東京湾のタチウオジギング ~その魅力とタックルセレクト編~
SALT WORLD 編集部
- 2020年10月18日
東京湾で古くから多くのオフショアルアーアングラーが楽しんできたライトジギングといえば、タチウオとシーバスと言えるだろう。今回は、夏から晩冬までロングランで楽しめる、タチウオジギングについてまとめたい。
タチウオシーズンとシーズンによるサイズ
東京湾のタチウオは、ジギング、そしてエサ釣りともに人気があり、狙っている遊漁船も多い。釣果がまとまって出始めると、各船はポイントに集まり、その船団は船と船がぶつかるのではないかというほどになる。タチウオジギングが人気の理由は、まず「上手い人と、そうでない人との釣果の差が出る」ということ。だからこそ夢中になるのだ。
そしてあの細い姿からは想像できないほどの力強い引きである。ジギングの場合は、ジャークしている途中に、何かにジグが掛かってしまったのでは? と思うほど、ドスンとロッドに重みが伝わる。その引き心地から、ハマってしまう人が多い。また食べて美味しい、捌くのが簡単というのも理由のひとつだろう。
そんな東京湾のタチウオシーズンは、夏と冬に分けられる。夏~冬の間には、釣果が厳しくなる時期が少しあるのだが、最近では夏場に釣果の盛り上がりがあり、そのまま何だかんだとポツリポツリと釣果得つつ、冬のタチウオへと移行していく感じがある。これは厳しい時期でも狙い続けている船があるからと言える。しかし、安定した釣果ということを考えると、盛期といえるのは、やはり夏と冬といえる。
この2つのシーズンの特徴としては、まず夏は水深が浅く、数釣りができ、サイズは指3〜4本の中型が中心。時折、指5本クラスの良型も上がるが、平均すると大型の数は少ない。
主なポイントは、千葉県側の大貫沖から竹岡、金谷沖などの水深60mまでのライン。神奈川県側だと本牧沖から猿島沖、走水沖などの水深60mより浅い水深で狙うというのが例年のパターンとなる。だが時には群れを探して、それ以外の場所や、60mよりも深い場所を探ったり、浅い場所では15mより浅いポイントを探ることもある。
一方、秋から冬にかけては、どんどん水深が深くなっていく。秋のシーズンスタートは、本牧沖の60m付近を探ったりするが、本番となりまとまった釣果を得られるようになるのは、観音崎沖の80m前後のポイントだ。この観音崎沖で群れが溜まると、良い釣果が期待できることが多い。
その後、久里浜沖の水深130m、150m、170mといったポイントも探ることがある。ちなみにこの冬のタチウオは、平均してサイズが良いのが特徴。数は夏のようにはいかないが、4〜5本といったサイズが多くなることから、多くのアングラーが各船宿に押し寄せるのだ。
タックルはベイトタイプ、太いリーダーが基本
タックルは、タチウオやシーバスを想定したクラスのライトジギングロッドに、ベイトリールのセットが基本となる。タチウオは、フォールでアタってくることも多く、ベイトリールのほうが、その構造上からフォール中の変化を把握しやすいからだ。対応ジグウエイト200g、180gといったモデルのロッドをセレクトすると、夏、冬ともに使い勝手が良い。
ラインはPE0.8号、1号が基準。リーダーはフロロカーボン30lb、40lb、50lbなど歯によるダメージを考え、少し太めのものを接続する。
20lbクラスのリーダーの先に、40lb、50lbなどのリーダーを40㎝ほど結束してラインブレイクを防ぐ方法もある。この時には、オルブライトノットなどで結束している人が多い。また30lbのリーダーを接続し、キズが入ったらすぐに結び直すという方法を取っている人もいる。
ちなみに、50lbなどの太いリーダーを使っていても、切られるときは切られる。いきなりスッと軽くなり「あれ~」となる。だからといって、ワイヤーリーダーを使用すると、シビアな状況では食いが悪くなってしまう。そのためにも、できる限り上へ上へとジグを動かし、できるだけリーダーを噛まれないようにしながら攻略するのがベストだ。
探り方の基本は、船長から指示されたタナにしっかりとジグを通すこと。そのためにも10mごとでカラー分けされているPEラインを使用すること。最近では、リールにカウンターが付いているモデルもたくさん発売されており、その数値を目安にするのも良い。
一方、キャストして探るような場合は、ラインが斜めに出ていくことで、ジグがどのあたりにあるか分かりにくい。ジグの着底からカウントダウンして落とていき、アタリのある層を把握することもと必要だ。
ちなみに浅い水深の場合は、ジグをキャストして広く探ったり、バイブレーションやワンド釣法などで探るのも効果的。キャスティングを多用する場合は、スピニングタックルをセレクトしても良いだろう。
使用ジグ形状とウエイトジグは多めに用意したい!
ジグは、左右に飛ぶような性能のものは、タチウオの捕食ミスによりラインブレイクの可能性が高くなるので、ショートタイプで、ジャークすると小刻みに動き、縦に動かして誘えるものが良い。
またフックは、テールにタチウオ専用のトレブルフックや、通常のトレブルの細軸のものを装着する。アシストフックも、タチウオ専用のシングルアシストや、タチウオ専用のダブル、トレブルフックをスイベルで装着するのが一般的となっている。
ジグウエイトは、夏は先に述べたように、浅場がフィールドになるため80〜130gほどがメイン。ジグウエイトは船宿によって皆で合わせて使用することもあるので、釣行前に船宿に確認して準備すると良いだろう。
また冬場は、深い場所、潮の速い場所を想定して、130g、150g、180g、200gなど、幅広く用意しておきたい。リールも、200mの深場を探ることもあるので、最低でも300mは巻いておくのが基本。ラインクロスなどでPEラインに傷が入り、PEラインの途中で切れる高切れが起こると、300m入れていたラインでも、切れてからはボトムまで沈められなくなってしまうこともある。そのためにも予備のタックルがあるとベストだ。
そして何よりジグは多めに用意すること。まずタチウオは、色によって釣果の差が出やすい。より多く釣るためには、その時に何色がベストか探っていく必要がある。ゴールドベースが基本となるが、シルバーベースが良いときもあり、ゴールドでもシルバーでもなく、ピンクや紫が良いときもある。さらにラインブレイクでロストする可能性もあるため、各サイズで数カラーずつ、多めに用意しておくのが良いだろう。
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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