BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

ゆめしま海道の離島に暮らす現役高校生が企画した「eバイクガイドツアー」で絶景を走る!

瀬戸内の島々をつなぐ「ゆめしま海道」を舞台に、現役高校生が企画したeバイク サイクリングガイドツアー「Let’s!ゆめしまサイクリング ~人と人 繋ぐは島の 橋と橋~」の参加レポートをお届けする。

「ゆめしま海道」は、愛媛県上島町にある4つの離島(弓削島、佐島、生名島、岩城島)を結ぶ道で、しまなみ海道の因島・生口島の南側に位置する。2022年3月には生名島と岩城島をつなぐ「岩城橋」が開通し、4島すべてが橋でつながったことで周遊しやすくなり、サイクルツーリズムの目的地としても改めて注目を集めている。

ゆめしま海道

今回参加したツアーがめずらしいのは、ガイドツアーの企画からコース設計、そして当日の案内役と先導役まで、すべて現役高校生が行っていることだ(日本初!だそう)。上島町にある唯一の高校「愛媛県立弓削高等学校」の学生が中心となって「ゆめしま海道サイクリングツアー実行委員会」を立ち上げ、実行委員会の会長も現役高校生が務めている。弓削高校の先生方や上島町の協力を得ながら、昨年に続いて2度目の開催を実現した。

ランチも全力でおもてなし! 高校生が考え抜いた「ゆめしま海道」の魅力とは

朝9時。「弓削港ひだまり公園」で受付を済ませたら、弓削高校の学生たちにeバイクのフィッティングをしてもらい、スタートの準備は完了!
オープニングセレモニーでは、実行委員会会長を務める弓削高校2年の澤田さんが参加者に向けてガイドツアーの魅力をスピーチし、「ゆめしま海道の景色を楽しんでください! 弓削高の学生と一緒に、都会にはない、キレイな海と山の景色を堪能してほしいです」と笑顔で呼びかけた。

スタート前の集合写真

ツアーのスタート前には弓削高校生による安全講習が行われ、eバイクの操作方法と、集団で走る際の注意点やハンドサインを参加者全員で学んだ。今回のツアーで先導役・案内役を務める学生は全員、サイクリングガイド講習を受けており、レクチャーの内容も的確。ツアーの楽しさだけでなく、安全に走る大切さをしっかり伝える工夫も徹底されていた。

スタート前の安全レクチャー

紺色の弓削高ジャージに身を包んだ学生たちの先導で、ツアー参加者の一行は「弓削港ひだまり公園」を出発! 午前中は弓削島の見どころを巡った。島内のアップダウンは少なく、eバイクが初めての参加者も操作に慣れやすいルート設計。海沿いの道を北上し、島の北端へ。海の見える鳥居がある「高浜八幡神社」と、その少し先にある防波堤アート『天(そら)の花』に立ち寄った。

防波堤アート『天(そら)の花』

お待ちかねのランチは、弓削島の高台から景勝地・松原を望むホテル「FESPA(フェスパ)」のレストラン、イルマーレへ。「ゆめしま海道でしか食べてもらえない、特別なメニューを味わっていただきたくて」と高校生たちが悩み抜いてセレクトした「レモン薫るゆめしまバーガー」は、地元の食材をふんだんに使った鯛カツバーガー。「ライドだけじゃなく、食でもこんなに楽しませてくれるなんて!」と喜ぶ声も聞かれ、参加者同士の交流もなごやかに盛り上がっていた。

“ゆめしま時間”で自然と対話が生まれるアットホームなガイドツアー

午後は、ゆめしま海道の4島を制覇するルートへと出発。弓削島はゆめしま海道の東端にあり、西に向かう順に、佐島、生名島、岩城島と並ぶ。島々をつなぐ橋への道は上り基調になるが、eバイクのパワーでスイスイと駆け上がっていく。
ライドを担当する学生たちのイチオシという生名島の南海岸を走り抜け、岩城島に渡った後は岩城橋を起点として時計回りに島をぐるりと一周。岩城橋をのぞむ海岸沿いにあるアート作品「YUMESHIMA CIRCLE」や、西海岸にある防波堤アート『海のおとを聴く』など、点在するアートスポットを訪れながら島内を快走した。

今回のツアーでは、寄り道スポットで学生たちによる解説が行われたが、ツアー後半になるにつれ、学生たちの“巻き込み力”によって、参加者も解説を担当するシーンが多数見られたのが印象的だった。ゲスト参加者の一人、愛媛県土木部部長の中川逸朗さんは橋の種類の解説や、岩城橋の建設に携わった際のエピソードをシェアしてくれた。また、岩城島北端にある岩城造船では、もう一人のゲスト参加者、上島町長の上村俊之さんが島の造船業や船の種類について解説するシーンも。それらはさながら社会科の授業のようで、高校生と一緒に走ったからこそ体験できたとも言える、一味違う貴重な時間。アットホームな雰囲気で対話が生まれる、“ゆめしま時間”ならではのガイドツアーとなった。

「弓削港ひだまり公園」でゴールして、約42kmのツアーを完走した参加者からは、「いままで知らなかったゆめしま海道の魅力に気づけた。高校生たちが心を込めてたくさん準備してくれたのも伝わって、とてもうれしかった」、「瀬戸内エリアに古くから息づくおもてなしの風習『おせったい』の気持ちを感じるツアーだった」という感想が聞かれた。「来年もぜひ参加したい!」という声もあがり、高校生によるツアーは参加者の笑顔いっぱいで解散の時間を迎えた。

