地方創生のカギはスポーツ?!

2月5日(水)~7日(金)に「第3回地方創生EXPO」および「第3回スポーツビジネス産業展」が開催された。この2つの展示会が同時に開催されるのは3回目で、足を運んでみて改めて感じたが、この両者はとても相性がいい。地方はスポーツイベントを誘致して観光客を呼び込みたいし、スポーツ団体・イベント主催者は地元住民や企業を巻き込みたい。展示会主催者によると、出展数も回を重ねるごとに増え続け、次回も規模を拡大して開催する予定だという。そこで、この2つの展示会からスポーツと地方創生を結びつけようとする試みを探ってみた。

スポーツと地域を結ぶテクノロジー

地方に拠点を置くスポーツクラブやイベント主催者は、集客やスポンサー獲得に苦戦するところが少なくない。そんなスポーツ団体をサポートするために富士通が開発したサービスが「SmaSpo@」だ。同社は「選手が強くなれば、その選手を応援する地元も元気になる」という思いのもと、AI画像解析などのテクノロジーを使ってスポーツ選手のサポートも行っており、すでにそれらの技術を活用した自動採点支援システムが世界体操競技選手権大会の体操男女計5種目で採用された実績を持つ。

「SmaSpo@」はスポーツ団体やイベント主催者と、地域を繋げることを目指して開発された主催者向け事業支援サービス。一般ユーザーは、専用アプリを利用してチケットの購入や来場者向けイベントの参加、映像配信、周辺飲食店のクーポン配布などを利用することができる。いっぽう主催者側は運営の効率化はもちろんのこと、協賛スポンサー向けに参加者データなどマーケティング支援が可能だ。すでに、同社のアメリカンフットボールクラブや、地方に拠点を置くサッカークラブ、トライアスロン大会などが活用しているという。このサービスは小・中規模のユーザーを想定して作られているそうで、そんなところもスポーツと一緒に街の活性化に向けて歩みたいと考えている地方自治体にはぴったりではないかと思う。

飽和状態のマラソン大会は“違い”を作り出せるかが重要に

ランニングブームによって今では全国各地でたくさんのマラソン大会が開催されているが、タイム重視の大会ばかりではない。自動車専用道路のため普段は走ることができないアクアラインがコースの「ちばアクアラインマラソン」や、“給水所”ならぬ“給スイカ所”が名物の「富里スイカロードレース大会」など、人気のあるマラソン大会は+αが魅力的だ。スポーツというコンテンツだけでは集客が難しい昨今、地方が持つ観光資源を上手に使い顧客満足度を上げていくことが、地方スポーツに求められているといえそうだ。

スポーツツーリズムで訪日観光客を取り組む動き

2019年に開催されたラグビーワールドカップは、観客動員数1,704,443人、経済波及効果4,372億円(※組織委員会発表資料より)という数字もさることながら、1人当たりの旅行支出が385,000円(※観光庁発表)と、通年の訪日観光客の約2.5倍となり、スポーツを通しての旅行にはより多くの消費をすることが分かった。ラグビーを観戦しながら、試合のない日は移動がてら日本観光を楽しむ人も多かったようだ。

2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催される。観戦者は約1000万人と予想され、観戦を目的とした外国人も多く来日するだろう。観光立国を目指す日本ではラグビーワールドカップと東京オリンピック・パラリンピックを起爆剤として大会後も継続的な訪日観光客の増加を狙っており、この課題を見越して2016年3月にスポーツ庁と文化庁及び観光庁が、スポーツ文化ツーリズム推進のため包括連携協定を締結。戦略の柱となっているのが「スポーツツーリズム」だ。

スポーツツーリズムの潜在能力は非常に高い

「地方創生EXPO」の専門セミナーで登壇した一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構(JSTA)事務局長の中山哲郎氏は講演のなかで、訪日外国人の「爆買い=モノ」から「体験型=コト」へと消費マインドが変化したことを挙げ、日本が持つ豊かな自然・文化を体験してもらうスポーツコンテンツを生み出すことにより、地方創生の可能性を大いに秘めていると語った。

スポーツツーリズムとは、スポーツ観戦や大会参加を主な目的として、その周辺の観光を組み合わせて楽しむ旅行のことを指しているが、中山氏によると範囲はもっと広い。海や山、川などの自然資源を活かしたアクティビティを体験する「アウトドアツーリズム」や、整備された風光明媚なサイクリングルートを旅する「サイクルツーリズム」、ニセコや白馬などに代表されるスノーリゾートを満喫する「スノーツーリズム」など様々なコンテンツが存在する。スポーツ庁が行なった「スポーツツーリズムに関するマーケティング調査」(2018年3月)では、日本のスキー場の数は世界1位、ゴルフ場の数は3位、海岸線の距離は世界6位、そして日本の島の数は6,852、山の数18,000など、日本が持つスポーツツーリズムの潜在能力は非常に高い。

様々なスポーツツーリズムの中でも自然や日本文化を長期間に渡って体験する「アドベンチャーツーリズム」は今後力を入れていきたい分野だという。付加価値の高い魅力的なコンテンツ作ることができれば、海外からの富裕層を取り込むこができるからだ。例えば古くから信仰の場として地元の人たちが大切に守ってきた熊野古道は、ここ数年で訪れる外国人が急増している。かつての日本人が何日もかけて巡礼したように、訪れる外国人はバックパックを背負い、異文化を感じながら特別な体験を楽しむ。

外国から訪れる人々が日本に何を求めているのか? 訪日観光客が増えるこれからは日本の魅力を再発見できる大きなチャンスであり、スポーツと地方創生をつなぐ動きは加速していくだろう。

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RUNNING style 編集部

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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。

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