
東京サイクルデザイン専門学校×太陽誘電コラボ企画! 青山おしゃれ女子を満足させるeバイクを作れ

Bicycle Club編集部
- 2022年11月23日
今年度で3回目を迎える東京サイクルデザイン専門学校3年生と太陽誘電によるコラボ企画。11月9日に生徒たちのユニークな視点が盛り込まれた6台の発表会が開催された。毎年違ったテーマに沿った電動自転車を、技術のみならずコンセプトやプレゼン力など総合的な完成度を目指すのが課題だ。

今年のテーマは“渋谷・青山界隈が拠点の女性ユーザーを満足させる”eバイク!
東京サイクルデザイン専門学校(以下TCD)の3年生の課題でもあるeバイク制作。昨年は“アクティブシニア層”をターゲットにした自転車制作がテーマだったけれど、今回は渋谷・青山界隈が拠点の女性が乗る自転車が課題となった。リアリティを追求するために女子学生たちにヒアリングしたり、インターネットで流行をリサーチしたりして、6グループそれぞれが独自の視点で取り組んだeバイクが並んだ。

男子率が高いTCD。なんと今年の3年生は男子率100%! 実際の女子へのヒアリングはジュエリー科のある水野学園を中心に行われた。
渋谷・青山界隈が拠点の女性が乗る自転車というテーマの中でもさらに、遊び、デリバリー、社有車という3つのシチュエーションが用意された。特にデリバリーというシチュエーションは、コロナ禍以降の重要かつ必要な自転車のポイントとなっている。
渋谷・青山界隈という設定もただおしゃれなだけでなく、小刻みにアップダウンを繰り返す地形に、eバイクの利点を生かしてほしいという思いからだろう。実際TCDも渋谷と表参道の中間に位置し、坂の多い立地にある。生徒もよく知っている場所だけに、どういう自転車がいいのか、イメージしやすかったことだろう。
今回も使われたのは、太陽誘電株式会社の電動アシストユニットだ。太陽誘電のアシストユニットの特徴は、回生充電方式を採用していることだ。これはブレーキ時に発生する熱量を、充電に使うというシステム。これによってブレーキをかけるたびに充電されるという優れものなのだ。そのため一回の充電で、かなり長い距離をアシストしてくれる。「省エネ・安全・安心」というユニットコンセプトを生かしつつ、学生たちが考え抜いた力作を見ていこう。

【Aグループ】
イメージは移動するカフェ! 気に入った場所を見つけてリラックス
クロスした曲線のフレームに、木製のかごやチェーンカバーがクラシックで優雅な雰囲気のTEa-bike(ティーバイク)。「つい出かけたくなる ふと止まりたくなる」をコンセプトにデザインされた。スカートが車輪に巻き込まれないように後輪の半分以上を木製パネルで覆っている。木製のカゴの中には組み立て式の椅子が内蔵されているなど、細部までアイデアいっぱいの自転車となった。




【Bグループ】
既存の概念にとらわれない、近未来的社有車!
今回製作された6台のうち、唯一バッテリーを横型に配置し、フレームの中に隠すデザインのC2-B2(シーツービーツー)。渋谷・青山で働く女性が会社から郵便局に行ったりお昼を買いに行くシチュエーションをイメージしている。ボリューム感あるトップチューブは社名などの広告スペースとして活用し、内側のスペースは半分にバッテリーを内蔵し、ハンドル側の半分は荷物を入れるスペースとなっている。BBをふたつ配置するなど、構造上のアイデアも盛り込んだ。バッテリー位置とケーブルのバランスの問題で、発表時にはアシスト機能が稼働できていなかったのが残念だが、既存の概念にとらわれないチャレンジに満ちあふれた作品だった。




【Cグループ】
積載量豊富ながら、女子的カワイイも盛り込んだデリバリー自転車
コロナ禍以降、急速に浸透したフードデリバリー。その80%は自転車による配達だ。女子でも楽にデリバリーの仕事ができるように、というのがCグループのコンセプトだ。タイヤは20インチを採用することで、前かごを低い位置に配置。小柄な女子でもデリバリーバッグを乗せやすいように配慮した。またダウンチューブには2本の細いパイプを使い、フロントチューブの先まで構造を延長。前かごを乗せるフロントキャリアの役目を一体化させている。このことにより、前かごはフロントで支える形となり、重い荷物を入れてもハンドリングには影響が出にくく、安定性の向上にもつながるなど、細やかな気遣いが随所に見られる。




【Dグループ】
荷台一体型の、シンプルモダンなデリバリーバイク!
北欧デザインを思わせるシンプルモダンなフレームが印象的なデリバリーバイクBAEDAL(べダル)。Cグループのデリバリーバイクと違い、こちらは荷物を後ろに置けるようにデザイン。これは電動アシストのモーターが前輪にあるため、バランスをとって安定して乗りやすくするためだ。荷台の強度を出すため太めのチューブを採用しているが、すっきりとして緩やかなカーブを帯びたデザインが女性的な雰囲気を醸し出している。グリップ、ハンドルはシックなブラウンカラー。それに合わせた木製のチェーンガードも、可愛らしいデザインに仕上がっている。




【Eグループ】
ユニークなシートステーがデザインフルな社有車
緩やかで優しげな曲線で構成されたフレームのtokale(トーカ)。イタリア語の風格と女神を合わせた造語だ。フロントチューブの先までのびたメインチューブに内蔵されたライトが、どこか生き物のようで可愛い。特徴的なのはシートステーが左右対称ではなく、上下にアンシンメトリーに配されている点だ。このバランスのおかげで、スペースを大きく確保でき、バッテリーの取り外しが楽に行えるようになっている。




【Fグループ】
細い路地でもさっそうと走り抜ける。キックボード付き自転車
今回一番凝ったデザインと構造のキックボード付き自転車・vivido(ヴィヴィド)。休日に渋谷や青山のショップ巡りを楽しむ女性をイメージして製作された。キックボードもさることながら、前輪20インチ、後輪14インチの前後異径を採用。渦巻くようなフレームも、人混みで目を引くこと間違いなしだろう。自転車で移動して、ショップの多いエリアや細い路地ではキックスケーターで進む、そんな2wayスタイルは十分女子ウケしそうだ。シート角が立っているので、自転車としての乗り味は独特だが、全く違った乗り物として面白い存在になりそうだ。



普段の制作とは違い、グループワークのこの課題。生徒たちがアイデアを出し合いぶつかり合いながら作り上げていった自由でユニークな作品の数々は、固定概念で固まったサイクリストには新鮮だ。この若者たちの自由な発想が、日本の自転車業界に大きな発展を与えていくことを切に願うばかりだ。
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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