【スーパーライトジギング】タックルセッティングと使い分けとは? 後編
SALT WORLD 編集部
- 2021年07月31日
前編の最後で、ラインの重要性について触れたが、より具体的に説明したい。スーパーライトジギングのエキスパートである中村豪さんが使用するラインは、サンラインの「PE JIGGER ULT」の4本組と8本組の2種類。その詳細とは?
前編はこちら>>>
スピニングとベイトでPEラインを使い分ける
中村さんがスーパーライトジギングで使用するラインは、サンラインの「PE JIGGER ULT」の4本組と8本組の2種類。
「4本と8本では、原糸の太さや編み方が異なりますので、性質も異なります」
中村さんは、その性質の違いを使い分けている。
「4本組は原糸が太いので、ライン自体に硬さがあります。したがって、ベイトリールで使っています。一方の8本組は、原糸が細いのでしなやか。そのためトラブルが少ないので、スピニングで使っています」
▲しなやかな8本組のPEラインはスピニングリールで使用。キャスティング時のトラブルも少ない。
▲耐摩耗性に優れる4本組PEラインはライン自体に硬さがある。そのため、ベイトリールで使用。
ちなみに、スピニングタックルはキャスティングを行うので、ノットは結び目が小さなFGノットでリーダーと結束。ガイドとの干渉が少なくなり、キャスト時のトラブルが減る。一方、ベイトリールに巻く4本組はPRノットとの相性がいいので、それでリーダーと結束する。
「PE JIGGER ULTは、4本組も8本組も低伸度です。ただ、スーパーライトは水深が浅いところを基本的に攻めるので、このような低伸度ラインは必要ないと思う方もいるかもしれませんが、実はこの低伸度が重要です。これにより、ボトムコンタクトや魚のアタリがもの凄くはっきりと分かります。また、このラインには水切れがよくなる加工が施されていますので、とくにキャストしてジグをカーブフォールさせる際は、これが重要になります。つまり、低伸度とコーティングにより、非常に感度がいいという特徴があります」
▲左右非対称のジグは、フォールの際などジグが横を向いた状態で上になる面にアシストフックが来るようにセットする。フォールでのヒットが多いので、テイルフックは必ず付けよう。
この釣りはフォールでのヒットが多いため、テイルにフックをつけることが必須となる。ボトムコンタクトが分かりやすいということは、ジグが着底した瞬間にリールのベイルを返したり、ロッドでジグを跳ね上げさせることができるので、根掛かりのリスクも減らすことができるということ。スピニングでありながら、ジグが着底してテイルのフックが底に着く前に、ジグを跳ね上げさせられるというわけだ。
▲リーダーとジグの接続は、小型の溶接リングとスプリットリング。スイベルやスナップは使用しない(イラストは大きめに描いています)。
「また、低伸度ということは、万が一根掛かってしまったとしても、ロッドを激しく揺すってやることによりジグが暴れるので、外れる可能性も高くなります。つまり、根掛かりの確率も低くでき、根掛かりが外れる確率も高くなるのです」低伸度ラインを使うメリットは非常に多いのだ。
「このPE JIGGER ULTのとくに8本組は、スーパーライトジギングに特化したと言っても過言ではないほど、この釣りに最適なラインです」
▲スーパーライトジギング対応として市販されている出来合いのアシストフックやスプリットリングもある。写真はメロン屋工房のもの。手軽に楽しみたいアングラーにぜひオススメだ。
リーダーは短く1・5mでOK
リーダーは、中村さんは同じくサンラインの「トルネード・ブラックストリーム」の3・5号を使っている。しなやかなフロロカーボンラインで、トラブルが非常に少なく、結びの強度が落ちないのが特徴だ。
「リーダーの長さは1ヒロ(1・5m)です。一般的な考え方でいえば短いかもしれませんが、キャストすることを考えれば短いほうがトラブルが少なくなります。試しに1ヒロ以下で釣りをしてみたことがありますが、それでもヒット率に差は見られませんでした。また、スーパーライトジギングはゆっくりと誘う釣りなので、リーダーの長さは短くてOKです。極端なことを言えば、そのエリアの最大魚のサイズより長ければいいわけです。たとえばブリなら1mもあれば大丈夫です」
ジグの形状を理解して使い分けよう!
ジグの種類については、中村さんはスミスの「ウォブリン」をメインに、「メタルフォーカス」と「TGチビマサムネCB」の3種を使用する。
これらを使い分ける目安となるのが、左右非対称、左右対称、そしてタングステンコンポジットであるということ。それぞれ特徴が異なるのだ。
たとえば、左右非対称のウォブリンはジグを横に向けやすく、その後のバックスライドが秀逸。ただ巻きでは、その名の通り細かいウォブリングアクションでアピールする。そのような特性により、イサキ狙いではイサキがベイトを追っている状況でとくに効果的という。
▲形状も様々なら、カラーも様々。中村さんはジグカラーはそれほど気にしないというが、時にはその色にしかヒットしないということも起こりうる。
一方でメタルフォーカスは、フォールでは横を向いてヒラヒラと落ちていくので、ボイルの後で鱗がギラギラ漂っているような状況で効果的だという。「ジグのアクションで案外効果的なのが、止めていることです。とくにウォブリンは3〜4秒ほど止めていても船の動きや潮の流れによって海中ではヒラヒラ揺れています。ジギングだからといって、ジグを動かさなければ釣れないかといえば決してそうではないんです。北海道ではこのメソッドが大変効果的でした。周りでは釣れているのに自分だけ釣れないというときは、案外ジグをシャクリすぎてしまっているということも多いんですよ」
▲こちらはメロン屋工房のメタルジグ。スーパーライトジギング対応モデルは2種類。ベーシックな形状ながら、実績は抜群。
そしてもうひとつ、ジグの動きで効果的なのが、ただ巻き。
「ジグはシャクってアクションさせるものだと思っている方も多いかもしれませんが、スーパーライトジギングはジグが軽いので、元々ジグそのもの動きがいいんです。したがって、ただ巻くだけでもフワフワと魅惑的に動いてくれます」
せっかくいろんな種類のジグを用意するのだから、どのジグでも同じようにアクションさせていたのでは意味がない。
中村さんのように、ジグの特徴をよく理解し、考えながらアクションさせることが重要だ。
▲形状が異なるのだから、アクションも異なる。「とくにイサキ狙いでは、フォールの姿勢を使い分けることが重要です」と中村さん。「案外効果的なのが、ただ巻きと止めておくことです」。ぜひお試しを!
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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