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GTゲームの世界観を象徴する表情豊かなルアーたち「FISHERMAN・鈴木文雄のGTポッパー理論」【後編】

GTゲームの世界観を象徴する表情豊かなルアーたち「FISHERMAN・鈴木文雄のGTポッパー理論」【前編】はこちら>>>

GTゲームの世界観を象徴する表情豊かなルアーたち「FISHERMAN・鈴木文雄のGTポッパー理論」【前編】

GTゲームの世界観を象徴する表情豊かなルアーたち「FISHERMAN・鈴木文雄のGTポッパー理論」【前編】

2022年01月17日

長い歴史とコアなファンをもつGTポッピング。それを象徴するのが表情豊かなGTポッパーの数々だ。後編ではGTポッパーの分類を鈴木文雄さんに解説してもらおう。

GTポッパーの分類

GTポッパーには大きく分けて、ビッグパンピングポッパー、ビッグパンプスイミングポッパー、スイミングポッパー(スイマー)、ボディーパンピングペンシルポッパー、ペンシルポッパーの5種類がある。ここでは皆さんご存じのペンシルポッパーを除く4種類について説明したいと思う。

■ビッグパンピングポッパー

アングラーがビッグパンピングでロッドを煽ったときにポッパーは引かれ始めるが、カップでブレーキ(ポッパーブレーキ)がかかり、ポッパーは一瞬止まる。ロッドは曲り、エネルギーは蓄積され、カーボンロッドの高弾性と伸びのないPEラインがカップの性能を引き出し、大きな気泡と共にポッパーを海中にダイビングさせる。

派手な音を轟かせてのビッグパンピングポッパーは、これぞGTフィッシングと思うアングラーやファンも多い。体力的消耗も激しいが、充実感も高い。ロッドを振り切ってポンピングすると、”バコン!”の後、ポッパーは垂直に近い形で止まって浮く。アングラーは素早く糸ふけを巻き取り、再び”バコン!”を繰り返す。

中型魚や他のGTの捕食音でGTを引き寄せるタイプのポッパーで、深いポイントや広いポイントで有効だ。

FISHERMANのポッパーでは、SポップやSポップ・ヒップアップテールがこのタイプになる。

■ビッグパンプ・スイミングポッパー

ロッドで大きく煽るのだが、ポッパーブレーキを感じたら引きずるようにロッドを少し緩め、トルクを掛けながらポッパーを泳がせる。カップの泡はボディーに絡みながら破裂する。

口が大きく(ビッグマウス)浅いのがこのポッパーの特徴で、大カップと縮まるネックが近いことで水流が起き、ポッパーの頭を中心に左右にボディーが動く(泳ぐ)。このときブルブルとしたボディー波動が起き、泡も振られてボディーに絡みつきカモフラージュする。ボディー波動はルアー軸(支点)を中心に、力点と作用点が左右に振る動きから発生する波動がスイム波動となる。

ビッグパンプスミングポッパーはスイム波動だから、常にビッグパンピング+スイムを意識してポッパーを動かすことがコツである(例:ビッグマウスヒップアップテール)。

■スイミングポッパー(スイマー)

支点がカップ(力点)より前にあってボディーが左右上下に泳ぎ、スライド波動を発生させるのがスイミングポッパーの特徴だ。カップの深いスイミングポッパーは海面下を左右にスライドしながら泡を吐き泳ぐ。カップに空気がなくなると自動的に浮上して空気を溜め、再びダイビングスイムする。

ロッドアクションは必要なく、リールの巻きだけで動かすと良い。スライド幅が広くなるほどスライド波動も大きく、上下左右に可動域を広くとれるほど、大きなGTの興味を引く。大きなスライド波動は低周波と同じくGTを引き寄せる効果がある(例:クレイジースイマー)。

■ボディーパンピング・ペンシルポッパー

GTの餌魚にはダツやサヨリといった体型の長い中型魚がいる。ダツは肉食魚で小魚を餌としている。捕食の仕方は小魚の群れに突進して一瞬口を開け、鋭い歯で捕らえる。歯に引っ掛かった小魚を、ダンスするように頭や身体を揺すって弱らせ、失神している小魚を外し飲み込むのだ。

GTは小魚も食べるが、このダツが大好物で、真ん中から2つ折りにして飲み込む。つまりこのダツダンスを模倣したのがボディーパンピングペンシルポッパーなのだ。長いボディーはショートパンプした時に、ポッパーが海面から飛び出さないことと、ベイトの長さも考慮している(例:ロングペン、クレイジーペン)。

各タイプの特徴を知ったうえでGTポッパーを使いこなせば、楽しみはいっそう深いものになるだろう。GTフィッシングはGTポッパーと共に、いまも発展しているのだから。

▲一口にポッパーと言ってもその性格は異なる。大まかな分類と使い方の基本を理解しておきたい。
▲S-POPヒップアップテールに襲い掛かったGT。派手な音と気泡で捕食本能を刺激。
▲ボディーパンピングペンシルポッパーのロングペン。ダツが小魚を捕食する動きを模す。

CRAZY SWIMMER

スイミングポッパーでボディーより少し縮めたカップを持ち、センターウェイト(PAT)などで泳ぐバランスを取っている。ポッピングには向いていないけど、このルアーは泡を引きながら左右にスライドし激しく泳ぎ、カップに溜めた気泡がなくなると浮上して空気を溜め、また潜り泳ぎだす自動アクションのポッパーなのだ。

