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山岳をアグレッシブに攻められる! ピレリのチューブレスレディの実力|PIRELLI

近年のロードタイヤの勢力図を塗り替える勢いのピレリ。チューブレス・レディモデルであるPゼロレース TLRの軽量モデルSLを、自転車ジャーナリストのハシケンが山岳で試乗レビュー。

ロードタイヤの勢力図を変えたPIRELLI(ピレリ)

日に日に寒さが和らぎ、春の到来を感じる今日この頃。ヒルクライムやロングライドイベントもはじまりサイクリングシーズンが本格的に幕開け。すでにイベントにエントリーし、目標に向けてモチベーションを高めている人も多いことだろう。そんなときは、新しい機材にも興味が湧くタイミングでもある。今回は、今シーズン、ヒルクライムレースや山岳系ロングライドイベントに挑戦する人に向けて、今注目のタイヤとホイールを紹介する。

インプレッションライダー ハシケン:自転車ジャーナリスト。ヒルクライムレースを得意とするアマチュアレースを楽しむホビーサイクリスト。Mt.富士ヒルクライム一般の部で総合優勝、石鎚山ヒルクライム連覇など

ここ数年で世界のタイヤ勢力図を書き換えたメーカーといえばピレリだろう。イタリア・ミラノ郊外の芸術地区として知られるビコッカ地区に本社を構え、150年に渡りモータースポーツはじめ自転車タイヤを開発してきたイタリアを代表するタイヤブランドだ。歴史をさかのぼれば、1890年、母国開催の第1回ジロ・デ・イタリアはじめ、長くサイクルロードレースシーンにその名を刻んできた。近年、ミッチェルトン・スコット、トレック・セガフレード、AG2R、UAEエミレーツなど、続々とワールドツアーチームとパートナーシップを結び、モータースポーツで培った技術も生かし高性能なタイヤを生み出している。

Pゼロレースシリーズのラインアップと特徴比較

「P ZERO(ピーゼロ)」はピレリが誇るロードレーシングシリーズだ。プロ供給モデルだけあり、クリンチャー、チューブレス、チューブラーまでラインアップをそろえる。今回、せっかくの機会なので、P ZEROシリーズの最新ラインアップを一覧にして紹介する。

クリンチャーの定番モデル「Pゼロレース」、チューブレス・レディのスタンダードモデル「PゼロレースTLR」。それぞれ、転がり抵抗を抑えて軽量化を実現した「PゼロレースTT」(クリンチャー)と「PゼロレースTLR SL」(チューブレス・レディ)を決戦用モデルとして展開。タイヤ規格は新ETRTOに準拠。また、TLRタイプは、TLR SLの28CとスタンダードなTLRの28Cと30Cがフックレス対応モデルとなる。このように隙のないラインアップがそろう。

今回テストしたモデルは、26Cで245gの軽さを実現したチューブレス・レディモデルの「Pゼロレース TLR SL」だ。スタンダードモデルから耐パンクベルトの素材を最小限に抑えて軽量化を突き詰めた決戦モデルと言える。そして、テストホイールには、以前にインプレッションで紹介したフルクラムの軽量モデル「スピード25」(クリンチャーとチューブレスの2WAY-FITタイプ)を選んだ。期待するところは、記録に挑戦するヒルクライムシーンでの実力と快適性を生かしたロングライド適正だ。

山岳を征する軽量ホイールと評したスピード25の詳しい製品レビューは、こちらを読んでいただきたい。

山岳を征する軽量ホイールフルクラム・スピード25をハシケンが試乗レビュー|FULCRUM

山岳を征する軽量ホイールフルクラム・スピード25をハシケンが試乗レビュー|FULCRUM

2022年08月26日

フロアポンプで簡単にビードが上がる

ピレリに限らずチューブレス・レディタイヤの心配事は、以前ほどではないがビードがスムーズに上がってくれるかどうかだろう。作業前の印象として、Pゼロレース TLR SLは、TLRタイヤとしてはタイヤ自体が薄めでしなやかな作りの印象。スムーズにビードが上がりそうな予感もしたが、期待どおり、一般的なフロアポンプでストレスなく1発で気持ちよく装着できた。ホイールによる相性も多少あるだろうが、基本的にタイヤの精度が高くなければ上がるものも上がらないので、TLRタイヤとしてまずは安心だろう。

