マッチザベイトって何?【ソルトワールド基礎講座】
SALT WORLD 編集部
- 2024年03月24日
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ルアーを自然のベイトに近づけること
ルアーフィッシングやフライフィッシングにとって「マッチザベイト」は重要なキーワード。すでにキャリアを積んでいるアングラーなら常に意識しているファクターであり、まだ始めたばかりのアングラーでもその言葉は耳にしたことがあると思います。
マッチザベイトを簡単に言うと、その場にいるベイト、あるいはターゲットが実際に捕食しているベイト(エサ)にルアーやフライをマッチさせることで、より確実にヒットに導くこと。ただしそれは、本物のベイトにそっくり似せるということではありません。ベイトの何にルアーをマッチさせるかということが非常に大切です。
また、例えばシーバスフィッシングではレッドヘッドのプラグ、ジギングではピンクなど、自然の小魚とは似ても似つかない色が定番のヒットカラーになっていますし、エサ釣りでもイクラ、サシ、練り餌などその場に存在しないものがエサとして使われることも多々あります。つまりマッチザベイトは、いつでもどこでも必ず実践しなければいけない…というものでもないのです。
では、マッチザベイトはどんなときに意識すべきか? 次にそんなことを考えてみましょう。
マッチザベイトが生きる条件
マッチザベイトを考えるうえで最初に知っておきたいのは、魚たちが何を基準にエサを選ぶのかということ。実はその答えは単純で、「そのとき身の回りにたくさんいて、最も食べやすいもの」です。
自然界の生き物は常に食べ物に恵まれているわけではなく、食える時に食えるものを食うのが原則。私たち人間のように、名店の美味しい料理を求めてわざわざ遠くまで出かけることはなく、「昨日はイワシを食べ飽きたから明日はイカが食いたい」などという発想もありません。あくまでも前述の原則に従って、身近にいるものを食べるのみ。そのためエサが少ない時に釣れた魚の胃袋には大小雑多な小魚が見られますが、イワシの大群のなかで釣れた魚の胃袋はイワシでいっぱいです。
当然、マッチザベイトが生きるのは後者の条件。特定のベイトが大量にいるとき、魚の食性はそれに支配されるのです。
マッチザベイトのファクター
私たち釣り人は、季節的な要因や釣り場の近況などからだいたいのベイトを想定して準備していくわけですが、その際に考えておくべきファクターがいくつかあります。
ひとつはベイトのシルエット。実際に食われているベイトのフォルムとサイズ感に、ルアーを近づけることです。これは色や模様よりも優先順位が高く、仮に今、ターゲットが15cmのイワシを食っているとして、手元にリアルなイワシカラーで20cmのルアーと、色はピンクだけど15cmのルアーがあったら、後者からスタートするのがセオリーというわけです。
もっとも、数いるイワシの中でルアーが埋もれないよう、あえてサイズ違いや色違いを投入するケースもあるので、ヒットがなければいろいろ試し、魚が反応するサイズを探すのがベターです。
二つ目はベイトまでの距離とレンジです。シルエットやカラーがピタリと合うルアーでも、ナブラまで届かなかったり、ターゲットの捕食レンジと合わなかったりするルアーではヒットの確率は半減してしまいます。ベイトがいるのは水面なのか水面直下なのか、あるいはボトムなのかを見極め、その距離とレンジで魚を誘うことができるルアーをチョイスします。
特殊な例としてターゲットがシラスのような極小ベイトを偏食しているケースがありますが、こんなときはバケ付きのフックを使用して、ハリ自体に食わせるのもマッチザベイトのひとつと言えるでしょう。
マッチザベイトの実例
ソルトウォーターのゲームにおいてマッチザベイトの実例を挙げると、別の項目でも紹介したイカナゴパターンのジギングや、秋口に起きるタチウオパターンのジギング、キハダマグロのイワシダンゴ狙いやシーバスのコノシロパターンをはじめ各地に様々なパターンが存在します。
どのパターンにおいても、重要なのは色や模様がベイトにそっくりなことではなく、シルエットやレンジを合わせて確実にポイントに届けること。事前の情報収集と現場のトライ&エラーでいち早く正解を見つけてください。
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PROFILE
SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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