どこからどこまでがライトなの? ライトジギングの定義【ソルトワールド基礎講座】
SALT WORLD 編集部
- 2020年10月27日
INDEX
ナイロンラインからPEラインへ
では早速本題ですが、実は「どこからどこまでがジギングで、どこからどこまでがライトジギング、スーパーライトジギングなのか?」について、明確な線引きはありません。いきなりそう言っては身も蓋もありませんが、ジギングが普及する過程のなかで、それまでよりライトなものをライトジギング、さらにライトなものをスーパーライトジギングと、その都度呼んできたため、境目は非常に曖昧なのです。したがってこれから書く話が必ずしも正解とは限りませんが、カテゴリー分けのひとつの基準として参考にしていただければ幸いです。
日本でジギングが確立され、一般のアングラーが休日の乗合船で楽しむ環境が整ったのは1980年代の後半から1990年代前半のこと。当初はナイロンラインしかなかったため、潮の抵抗や感度の低さに苦労しながら重いジグをなんとか底まで沈めていました。
しかしPEラインの登場によって楽に底が取れるようになり、深いレンジを狙う方法が確立されると、ジギングのターゲットとフィールドは急速に広がっていきました。この当時の標準的な道具立てはパワーのあるロッドにPE3~4号のラインを使い、ジグもヘビーなものをガンガンしゃくるスタイルが主流。どちらかと言えば、マッチョな男たちの世界だったと言えるでしょう。
軽快に楽しむライトジギングが登場
その後PEラインが細く強く進化し、主流は3号から2号へ、2号から1号へとよりライトな方向へと推移。それに合わせてリールが小型化し(PEは細いため小型リールでも十分なキャパが取れる)、ロッドも軽量化されたことでフィールドとターゲットがさらに拡大。誰もがより軽いタックルでジギングを楽しめるようになりました。これがライトジギングの始まりです。従来のジギングと比較するとメタルジグが軽くなっただけでなく、ラインやロッドの細さからくる軽快なフィーリングも「ライトジギング」と呼ぶにふさわしいものでした。
こうして確立されたライトジギング。当初はPE1~2号に150gまでのジグを合わせて小型青物やタチウオ、根魚など文字通り近海のライトなターゲットを楽しむスタンスでした。しかしさらなるタックルの進化により、この道具立てでもブリやヒラマサ、カンパチなどの大型魚と勝負できるようになり、少なくとも「ライトジギング=ライトなターゲットを狙う」という定義は曖昧になってしまいます。また、大型魚を狙ってフィールドが広がるほどに使うジグのウエイトもアップしたため、「ライトジギング=軽いジグ」という境目もハッキリと線引きできなくなりました。
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ライトジギングからスーパーライトジギングへ
ライトジギングの進化によって、ジギングは近海から沖合まで多くの魚をカバーできるようになりましたが、それでも飽き足りないアングラーが次に狙いを定めたのがマダイ、イサキ、アジなどのターゲット。それらをよりライトな道具立てで、狙って釣るために開拓されたのがスーパーライトジギングです。
想定するラインはPE0.4~0.6号と細く、ジグも30~60gを標準に最大でも80gまで。ロッドとリールはトラウト用と間違うほどで、繊細な駆け引きと魚のファイトを最大限に楽しむことが可能です。ところがこのカテゴリーでも大型魚は釣れます。いや、むしろ小さなベイトを食っている大型魚に口を使わせる方法として理にかなっており、いまやターゲットはマダイ、イサキにとどまりません。スーパーライトジギングと言っても小型魚専門の釣りではないのです。
結局どこで見分けるの?
このように、理論とタックルの進化はカテゴリーの定義づけが追いつかないほど速いのですが、それでは結論にならないのでいくつかの目安を書いておくと、ひとつはジグの重さです。現状ではスーパーライトジギングが20~80g、ライトジギングは60~180g、ジギングは100g~300gといったところでしょうか。ラインの太さで区別するなら0.4号~0.8号がスーパーライト、0.6号~1.5号がライトジギング、それ以上がジギングというイメージです。
表1 ジギングカテゴリーの目安
ジギング | ライトジギング | スーパーライトジギング | |
ジグの重さ(g) | 100~300 | 60~180 | 20~80 |
ライン号数(PE) | 2号以上 | 0.6~1.5 | 0.4~0.8 |
ロッドアクション | ミディアム | ライト | ウルトラライト |
ただしスーパーライトジギングでも大型魚に備えて1号以下は使わないというアングラーがいたり、逆にライトジギングでも潮の抵抗を抑えるために0.4号を使う人もいたりで、その基準は人それぞれ。それは今後もタックルと理論の進化によって微妙に変わっていくでしょうし、数年後にはこうした区別すらなくなり、ボーダレスな世界になっている可能性もあります。
ということで厳密に区別しようとせず、自分なりのファジーな感覚で使い分ければ良いというのがソルトワールド的な解釈。ジギングという大きなくくりのなかで、その時必要なタックルとジグをチョイスすることが大切です。次回はスタイルやレンジによるジギングのカテゴリーを整理してみましょう。
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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