今回、シーラントはピレリオリジナル「Pゼロ スマートシール」を注入。高圧で薄めのタイヤの空気漏れを防ぐことを想定したロードタイヤ専用のシーラント剤だ。黄色の液体はインパクトがあるが、サラサラとしてベタつかないので、リム面に飛んでもウエスでサッと簡単に拭き取ることができた。

ピレリが公表する体重別推奨空気圧チャートを参考に5.7bar(26Cサイズで体重58〜65kg時の推奨圧に充填。同じ体重でも30Cであれば4.5barが推奨圧に指定されているので、タイヤごとに注意したいところ。

Pゼロ スマートシール

価格:2,100円(税込)

「Pゼロ スマートシール」の
詳細はこちら

コンペティティブユースに向くチューブレス

ピレリ初のTLRである「Pゼロレース TLR」の軽量モデルであるSL。スタンダードモデルでは耐パンク素材「TechWALL+(テックウォール・プラス)」のセンター部分にあるレイヤーをSLでは省き、軽さを追求。結果、26Cサイズで270gから245gへと10%の軽量化を実現している。

PゼロレースTLR SLのトレッドパターンは、センターに2本の溝が走る。ワールドツアーチームからのフィードバックも最終プロダクツに反映される

期待を持って走らせると、いわゆるチューブレスらしい軽い転がりのよさが感じられるだけでなく、路面を力強く捉えるアグレッシブさも持ち合わせている印象だ。快適なチューブレスのイメージよりも、コンペティティブな味付けがされている。軽さも相まって挙動も機敏で、軽快なダンシングを生み出し、加速時や登坂時に、気持ちよく駆け上がることができた。Pゼロレース TLR SLは、数あるチューブレスモデルの中でも、コンペティティブユースに向いたモデルであると確信した。レース向けのTLRとして求めていたタイプのフィーリングだ。

グリップもナチュラルでコーナーでも確実に路面を捉え続ける。3種類のポリマー化合物を混ぜたPゼロシリーズのベースコンパウンドとなる「スマートエボコンパウンド」が、しっかりと粘りを生んでいるのだろう。低圧で乗れる分だけタイヤの変形量を最大限に引き出せる利点がある。

記録更新をめざすベストチョイス

以前にテストしたクリンチャーモデルの「Pゼロレース」に近いクリアなライドフィールがあり、空洞感のあるチューブレス独特の転がりのよさが武器。ヒルクライムレースで記録更新をめざすにはベストなチョイスと言えるだろう。コーナーでのグリップも高いレベルにあり、日常的に山岳ライドを楽しみつつレースでも運用する、まさに私のようなスタイルには有力候補になる。
出先でのパンク修理時の手間を考えるとクリンチャーのほうが気楽ではあるが、低圧で乗れるTLRは、荒れた路面やウェットコンディションへの利点もある。リム打ちパンクのリスクがないチューブレス構造もTLRを積極的に選ぶ理由にもなる。短時間のヒルクライムシーンに限らず、ヒルクライムを含む山岳系ロングライドにもメリットを生かせる高性能モデルだ。

ちなみに、クリンチャーのPゼロレースは、26Cで重量205gであり超軽量ではないが、想像以上に走り出しは軽く、しなやかな乗り心地も楽しめるレーシングモデルだ。この春、Pゼロレースの性能を極めた「PゼロレースTT」(26Cで重量170g)もリリースされたばかり。こちらのモデルも気になるところだ。

左から、ロード専用のシーラント剤「Pゼロスマートシール」(2100円)、「Pゼロスマーチューブ(バルブ長42mm/60mm 6500円、80mm 7050円)、「スマーチューブ パッチキット(1200円)。いずれも税込

オリジナルのシーラント剤「Pゼロスマートシール」や、TPUチューブの「Pゼロスマーチューブ」、TPUスマーチューブ専用の補修パッチまでラインアップ。複数のワールドチームへサポートし、積極的に開発を進め、その存在感を高めているピレリのPゼロシリーズ。今シーズン、一度は試してみたい高性能レーシングタイヤである。

製品情報

ピレリ・Pゼロレース TLR SL

希望小売価格:15,300円(税込)

SPEC

タイヤサイズ:26C、28C
重量:245g(26C)、275g(28C)
ケーシング:120TPI
耐パンク素材:TechWALL(テックウォール)
コンパウンド:SMART EVO(スマートエボ)

「ピレリ・Pゼロレース TLR SL」の
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PROFILE

ハシケン

Bicycle Club / スポーツジャーナリスト

ハシケン

ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

ハシケンの記事一覧

ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

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