高校生による「自転車甲子園」優勝校、今年の連覇を目指して

イベント終了後、今回の企画に関わった弓削高校の学生と先生にインタビューした。

じつは、弓削高校は「自転車甲子園 *1」第2回大会(2022年11月開催)の優勝校。昨年大会では、行政や地域を巻き込んだeバイク サイクリングガイドツアーに関する取り組みを「地域の活動や取り組みに関するスピーチ」で発表し、その内容が評価されて決勝に進出、見事優勝を勝ち取った。

弓削高校の教頭・正岡先生は、「学生たちは今年12月に開催される『自転車甲子園 第3回大会』での連覇を目指すため、今回の企画にもかなり気合いを入れていました。eバイク サイクリングガイドツアーだけでなく、デジタルスタンプラリーも同時開催して、去年の企画よりさらにパワーアップ。もちろん学生の力だけでは、これだけ大きな企画は達成できません。上島町観光戦略課をはじめ、協力団体の皆さんが全力でサポートしてくださったおかげで、学生たちはさまざまな経験ができています」と語った。

  • *1 「自転車甲子園」とは
    現役高校生が1チーム3名で「道路交通法を基準としたクイズ」、「実技」、「地域活動に関するスピーチ」の3種目で競い、上位4校による決勝では「討論バトル」を行う。サイクリングに関する正しい知識や技術を身に着け、地域の自然環境や文化への理解を深めることを目的とし、サイクリングを通じて、地域の魅力を発見・発信できる人材として活躍することを応援する内容。
    https://jitensha-koshien.jp/
ガイドツアーを先導する学生たち。ゲスト参加者の上島町長の上村俊之さん(右から2人目)、愛媛県土木部部長の中川逸朗さん(右から3人目)と走る。

イベントの企画は「総合的な探究」の授業の一環として今年度の1学期中から行われたそうで、授業を担当した弓削高校の川上先生は、「総合的な探究授業は2年生主体で行われ、いくつかの班に分かれて実施するのですが、今回のイベントに携わったのは授業内で『自転車班』を選んだメンバーたちです。主要メンバーは10人ほどですが、ボランティアとして企画に関わる学生もかなり多いのが特徴です。また、高校と地域の結びつきが元々強いこともあり、上島町がどんなことでもサポートしてくださるのが、これだけの規模のイベントを実現できた理由の一つだと思います」と語る。

実際に企画を担当した学生たちにもイベント後に話を伺った。弓削高校の学生のうち、普段から自転車で通学する人は弓削島在住者がメイン。そのほかの島からはフェリーやバス、徒歩で通う学生がほとんどだそうだが、「コースの下見は、eバイクのアシストがない自転車で行いました」と全員が笑う。コース設計は基本的には授業中に行い、夏休み期間に4〜5回、自転車の専門家のアドバイスも受けつつ、本番に向けてルートをブラッシュアップしたそうだ。

「普段の生活では基本的に同じ道しか走らないけれど、ツアーのために走ったことのない道も視察して、僕たち自身も知らなかった景色を見つけることができたのが良かった。みんなで作り上げていく過程もおもしろかったです」(岡野さん・2年生)。

「2カ月前からじっくり考えてきたコースで参加者の皆さんに喜んでもらえて、本当に良かった。コース決めや、アポイント取りが大変だったけど、安全面に気をつけてイベントを成功できたのが自信になりました」(澤村さん・2年生)。

「総合的な学習の一環で、自分たちから声をかけて、地域の人や上島町全体を巻き込んで、大きなイベントを作り上げていくのが本当に楽しかった。今回の経験で、ほかのエリアのガイドツアーにも参加してみたくなりました」(藤澤さん・2年生)。

「自転車のイベントを企画することも、ガイドツアーを担当するのも初めてでした。20人もの参加者を誘導するのはなかなか慣れなかったですが、イベントが終わった後に参加者の皆さんから『楽しかった』『ありがとう』の声を直接かけてもらえて、がんばって良かったなと思いました」(香川さん・1年生)

イベント後、インタビューした学生5人並んで撮影

インタビューの締めくくりは、実行委員会会長の澤田さん(2年生)。
「『第一回目の去年のeバイクツアーを超えるイベントにしよう!』という意気込みで、今年の企画を進めました。ガイドツアーと同時にスタンプラリーも実施したので、僕自身は裏方に徹していましたが、イベントタイトルにも入れた『人と人 繋ぐは島の 橋と橋』という言葉のとおり、人と人をつなぐツアーとして成功したんじゃないかと感じています。イベントをきっかけとして、ゆめしま海道を訪れる人がもっと増えたらうれしいです。ぜひ、上島町に来て、『Let’s!ゆめしまサイクリング〜♪』してみてくださいね」。

あたたかな人柄が伝わってくる高校生たちが自転車で盛り上げる、ゆめしま海道のサイクリング文化。人と人の出会いを大切にした心温まるガイドツアーで、知られざる離島の魅力を満喫できた1日となった。ゆめしま海道ではイベント開催日以外でも、弓削島と岩城島のレンタサイクルターミナルでeバイクの貸し出しを実施中。自転車ビギナーでもeバイクで走り出せば、誰もが気軽に離島サイクリングを楽しめるので、圧倒的な景色をお目当てに、ぜひ旅してみてほしい。

 

主催:ゆめしま海道サイクリングツアー実行委員会
協力:上島町/愛媛県立弓削高等学校

11月12日、自転車と島グルメを楽しむ「YUMESHIMA CYCLING DAY」開催

11月12日の愛媛サイクリングの日に合わせて、「YUMESHIMA CYCLING DAY」の開催が決定。eバイク、ミニベロ、ロードバイクなどさまざまな自転車の試乗会と島グルメのイベントだ。ゆっくりとおだやかな時間が流れるこの場所で、絶景の海と多島美を楽しみながら、試乗してみよう!

詳細はこちら

SHARE

PROFILE

Bicycle Club編集部

Bicycle Club編集部

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

No more pages to load