ポッピングポッパーと比べれば瞬発的破裂音は劣るものの、継続的に発生する泡は大きく帯状に軌道を描く。またボディーが左右前後にスライドするときに起きる波動やシルエットはGTを魅了する。

FISHERMANの開業当時に造られたあと30年以上も細かい改良が加えられているため誰でも簡単にGTへアプローチでき、難しいテクニックも気合の入った体力も必要としない。ロッドをクレイジースイマーの方に真直ぐ向けてリールを一定の速度で巻く。つまり投げて巻くだけなのだ。

ボディーはレギュラーとロングがあり、さらにスイマーの性能に加えてポッピングができるGTPを加えると、3種類のボディーが用意されている。

BIGMOUTH & BIGMOUTH hp Tail(ヒップアップテール)

ポッピング+スイムで巨大なGTを魅了するビッグパンプスイミングポッパー。大口径のカップにつながる首部をキュッ!とくびれさせ、ボディー中央部を膨らませた特徴あるデザインだ。カップは浅めにし、抵抗でボディー後部が大きく左右に動く(泳ぐ)ようにした。この形状は特許庁でパテントと意匠を取得した。センターウェイトとヒップアップテールの2つのパテントを加えヒット率も向上し、遠征には欠かせないポッパーだ。

動かし方は大きくロッドを煽る際に比較的ゆっくりとロッドを操作すること。大きな泡の塊から魚が泳いで出てくる感じを持続させると良い。

S-POP & S-POP hpTail

ロッドを横に大きく振りぬくとポッパーが水を捉えて一瞬止まり、そこからロッドの反発で一気に加速して「バコ!」と、水中気泡爆発のような泡と破裂音を響かせる。いわゆるビッグパンピング用のポッパーだ。ビッグパンプの成功率を高めるためにはカップの海面に対する角度が重要なカギを握る。そこでお腹のフックスイベルを付ける穴に筒状のセンターウェイト(PAT)を入れて少し前かがみな姿勢を維持させた。

またhpTailは最後方に三角に尾の形状の浮力体を持たせたヒップアップテール(PAT)によりお尻を持ち上げ、安定した連続するビッグパンピングを容易にした。

CRAZY PEN

フロントカップを垂直に切りセンターウェイトを入れ、カップが水を噛むよう S-POP & S-POP hpTailにデザイン。ロッドを立てると普通のペンシルとして使え、寝かせるとスイマーとして使えるオールマイティーなペンシルポッパーだ。ショートパンプからのダイビングジャークも可能で、テクニカルなアングラー向きでもある。

LongPEN

名前の通り長いボディーが特徴だ。ロングペンはボディーポンピングを得意とするポッパーで、高速で動かす必要がない。ショートパンプはロッド先を上にしてリールを巻きながら上下に動かすと、腹部が水を噛み泡を発生させる仕組み。ポッパーの中では最も力を必要とせず、長時間のGTキャスティングを可能にした。逆風にも強く、優れた飛距離も稼げるパイロットポッパーなのだ。

JACKAL hpTail & JACKAL Long

ビッグパンピングポッパー。S-POPよりも首部を細くし、ヒップアップテールを付け泳ぎを重視した。またジャッカルロングは長いボディーを持つセンターウェイト(PAT)でパンピング時にボディーが海面から飛び出しにくい。ロングペンと並び逆風でも安定した飛距離を出すパイロットポッパー。

PAROPARO

余裕があると遊び心は膨らむもので、GTポッパーも同じだ。パロパロは海鳥君というトップの延長線上にあって、センターウェイト+鳥っぽいデザインだ。ロッドを寝かせてファストリトリーブでGTを引き寄せ、ショートパンプでヒットさせる。FISHERMANらしいGTポッパーの一種である。パロパロはタガログ語で「浮気男」という意味、なぜかオーストラリアやニューカレドニアで人気だ。

あひる君GTスネーク

ヒップアップテール+ロングペンのデザインはボディーパンピングを効率的に発生させ、ロングペンと同じくショートパンプを得意とする。もともとあひる君は10gの小さなポッパーでバラムンディーなど海外で人気のトップなのだ。

ビッグパンピングポッパー

派手な音を轟かせ大きな気泡と共にダイビング。ビッグパンピングタイプにはファンが多い。深いポイントや広いポイントで有効だ。フィッシャーマンのSポップ(スプラッシャーポップ)やSポップ・ヒップアップテールはこのタイプの代表格だ。

ビッグパンプスイミングポッパー

口が大きく浅いことがこのタイプの特徴。大口径のカップとくびれたネックが生む水流でヘッドを中心にボディーが動く。代表的なポッパーはビッグマウスとビッグマウスヒップアップテール。ビッグパンピング+スイムを意識して動かすのがコツである。

スイミングポッパー(スイマー)

支点がカップより前にあり、ボディーが左右上下に泳ぐことでスライド波動を発生。ロッドアクションは必要なく、リールの巻きだけで動かすと良い。写真はクレイジースイマー。

ボディーパンピングペンシルポッパー

ダツやサヨリといった体型の長い中型魚を模したタイプ。長いボディーはショートパンプの際に海面から飛び出さない意図もある。ロングペンがよく知られている。

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

SALT WORLD 編集部の記事一覧

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