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開かずの酷道、国道471号で行く乗鞍への旅|筧 五郎の酷道の旅

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2日めはまさかの通行止め

2日め。あえて白川郷経由で遠まわりしたのは、世界遺産である相倉合掌造り集落を見たいからだ。
そしていよいよ国道471号へ。八尾町からは大長谷川と並走するように走り、ふるさとセンターを越えると
「通行止め」の看板が現れ、あ然とした。ここで迂回するには、富山市まで下って国道41号を走ることになる。出発前に下調べしたときには通行可能だったのに……。

落ち込むヤツがいれば、拾う神がいる。工事関係者のクルマが止まり、この先はホントに通行止めですか?と聞いたら、「自転車なら通らせてくれるかもしれないよ。でも僕は判断できないから、行ってみて聞いてみないとわからないよ」とのこと。行ってみないとわからない道を急ぎ、工事関係の方に声を掛けたら作業を中断してくれた。お礼を言って通してもらうが、ここからが酷道の始まりだった。

2日めの国道471号。大きな石がゴロゴロしており、進もうにも進めない道が続く

今までにない過酷さだ。絶望感を味わい、どん底までたたき落とされる道が続く。ようやく富山と岐阜の県境、二ツ屋峠まで来たが、生きた心地がしない。人の気配がした。なんと並行する川を見たら釣り人がいる。お互いに驚いた! このあたりから路面状況が一変する。ずーっとガタガタに苔むした路面が続くのだ。路面からの細かな衝撃で、僕の身体はもう疲労困憊だった。さらに電波は圏外で、峠はどこかもわからない、看板もないし町までの距離もわからない。

そして、いきなり現れた開けた場所。1車線分しかない道。ここが楢峠?と思ったが、看板も何もないのだ。ここがきっと楢峠だろうと思い込むしかないのだ。

ようやく国道360号まで下ってきたら、もうあとは普通の道だ。高山本線の線路が見えたときにはホッとした自分がいた。何かがあっても、輪行すれば帰れる。
国道41号に合流してから、さらに数河峠(896m)を越え、ようやくヤマザキの看板を発見。ここで食べた「どん兵衛」が、今まで食べたインスタント蕎麦でいちばんうまかった。空腹は最高の調味料とはよく言ったものだ。

国道471号の過酷な部分は国道472号との重複区間になる。ガードレールがないところも多い。最高地点は楢峠(1220m)だ。ちなみに1本の道路に国道同士が重複する場合は、必ず番号が小さいほうが上に表示されるのだ。国道と県道の場合は国道が上だ
国道471号の秘境とも言われる奥飛騨温泉郷を見ながら、高原川に架かる宝橋を渡ればゴール。平湯まで10㎞あまりだ

最後のトンネルを抜ければ終点だ。乗鞍の定宿、ペンションのりくらの神田さんが迎えに来てくれた。ゴールで待ってくれている人がいるほどうれしいことはない。

酷道2本をつないだ430kmの旅は終わった。

ようやくたどり着いた、ペンションのりくらのお風呂

国道471号で行く乗鞍ルート

1日めは国道417号で冠山峠を越え、金沢へ。2日めは白川郷を経由して、開かずの酷道、国道471号を走る。富山と岐阜県境の二ツ屋峠、さらに楢峠、数河峠を越え平湯温泉がゴール。走行距離約430km、獲得標高約5800m(メーター値)。

ライダー紹介

筧 五郎

NHK BS-1「チャリダー☆」で人気のホビーレーサー。「酷道」ハンターとしても知られる。2005年国内ヒルクライムレースの最高峰、乗鞍のチャンピオンクラスに優勝。名古屋のショップ「56CYCLE」店長

▼「国道471号で行く乗鞍」旅の準備編はコチラ

※この記事はBiCYCLE CLUB別冊「ロードバイク一人旅入門」からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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