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【独占インタビュー】ツール4勝のフルームがファクター工場を訪問。現役生活の継続について語る

今月行われたジャパンカップには多くのスター選手が来日した。その中でツール・ド・フランス総合優勝経験もあるクリス・フルーム(イスラエル・プレミアテック)は来日前に所属チームが乗るファクターの製造工場を見学するため台湾を訪問。その際にバイシクルクラブは日本のメディアとして独占インタビューを敢行した。

その名を徐々に高めていく新興自転車ブランド、ファクター

ファクターといえば、ヨーロッパではイタリアやフランスなどと比べて後発組となるイギリスのバイクブランドというイメージだ。その生い立ちを見るとフェラーリやアストンマーティンなどの高級スポーツカーやF1、モトGPなどモータースポーツのカーボンコンポジットパーツの仕事を手がけてきた世界最高レベルのデザインチームから2014年に立ち上げた最先端のバイクメーカーである。

UCIワールドチームAG2Rが使用していた2017年にフランス人クライマーのロマン・バルデ選手が第12ステージで優勝し、総合3位に入った実績から世界的注目を浴びるようになった。国内では今年ダブルで日本チャンピオンとなった小石祐馬選手と山本大喜選手を擁するUCIコンチネンタルチーム、JCL TEAM UKYOが使用するバイクとして知名度が高まっている。

新しい発想と最先端の技術・開発力から生み出されるレーシングバイクを造り、プロライダーの開発テストを重ねながら完成度を高め続けているファクター。その心臓部ともいえる台湾の工場にクリス・フルーム選手が創業オーナーのロブ・ギティス氏、COOのカルヴァン・チャン氏と共に訪問した。

工場見学を終えたフルームにインタビュー!

Bicycle Club(以下BC):ファクターとの関わりはどのようなものですか?

クリス・フルーム(以下C.F):現在のチーム、イスラエル・プレミアテックに移籍した2021年からファクターのバイクに乗っています。ご存知のとおり、私はツール・ド・フランスで優勝した全盛期も含めて10年間同じブランドのバイクに乗っていました。もちろんそのバイクも素晴らしかったです。ただ、今のチームへ移籍して初めてファクターのバイクに乗ったときのフィーリングがとても良かったので、すぐに好きになりました。スタッフとのコミュニケーションも良くて、ファクターという会社自体も好きになりました。それでチーム加入初年度から積極的に開発テストにも関わるようになり、その後もずっと良い関係性を築いています。今回初めて工場を訪れるのが楽しみで、とてもワクワクしていましたよ。

BC:ファクターのどんなところが気に入っていますか?

C.F:とにかく反応が良くて操縦しやすいところが好きです。一言で表現すればよく走るバイク。それは開発力の高さ、エンジニアのコミュニケーション能力やレスポンスが素晴らしいからだと思います。私を含むテストライダーのフィードバックにすぐ応えてくれて、改良品が出来上がるのも早いバイクメーカーです。例えばタイムトライアルバイク「ハンゾ」の開発テストをした当初、カーボンハンドルのフィーリングを改良したかったのですが、それが的確かつスピーディーに仕上がったので、かなり驚いたことを今でもよく覚えています。もちろんそのバイクは空力に優れ、トータルバランスも良いものに仕上がったので、実際に走らせてみて満足できるものになりました。

BC:ファクターの工場を見学してみて、どんな印象でしたか?

C.F:実際にフレームを作っている現場を見てみて、ハンドメイドに近い手作業が多いことには驚きましたね。私がテストしたフィードバックに耳を傾けて、次に試作品を作るレスポンスが早いことも納得できました。現場を見て、ファクターは信頼できるバイクメーカーだとさらに確信しました。

同席したCOO カルヴァン・チャン氏(以下K.C.):我々は毎日、世界でベストのバイクを造るために情熱をもって全力を尽くしています。一流のデザイナーやエンジニアを抱え、毎年大きな開発費を投入し、日々テストライダーとのコミュニケーションを取りながら常に最高の製品を生み出す努力を続けています。その積み重ねの結果、数年間でファクターが世界中のサイクリストに注目されるバイクブランドに成長したといえるでしょう。

BC:ファクターがレーシングバイクの開発力や性能が優れていることはよく分かりました。ではメーカーが日本のマーケットで販売数を伸ばす上で、選手よりもホビーサイクリスト人口の方が多い現状で、彼らが乗って快適なバイクを造ることに関してはどう考えていますか?

