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シマノ・パワーメーターを編集部が体験、ペダリングを可視化してスキルアップ

シマノのデュラエースR9200シリーズとアルテグラR8100シリーズのパワーメーターが、ペダリング時のペダル踏力の大きさと向きをベクトルで表すフォースベクトル表示に対応した。ガーミンやワフーのサイクルコンピューターでリアルタイムのベクトル表示が可能になるだけでなく、シマノ・コネクトラボを併用することで、ライド全体のデータを振り返ることも可能になった。そのメリットとして、パワーだけではなく、ライダーがいつ、どんなペダリングをしているかを可視化できる点があげられる。

ここではシマノが構築した解析サービス「コネクトラボ」のシステムを改めてチェック、さらにハムスタースピン・福田昌弘さんの指導の下、編集部員がペダリングを実際に解析するためテストを実施、その結果をもとに改善する方法を聞いてみた。

フォースベクトル表示に対応しペダリングを“見える化”

シマノだから実現できた信頼性と精度の高さ

シマノのパワーメーターと他社のパワーメーターとの最大の違いは、フォースベクトルが表示できるか否かにある。フォースベクトルとはペダリング中のペダルにかかる力の大きさと向きのこと。通常のパワーメーターではペダリングの結果生じるパワーだけが表示されるが、シマノのパワーメーターではパワーがどのようなペダリングで生み出されたかを可視化できる。

シマノのパワーメーターでは、左右のクランクアームで30度ごとに荷重データを表示・記録することが可能。ペダリングに関するデータは、クランク1回転ごとにサイクルコンピューターに送信され、サイクルコンピューターにリアルタイムで表示されるほか、ライドデータとしても記録されていく。

左右のクランクアームにあるパワーセンサーは、素材の特性やクランクの剛性などを考え、計測精度を高めるために最適な位置に設置。さらにBBシャフトに内蔵されたバッテリーなどの電子部品と有線接続され、ワイヤレスタイプの左右計測パワーメーターと比べてデータ計測時のロスが少ないのも特徴だ。この高精度で信頼性の高いパワーメーターは、素材と構造の両面からクランクを知り尽くすシマノだからこそ作れたと言っても過言ではない。

高精度計測を可能にするセンサー左右のクランクアームにあるセンサーは、それぞれ12カ所(30度ごと)の荷重データを計測。ペダリングに関するデータを対応のサイクルコンピューターでリアルタイムに表示しながらライドデータとしても記録する

パワーもペダリングのデータも高精度に計測できる

ペダリングのデータは表示すると同時に記録

パワーメーターで計測したフォースベクトルなどのペダリングに関するデータは、サイクルコンピューターやスマートフォンでリアルタイムに表示され、同時にライドデータとして記録されていく。ライドデータを走行後に解析サービスへアップロードして詳細を振り返ることも可能だ。対応するサイクルコンピューターは、ガーミン・エッジシリーズとワフーのエレメントシリーズ。メジャーなブランドなので、機器の設定だけで使えるケースも多そうだ。スマートフォンの場合はEチューブライドアプリを使えばOKだ。

Eチューブライドアプリでのフォースベクトル表示。自転車を進めるために有効な力がかかったときは青い矢印、バックを踏むなど有効な力を打ち消す力がかかった場合は赤い矢印が表示される

シマノ・コネクトラボでデータの収集や分析ができる

シマノのパワーメーター、データを表示するサイクルコンピューターやスマートフォン、データ解析サービスのシマノ・コネクトラボが三位一体となってひとつのシステムを構築

計測、表示、解析という三位一体のシステムを構築

シマノのパワーメーターは、サイクルコンピューターやスマートフォン、データ解析サービスのシマノコネクトラボとで三位一体となってひとつのシステムとして機能するのが特長だ。サイクルコンピューターやスマートフォンに記録されたライドデータには、ライド全体のペダリングデータが記録されている。これをシマノ・コネクトラボにアップロードすれば、ライド全体のペダリングデータを振り返ることができる。

シマノ・コネクトラボでも、サイクルコンピューターなどと同様に、ペダル踏力の大きさと向きが30度ごとにベクトルで表示される。有効なトルクがかかったときは青色のベクトル、有効なトルクを打ち消すようなトルクが加わった場合は赤色のベクトルになるのも同じだ。

これにより、ペダリング中に下死点で明らかに踏み抜いていたり、バックを踏んで踏力をロスしている場合、その改善を図って、効率のよいペダリングを身につけることにつながる。効率のよいペダリングが身につくことで、より遠くに楽に走ることも可能になるだろう。

シマノ・コネクトラボでは、各ライドの詳細データとしてフォースベクトルなどペダリングに関するデータに加え、スピードやケイデンス、走行距離、走行ルートなども表示される

