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豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第2回】

世界を股にかけて活躍するオフショアゲーム界の第一人者のひとり、佐野ヒロム。今回も彼のツナゲームのキャスティングを紹介。第2回のテーマは、リールとルアーの選び方だ。

※編集部注 2021年9月現在、日本国内におけるクロマグロの遊漁は禁止されています。本記事は来年以降の再開(詳細は未定)に向けた参考としてご活用いただければ幸いです。

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第1回】はこちら>>>

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第1回】

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第1回】

2021年09月19日

リールは最強20ソルティガSOMパーツでグレードアップ

リールは、ダイワの20ソルティガ一択。

「マグロゲームでリールに求められる性能は、第一にモンスタークラスがヒットしてファイトが長時間に及んでも、破損や故障などのトラブルがないこと。ボディやギアの耐久性が高く、巻き心地がよくて、力強いこと。そして、ドラグ性能。滑らかであること。マグロゲームは、いかに魚の体力を奪えるか、アングラーの体力を奪われないか、消耗しないか、が勝負です。タックルの優劣によって、大きく変わります。さらに、キャスト時にライントラブルがないこと。どの方向から風が吹いていてもトラブルが起きることなくキャストが決まることが重要です。マグロゲームは常に一発勝負。そういった意味では、20ソルティガは非常にタフです。お世辞抜きにして、本当に凄いリールだと思います」

▲ビッグマウスハンドルは、自然な腕の姿勢で握ることができる。下側からも握られ、だから疲れない。

佐野が本当に凄いという20ソルティガをさらに性能アップさせるのが、スタジオオーシャンマーク製のカスタムパーツだ。

「ついに20ソルティガ用のカスタムパーツが出ます。目玉は23000番スプール。12号が300m入ります。マグロゲームでは、使用ラインが最低300m入るというのは必須条件だと思っています」

ちなみに、ギアはハンドル一回転の巻き取り距離を重視し、14000番ならXG、18000や20000ならHをセレクトする。

「モンスタークラスが跳ねていて、12号で本当に勝負するときに限っては、18000Pに20000スプールやスタジオオーシャンマークの23000スプールの組み合わせも有効だと思います。とくに23000スプールとの組み合わせは最強ですね」

ハンドルも佐野はスタジオオーシャンマーク製でカスタムする。特殊な形状のビッグマウスハンドルだ。これも、20ソルティガのデザインにマッチしたモデルが登場する。

「ハンドルノブはEVAなので、水で濡れても滑りません。最大の特徴は、その独特な形状が人間の骨格の稼働方向に合っていて、ファイト時に腕の向きを変えて、いろんな部位の筋肉を使うことができることです。疲れにくいんです。力も入りやすく、ロッドを真っすぐにしたときのファイトでも、しっかりと巻くことができます。さらに、魚がヒットしたときに最初のひと巻きが行いやすいので、しっかりとフッキングさせられるというメリットもあります。私のマグロゲームは、このハンドル抜きには考えられません」

▲スタジオオーシャンマークから、ついに20ソルティガ用スプールとハンドルのカスタムパーツが登場する。市松模様がカッコいい。
▲小型用スプールは8000、10000、1600(1600で良いか要確認)の3サイズ展開。大型用は12号300mの23000サイズと、18000、そして7号300mの17000。
▲佐野が「このハンドルなくして私のマグロゲームは成り立ちません」という、ビッグマウスハンドル。大型用は90㎜、小型用は70㎜となっている。
▲スペアスプールは各リール1個が理想、と佐野。タックルが3本なら3個だ。荷物の都合などで難しいようでも、リール2個に対して1個は持参したい。
▲ラジエターユニットをスプール上部にも配置。トラブルレスで圧倒的な飛距離を生み出すマルチカットリングも搭載。
▲ドラグの放熱性能を高め、安定したドラグ性能を約束するラジエターユニット。マグロゲームにおいては必須だ。
▲さりげない市松模様が渋いハンドル接続部。20ソルティガのデザインと非常によくマッチしている。
▲最強の20ソルティガが、スタジオオーシャンマーク製カスタムパーツでよりグレードアップ。まさに機能美だ。