K.C.:我々はレーシングバイクのメーカーとしての情熱や自負があります。もちろん、ホビーサイクリストが乗っても楽しくて快適に走れるバイク造りは意識しています。そのために、速さと快適さのバランスを取ろうとしていることも忘れてはいません。日本では多くの世界的バイクメーカーのハイエンドモデルが売れています。世界トップレベルのレーシングバイクを所有したい、乗ってみたいというホビーサイクリストはたくさんいるということです。その数がもっと増えていけば我々もうれしいですね!

C.F:たしかに、FACTORがレーサーだけではなく、もっと多くのホビーサイクリストにも広がると良いですね。レーサーだけを見てモノづくりをしていても数は広がらないということも理解できます。一度乗ってみると、誰でもその走りを楽しめると思いますよ!

BC:4度のツール・ド・フランス総合優勝から2019年の大ケガを経て、いまフルーム選手がプロ選手として走るモチベーションは何からきていると感じていますか?

C.F:もう38歳で、かつてのレベルに完全復調というわけにはいきません。これからエースとしてグランツールで優勝を狙うということもないでしょう。でも私は、プロ選手としてこの仕事を心から愛しています。今もUCIワールドツアーのロードレースを走れて、世界各地を回り、チームメートたちと協力し合って勝利を目指す生活が楽しいのです。チームから信頼され、必要とされている限り私はプロ選手を続けていきたいですね。先ほどお話したとおり、ファクターのような素晴らしいバイクブランドからも必要とされていることも幸せなことです。私はロードレースというものが大好きですし、プロチームという環境に身を置くこと自体が大きなモチベーションになっているといえます。

BC:そんなキャリアの重ね方も素晴らしいと思います。2025年までチームとの契約があり現役続行されるという情報ですが?

C.F:はい、そのとおりです。2025年まで現チームと契約しています。40歳まで現役プロ選手でいられることを誇りに思います。

BC:あなたはツール・ド・フランス4勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ2勝、ジロ・デ・イタリア1勝と3大グランツール全て制覇した偉大な選手です。その経験やネームバリューはチームにとっても大きいと思いますし、年下のチームメートたちがフルーム選手から直接学べることは多いと思います。ぜひこれからも頑張ってください!

C.F:ありがとうございます。また日本の皆さんとお会いして楽しい時間を過ごせることを楽しみにしています!

クリス・フルーム選手が2025年まで現役続行といううれしいニュースが確認できた。フルーム選手とファクターのCOOカルヴァン・チャン氏は終始笑顔でテンションの高いトークとなったが、彼らが思い描く最高のバイク作りへの情熱と両者の信頼関係がよく伝わってきた。今年限定モデルも発売されるそうなので、これからもファクターに注目したい。

フルームとコラボしたファクター新モデルにも注目!

今回、ファクターのフラッグシップモデル「OSTRO VAM」と、超軽量特化モデルの「O2 VAM」に、クリス・フルームとのコラボモデルとしてユニークな「Rhinoceros」が追加された。フルームはこの雄大な生き物への愛で知られており、ソーシャルメディアでは自分のことを「サイ」と呼ぶことも。お得なホイールセットや完成車の価格はFACTORホームページからチェックしよう。

OSTRO VAM フレームセット

価格:786,500円 (税込)

O2 VAM フレームセット

価格:885,500円 (税込)

FACTORホームページ
(トライスポーツ)

インタビュアー/加藤 修

高校生から競技者として活動。トラックで近畿高校選手権優勝、ロードレースでは’89京都チャンピオンを獲得。本誌ではファビアン・カンチェラーラ、アルベルト・コンタドールなど世界のトップ選手たちの独占インタビュー記事を執筆。自転車をもっと人気スポーツにしていく活動の一環としてUCIレースの取材記事をはじめ、健康に良い自転車のPR ・普及活動に取り組む。日本の女性サイクリストを応援、増やしていくために女子の自転車チームHigh Ambitionを運営。2019年日本で初となる女子の国際自転車チームHigh Ambition 2020 jp.を立ち上げ、同年アジアのUCIレースで優勝、ジャパンカップ優勝の実績あり。姉妹グループHigh Ambition女子サイクリングアカデミーでは自転車の魅力発信、普及活動、イベントの企画などに取り組み中。

今回は現地メンバーとオンラインでのインタビューを実施。画面右上の椅子に座った人物の左側がフルーム選手だ

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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