パワーカーブを利用し手軽にパワートレーニング

シマノ・コネクトラボで表示されるデータのひとつパワーカーブは、これまでのライドで記録された各時間あたりの最大平均出力(MMP)をグラフにしたもの。これを活用すれば、20分のデータを簡易的にFTPと見なして、手軽にパワートレーニングを始められる。

製品情報

FC-R9200-P(パワーメーター付き)

PCD:110mm チェーンリング:54-40T / 52-36T / 50-34T クランクアーム長:160 / 165/ 167.5 / 170 / 172.5 / 175mm 平均重量:774g(54-40T)/ 752g(52-36T)/ 745g(50-34T) メーカー希望小売価格:17万6253円

FC-R8100P(パワーメーター付き)

PCD:110mm チェーンリング:52-36T / 50-34T クランクアーム長:165 / 170 / 172.5 /175mm 平均重量:769g(52-36T)758g(50-34T)メーカー希望小売価格:14万3582円

ハムスタースピン・福田流、コネクトラボの活用法

ハムスタースピン・福田昌弘(右):プロ選手やホビーサイクリストのサイクリングコーチを行うハムスタースピン代表を務めながら、関西医科大学大学院医学研究科博士課程でペダリングについて研究。自らもサイクリストとしてロードレースなどに参戦中

コネクトラボのデータをペダリングの修正に活用

シマノのパワーメーターはペダリングを見える化し、解析サービスのコネクトラボと併用することで高度な解析を可能にする。その活用法の一例として、ハムスタースピン代表の福田昌弘さんは、ペダリング効率とパワーの相関やトルクカーブを使ってペダリング修正に取り組むことを勧める。

「トルクカーブを見れば踏み遅れていないかがわかりますし、パワーとペダリング効率の相関グラフを見れば、フォームが乱れる強度も分かります。これらを参考に低い強度でじっくりペダリングを修正しましょう」

1.スタート

計測スタート。はじめの数分間はFTPより低い強度が続くので、体感的にもまだまだ余裕がある。ペダリングもまだ乱れていない。

2.フォームに変化

FTPで走るあたりから、かなりきつく感じるようになる。ペダリングの踏み局面でカカトが落ちるなど、フォームにも変化が現れた。

3.テスト終了

限界に達したところでテスト終了。最後の1分間の平均強度がVO2maxとみなされるが、最後の方はペダリングが大きく乱れていた。

ランプテスト

VO2maxに達するパワーを測るテスト。ウォーミングアップ後、100Wで1分、次の1分は120Wというように、1分ごとに20Wずつ強度を上げていき、限界に達した最後の1分間の平均出力をVO2maxとみなす。今回はペースがきつくなったときに体の動きが変わるポイントを確認するのに利用した。

編集長山口のランプテストのグラフ。「全体的に左右バランスがばらついていて、出力が段階的に上がっていない。最後まで大きな同じような傾向が続くので、ペダリングとしては完成している」(福田)

テスト前にパワーメーターを校正

正確なデータを計測するため、テスト前には校正(ゼロオフセット設定)を行おう。実走とインドアなど使用環境が変わった場合はマグネット校正も行うとよい。

パワーとペダリング効率の相関グラフから傾向を見る

コネクトラボではパワーとペダリング効率の相関をグラフで見られる。パワーが上がるほどペダリング効率も上がる傾向にあるため、青い点の集まりは右肩上がりに並ぶことが多い。途中でグラフの傾きが変わっている辺りは、動作が変わっているポイント。強度を維持するのに必死で、フォームを維持できなくなったと考えられる。

フォースベクトルやトルクカーブからペダリングの問題点を知る

90度で最大トルクを出せるのが理想的

クランクの上死点を0度、下死点を180度としたとき、最大トルクが90度で発生するのが理想。トルクカーブの90度以降で最大トルクが発生している場合は踏み遅れていることを示す。

フォームが乱れないギリギリの強度でフォームを改善

高強度になると誰でもペダリングフォームが乱れがち。それを改善するには、フォームが乱れないギリギリの強度でじっくりペダリングを修正するとよいそうだ。「強度を上げることだけが練習ではありません。効率のよいペダリングを身につけることも大切です」と福田さん。

BEFORE/AFTER

左が改善前、右が改善後。山口は強度が上がったときにペダリング中に右ヒザが内に入ることが分かった。トップチューブに巻いた紙にヒザが当たらないよう、重いギヤを60回転以下で丁寧に回すSFR(低ケイデンス、高トルクでのペダリングトレーニング)を実施。

 

問:シマノ自転車お客様相談窓口
TEL.0570-031961
https://bike.shimano.com

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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