2種類を使い分ける佐野流ポッパーの使い方

次はルアー。注目なのは、やはりポッパーだ。

「最近釣果が目立っているのはポッパー系ですね。アピール力もありますし、釣って気持ちがいいです」と佐野。実際、昨シーズンの佐野は、津軽海峡のクロマグロも、三重のキハダもポッパーでキャッチしている。

「使い方が昔とは大きく変わりました。本来、ポッパーというのはポッピングして音と泡で誘う、魚を寄せる、というのが一般的でした。それが最近の考え方は、音と泡は当然重要であり、そういう使い方もしますが、それとは違って最大の特徴であるカップを利用してゆっくりとダラダラと引きます。ミノーっぽく、もしくはペンシルっぽく泳がせるんです。ポッパーのゆっくり引きです。かなりゆっくり、そして長いストロークで引きます。泡をプクプクプクプクといった感じで引くので、魚がイライラするような気がしています。スローで誘うことによる、泡と波動でのアピールです」

さらに佐野は、それとは異なるタイプのポッパーを使い、異なる使い方でも実績を上げているという。

「最近ではポッパーにもいろんな種類が登場していて、スイミング系もあります。そういうタイプは、いったん潜らせてから一定の速度で巻いてアクションさせる、ということも行います。さらに、ショートでゆっくりと連続的にお辞儀させるように、テロテロ、テロテロというイメージでも引きます。タスマニアデビルのピンクを本当にネチネチゆっくり泳がせるイメージです」

昨年三重で佐野は、このスイミングタイプの160㎜を使い、その動きで大型のキハダをヒットさせている。

▲いま、佐野が最も注目しているルアーが、このポッパー。ポッピングタイプと、スイミングタイプの2種類を使い分けている。昨年もかなりの実績を得ている。
▲佐野のマグロ攻略では絶対に外すことができないシンキング系ルアー。大型、中型、小型、タングステンウエイト搭載など、状況に応じて使い分けている。
▲浮力が強くアクションのキレがよくて、しっかりとアピールしてくれるタイプ。ベーシックで、オールマイティに使える。基本は13~25㎝を使用。
▲スリムタイプで、アクションを入れた際に潜りやすく、あまり飛び出さない入力ミスの少ないタイプ。「イカパターンとサンマパターにはとくに効果的です」
▲速く巻いて食わせるタイプのダイビングペンシル。遅い動きのテーブルターンで使っても有効。それぞれの特性を理解して、使い分けることが大切だ。

「さらにポッパーは、カップがあるためブレーキをかけやすいという特徴もあります。移動距離を少なくしたアクションを行うことも得意です。このように、ポッパーは使い方のバリエーションが豊富です。そのいろんなバリエーションの動きや波動というのは、これまで魚たちは見たり感じたりしたことがなかったはずです。だから、釣果が凄く出ているのだと思います。今シーズンも大注目のルアーです」

ポッパーのスロー引き。今後は各地で大ブレイクしそうな予感だ。

▲コントロールキャスト、ロングディスタンスキャスト、パワーキャスト、そしてアンダーハンドキャストと、4種類ものキャストを使い分ける佐野。さらに、そのすべてで右からも左からも投げられる。
▲利き方向とは逆からのキャストができれば、より攻略の幅は広がる。それは、このマグロゲームだけに限ったことではない。
▲キャストすべき場所をよく見てキャストする。それが、正確なキャストの最大のコツだ。
▲マグロゲームはナブラやトリヤマなど、目標物を探すことから始まる。佐野は誰よりも先に見つける。

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第3回】はこちら>>>

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第3回】

豪快に、繊細に、マグロを追い求める~佐野ヒロム・ツナゲームスタイル徹底解説【第3回】

2021年09月19日

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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